ある案件で、InDesign CS6までの形式でデータを納品して欲しい、という時があり、私が当時使用していたmacのOSバージョンは10.12 sierraだった。

所有していたInDesign CS5をsierraのmacにインストールしたところ、インストールはできたのだが、アプリケーションを起動しても強制終了されてしまう。

InDesign CS5が対応しているmacのバージョンは10.9 mavericksまでなので当然といえば当然なのだが、mac自体のバージョンを下げると他の案件の時に不便が生じてしまうので、どうにかできないかと考え、以下のソフトを使用することにした。

Parallels Desktop

Macに複数OSをインストールして、シームレスに切り替えをすることができる仮想デスクトップソフト。こちらを使用して、10.12 SierraのMacに10.9 mavericksをインストールし、さらに、その中にInDesign CS5をインストールして使用できないかと考えた。

Macには元々、Bootcampという複数OSをインストールできる機能があるが、Bootcampの場合、OSの切り替えをするには毎回再起動が必要になる。そうなると10.12で作業する案件と10.9で作業する案件を同時進行する事が出来ず、あまり効率的では無いと感じたため、有料ではあるが複数OSを同時使用できるParallelsを使う事にした。

 

手順

注)mac OS 10.9 mavericksおよび、Adobe InDesign CS5のインストールディスクは予め持っている事が条件

1. Parallelsを購入

公式サイト

https://www.parallels.com/jp/landingpage/pd/general/?gclid=Cj0KCQiAiKrUBRD6ARIsADS2OLl_y8CWNPw645QjV2_78AtYfx_I5G5YxZiNy6A9fy2YRqTfMnVqIj0aAoFMEALw_wcB

またはAmazonなどのショップで購入

[amazonjs asin=”B07GBTPT3W” locale=”JP” title=”Parallels Desktop 14 Retail Box JP(通常版)”]

公式サイトには、14日間無料で使用できるトライアル版もあるのでまずは試してみても良いだろう。

https://www.parallels.com/jp/products/desktop/trial/

2. Parallelsをインストール

10.12 SierraのMacにParallelsをインストール。

3. 仮想OS上に10.9 mavericksをインストール

Parallels上の仮想OSとして10.9 mavericksをインストール。

これで、10.12 Sierraの中に10.9 mavericksがインストールされ、併用できる状態となる。

4. 10.9 mavericks内にInDesign CS5をインストール

10.9 mavericksの仮想環境内にInDesign CS5をインストール。さらに、制作に必要な他のソフト(Illustrator、PhotoshopなどのAdobeソフトやテキストエディター)や使用するフォントをインストールして完了。

やや裏技的な方法であるが、これで、macOS 10.12 sierraがインストールされたMacでInDesign CS5を使用する事が出来るようになる。

メリットとデメリット

◯メリット

▶10.12 sierraでInDesign CS5を動かせるようになる。

完全ではないが対応していない上位OSでCS5を動かせるようになるメリットは大きい。上位バージョンで作成した後、互換データ(idml形式)で保存…という方法も無くは無いが、デフォルトのInDesign CS5形式で保存したデータのほうが信頼性は高いだろう。

▶再起動しなくてもOSを切り替えられる

これはParallelsを使う事によるメリットだ。切り替えというよりも、同時に使用する事が出来るので、例えば最新のInDesign CCを使った作業とCS5を使った作業をウインドウを切り替えるだけで平行して進める事が出来る。

×デメリット

▶ストレージを圧迫する

OSを2つインストールし、さらにAdobeソフトもインストールするので当然だが、Mac本体のストレージ容量をかなり使用する。私はストレージ容量512GBのMacProを使用しているのだが、OS2種とアプリケーションだけで半分くらいの容量を使用してしまっていた。

▶仮想OSは動作がやや少し重い

仮想OSへのメモリの割り当てにもよると思うのだが、仮想OSとしてインストールした10.9 mavericksの方ではやはり動作がモッサリと、重い。

当然だが、仮想OSを起動している際は本体の10.12 sierraの方で使えるメモリも少なくなってしまう。

▶InDesignは“完璧に”動作するわけではない

仮想OSにインストールしているInDesign CS5では“完璧に”動作するということではなく、解決しないエラーも起きていた。

特に私が困ったのはキーボード配列のエラーである。括弧(「」[]『』)などの記号が上手く打てず、該当するキーをタイプしても別の記号が出てしまうというエラーが起き、色々調べたのだが解決する事が出来なかった。

おそらく、私が使用している日本語キーボードに対して、US版のキーボード配列が適用されてしまっているのだと思うが、解決が出来ず、括弧は別の場所にあらかじめ打ち込んでいたものをコピー&ペーストして持ってくるなど、テキスト入力や文字修正の際にかなり大変だった。

まとめ

今回紹介した方法はある意味では“裏技”的なので、デメリットもかなり多い。それでも、10.12 sierraでInDesign CS5を使う方法としては数少ない現実的な手段なので、困っている人はデメリットを把握した上で試してみて欲しい。

Parallelsにはいくつか値段のランクがあるが、今回の方法を実践するだけであれば通常版で十分だ。

 

パラレルス Parallels Desktop 13 for Mac Box JP
Parallels (2017-08-25)
売り上げランキング: 48

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA