こんにちは。
先日、起業リアリティショー『NONTITLE(ノンタイトル) シーズン6』の最終回デモデイがリアルタイムで生配信されましたね。私も画面の前で手に汗握りながら視聴し、YouTubeコメント欄での投票にもバッチリ参加しました(私は「昭和世代」に一票を投じました!)。
今回のシーズン6は、エンタメとしての面白さはもちろん、ビジネスの完成度としても過去最高に熱いシーズンだったと感じています。
結果は「昭和世代チーム」の納得の勝利!
しかし、今回のデモデイを1人のフリーランスグラフィックデザイナー(普段は印刷物のデザインやDTP、講師などをしています)の視点で見つめ直したとき、この勝利の裏には「実務としての恐ろしい地獄」と、「デジタル全盛の今だからこそ輝く、紙の圧倒的な価値」という、非常に深いテーマが見えてきました。
今回は、デザイナーの視点から『ノンタイトル6』最終回を徹底的に深掘りレビューしてみたいと思います。
Z世代と昭和世代、それぞれのデモデイを振り返って
まずは両チームのプレゼンや、個人的に印象に残ったポイントを振り返ります。
爽やかで優秀、だけど課題が残った「Z世代チーム」
Z世代チームのプレゼンでまず驚いたのは、ゆいちゃんの落ち着きっぷりです。人は緊張するとどうしても早口になりがちですが、彼女はずっと冷静で堂々としていて本当にすごかった。
質疑応答では、審査員のゆとりくんや箕輪さんがまず「褒めてから質問する」というさすがの姿勢を見せていて、ここはぜひ仕事でも参考にしたいなと感じました。
Z世代チームの応答は、番組途中で出ていた懸念点(ビジネスモデルの難しさ)があまり改善されていない印象もあり、かんちゃんが一言も話さなかった理由など、少しモヤモヤが残る部分も。
そんな中、箕輪さんの「命を預かる事業」というコメントはあまりにも鋭く、胸に刺さりました。
熱量とエピソードが光った「昭和世代チーム」
一方で昭和世代チーム。初期メンバーが白黒で流れる紹介VTRの演出から、雰囲気がありすぎて最高でしたね。
何より、ぺえさんが「小学校の自由研究から家系図をやっていた」というエピソードが素晴らしく、プロダクトに対する純粋な熱量が見事でした。
質疑応答では、朝倉未来さんの鋭い質問から逆に事業への興味が伝わってきたり、自分の家系図を作ってもらい、それを見て嬉しそうにしている箕輪さんの表情が印象的でした。
そして何より、りゅうけんさんの質疑応答の強さが光っていましたね。コメント欄にあった「特急料金のシステムを作る」というアイデアも、今後のビジネスとして非常に現実的で良いなと感じました。
【プロの懸念】「1冊4万円の家系図冊子」の裏にある、デザイナーが震える2つの地獄
見事勝利した昭和世代チームですが、実は出版・印刷業界の端くれにいる私から見ると、あのビジネスモデルは「一歩間違えれば大赤字になる、地獄のロードマップ」に見えて仕方がありません。
「40ページの冊子で4万円」という価格設定。一見、消費者としては安くない金額に見えますが、実務を考えると恐ろしいリスクが潜んでいます。
「デザインのミス」はバレなくても、「文字のミス」は一発アウト
デザインの良し悪しには正解がありませんが、誤字脱字は素人が見ても一発で分かります。
しかも、今回の商材は「家系図」です。一族の歴史やルーツという、絶対に間違えてはいけない超重要データを扱います。
「おじいちゃんの下の名前の漢字が違っている」「生年月日が1年ズレている」──もし4万円を払って届いた冊子がこれだったら、確実にとてつもないクレームになります。名前の漢字間違いは、このビジネスにおいて最も致命的なリスクです。
「外注できない価格設定」が生む、終わらない校正ループ
通常の書籍は「1つのデータを大量に印刷する」ことで単価を下げ、利益を出す構造です。しかし今回は、注文ごとに内容が異なる冊子を1冊ずつ作る「超多品種微量生産」。
このレベルの文字校正やファクトチェック、レイアウト(組版)をきっちりやろうとすると、本来なら専門の人材を雇うか外注する必要があります。しかし、1冊4万円という単価では、外注費を払った瞬間に利益が吹き飛びます(利益率が低いと言われていたのも頷けます)。
注文がバズって大量に入ったら、自分たちの手で血眼になって一文字ずつ確認する「地獄の自転車操業」になり、制作ラインがパンクするのは目に見えています。
勝機は「AI×固定フォーマット」にあるか?
りゅうけんさんはAIに非常に詳しいので、ここをどう自動化するかが勝負の分かれ目になりそうです。
あらかじめデザインの型(フォーマット)をガチガチに決めておき、テキスト生成や1次校正、流し込みをAIで自動化できれば、工数は劇的に減らせます。
もしこれが完璧に実現できれば、デザイン・印刷業界の歴史を変えるようなイノベーションですが、それでも最終的な「人間の目によるチェック」はゼロにできないため、ここからのオペレーションは本当に大変だと思います。
デジタルが逆立ちしても勝てない、紙の「見開き」という圧倒的強み
これだけ実務が「無謀」に見えるビジネスであるにもかかわらず、なぜ昭和チームが勝利したのか。
それは、審査員や過去メンバーの多くが口にした「手元に残る冊子の形になっているのがすごく良い」という言葉に集約されています。
ペーパーレス化が進む現代において、これほど多くの人が「紙の本(冊子)」に心を打たれるという事実は、印刷系のデザインをしている私にとって、意外な喜びであり、ものすごい励みになりました。
では、なぜデジタル全盛の今、わざわざ「紙の冊子」なのでしょうか。
そこには、デジタルが逆立ちしても勝てない、物理的なユーザビリティがあります。
「開けば2倍になる」という魔法
例えば、A4サイズの冊子は、閉じているときはコンパクトですが、開けば一瞬で「A3サイズ」の巨大な大画面になります。
これをデジタル(タブレットなど)で再現しようと思ったら、とんでもなく巨大で重いデバイスを持ち歩かなければなりません。紙は「折りたたむ」という技術で、大昔から画面サイズの制約をクリアしていたのです。
「みんなで囲んで見る」ときの圧倒的な便利さ
家系図というコンテンツの性質上、お正月や親戚の集まりで「家族みんなで机に広げて、指を差しながらワイワイ見る」というシーンが必ず生まれます。
そのとき、画面の反射や視野角、バッテリーを気にすることなく、全員が同時に同じサイズで没頭できるツールは、巨大なタブレットではなく、間違いなく「紙の見開き」です。人に見せる、みんなで見るというコミュニケーションにおいて、紙の冊子は今でも最強のデバイスなのです。
効率や利益率の壁を越えた先にある「モノとして手元に残る価値」を、昭和チームはド直球で証明してくれました。
過去メンバーの登場や、今後のノンタイトルへの期待
最終回はデモデイ以外も見どころが満載でしたね。
特に印象的だったのが浜ちゃん。なんだか憑き物が落ちたような、すごく良い表情をしていました。しかも、シークレットシューズの事業を裏で進めているとのこと!これは1人のファンとして本当に楽しみです。
(せお丸さんの「社員もクライアントも去っていった」というエピソードや、番組で一個も嘘を言ってないというお話は、ちょっと嘘くさくて笑ってしまいましたが……笑)
そして驚いたのが、『ノンタイトル6』の書籍化決定!しかも無料!
紙の価値を証明したシーズンだからこその書籍化、これはファンとして絶対に手に入れたいところです。
一方で、今回はいつもと違って「投資」ではなく「勝利」という扱いだったのが少し気になります。今後のバックアップやサポートはどうなるのでしょうか?(兄コメさんはプライベートジムを始めるという噂もあり、ノンタイトルでの認知拡大はかなりのメリットになったでしょうね)。
まとめ:シーズン7にも大期待!
『ノンタイトル シーズン6』は、エンタメとしても、ビジネスの勉強としても、本当に完成度の高い素晴らしいシーズンでした。
昭和チームの事業はここからが本当のスタートで、実務的にはいばらの道が待っていると思いますが、紙の冊子が持つ「人の心を動かす力」を信じて、ぜひ形にして届けてほしいなと思います。応援しています!
そして、早くも次のシーズン7が今から楽しみです。
みなさんは今回のデモデイ、どちらのチームに一票を投じましたか?ぜひコメントなどで感想を教えてくださいね。
追記(2026/07/21):注文殺到による価格改定
昭和チーム、ぺえさんのxにより、3000件以上の注文が入ったため、二次受付も終了。三次受付からは価格が改定されるというアナウンスがありました。また、注文から納品まで半年以上時間がかかる、とのことです。
▼ 三次受付の価格
・1冊:¥59,800
・2冊:¥79,800
・3冊:¥99,800….なお、お申し込みからお届けまで半年以上お時間をいただく見込みです。
Xユーザーのぺえ(Junpei Mita)さん https://x.com/pe_e37/status/2079127794240618664
デモデイ後即座に3000件の注文は凄まじいですね。
金額改定されたことに不満を漏らしている方もいましたが、番組内でも当初の39,800円は先行購入価格で今後は値上げしていく、と紹介済だったとのことです。
完全受注生産の本で、戸籍調査の費用も含めるとこの値段でも安い気がしますが、、、。
届いた人の感想が気になるので、無事納品され、SNSなどに投稿されるのを期待しています!


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