「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」を鑑賞。日本デザイン史の断面に触れた

「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」を鑑賞。日本デザイン史の断面に触れた

リクルートのクリエイションギャラリーG8で、2018年1月23日(火)〜2月22日(木)まで開催中の「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」を鑑賞。

雑誌『アイデア』(誠文堂新光社)を手がかりに、日本の20世紀デザインを現在第一線で活躍するデザイナー達が振り返り、解釈していく新しい視点のグラフィックデザイン展。

ただ、優れたデザインを見せるだけでなく、批評的な視点も入っていてとても面白かった。

会場内は写真撮影可能だったので、気になった展示を紹介したい。

ポスター。アイデア誌の、本をイメージさせるオブジェクトがアイコン的に使用されている。

来たるべきグラフィックデザインのための図書室

47組のデザイナー達がグラフィックデザインの未来に連なる書籍を選出。実際に手にとって読むことができる。

これまでのアイデア誌も並ぶ。表紙のデザインの変遷から、グラフィックデザインの時代性も感じられて面白い。

これまでのグラフィックデザインから考える13の断章

本展示で私が一番面白いと感じたのはこのコーナー。気鋭のグラフィックデザイナー13人が20世紀の日本デザイン史を振り返り、各々独自の視点で壁面をグラフィックデザイン史の「断面」として構成したもの。デザイナーの頭の中をのぞいているようで、とても見ごたえがあった。

大原大次郎氏による「文字」をテーマにした壁面。

私がとりわけ興味を惹かれたのは川名潤氏によるこちらの壁面。日本のエディトリアルデザイン史の中で、表紙のデザインを手法毎にチャート状にまとめたもの。

エポックメイキングなブックデザインを網羅しているという点も良いが、何より、「B.D.オールドスクールリバイバル」「タイトル実存主義系」「多重情報レイヤー系」などといったタイトルのつけ方がとても良い。

これまでなんとなく「〇〇っぽいブックデザイン」という感じで認識していたデザインテイストが、ネーミングを得ることによってより具体性を帯びてくる。

この展示だけで終わるのは勿体無い見事な編集。原寸大のポスターで欲しくなる。

大西隆介氏によるもの。岡本太郎、横尾忠則、粟津潔などの作品が見受けられる。

加藤賢策氏によるもの。「遊」や「エピステーメー」「全宇宙誌」など、杉浦康平によるブックデザインが多い。

髙田唯氏によるもの。下の「ウロコダンゴ」のパッケージなどは「Allright Graphics」のデザインに近いテイストを感じる。

中野豪雄氏によるもの。「インフォグラフィックス」や「ダイアグラム」をテーマにしたもの。杉浦康平による「時間軸変型地図」や「味覚地図」など、いつ見ても面白い表現だ。

そしてこちらの菊地敦己氏のテキストが物凄く印象に残った。

「頼まれていなくてもデザインすること」。

グラフィックデザインを前進させるには、自主制作的な活動が重要であるという内容。

たしかに本展示に参加している気鋭のデザイナーの方々は、自主制作や、頼まれた事以上のデザインをして、力をつけて来た人たちだと思う。

自分もこの言葉を胸に刻んで活動を続けていきたい。

グラフィックデザインに興味がある人は行って後悔は無い展示だ。


Information

グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史

会期: 2018.1.23 火 – 2.22 木

時間: 11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料

会場: クリエイションギャラリーG8

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