2026年7月12日、テレビスタジオ(STARRISE TOWER)という非日常的な空間で開催された「Adobe Firefly Camp 2026 @Studio」に参加してきました。
普段、八王子周辺の落ち着いたカフェや自然の中で過ごすことが多い私にとって、港区のテレビスタジオは少しソワソワする空間でしたが、会場はすごい熱気でした。登壇者の方々は来場者にも広く認知されているようで、アイドルのような人気ぶり。
そして、なぜかFirefly関連のイベントに行くと毎回リアルな知人に遭遇するのですが、今回もバッチリお会いしました(笑)。クリエイターたちの「新しい技術を学びたい!」という前向きなエネルギーが集まる場所なんだなと改めて感じます。
今日はその備忘録として、今回のセミナーで学んだ「明日からのデザイン実務ですぐに使えるAI活用法」と、AI時代における私なりの気づきをまとめておこうと思います。
個人的ハイライト:黒背景の物撮りも怖くないPhotoshop「調和」機能
今回のセッションで、私が一番「次の仕事で絶対に使おう!」とテンションが上がったのが、Photoshopの「調和」フィルターです。
フリーランスでデザインをしていると、自分で簡易的な物撮り(商品撮影)をしなければならない場面があります。特に黒背景での物撮りは、プロのフォトグラファーではない自分にとって、ライティングの調整が非常に難しい領域でした。合成しようとすると、どうしても光の当たり方や色味に違和感が出て「合成しました感」が拭えなかったりします。
ですが、この「調和」機能を使えば、合成した要素を背景の色味やライティングに自然に馴染ませてくれます。一人で何役もこなさなければならないデザイナーにとって、クオリティを担保しつつ作業のストレスを劇的に減らしてくれる、まさに救世主のような機能だと感じました。

会場での作例。
背景画像(道路)を開き、背景の上に切り抜いた被写体の画像(バス)を配置する。
被写体の画像を選択 > コンテクストタスクバーから「調和」 > 表示されたバリエーションからイメージに合うものを選択する

右の画像が調和の反映後。背景のライティングがバスの画像に反映されて自然な仕上がりになりました。

こういった、背景の色(グリーンバック)が服に反映されてしまっている場合、切り抜いた上でバックをグレーに。そのうえで「調和」を使うと馴染む。というテクニック。
明日から即使える!PhotoshopとIllustratorの実用Tips
セミナーでは他にも、日々の「困った」を解決し、作業効率を上げてくれるテクニックが多数紹介されていました。
低画質(ガビガビ)画像の救済
クライアントから支給された粗い画像に頭を抱えることはありませんか? Photoshopの「生成アップスケール」や、非常に高精度と推奨されていた「Topaz Gigapixel AIモデル」を使えば、見違えるように綺麗に修正できるそうです。

Photoshopのメニューバーから、イメージ>生成アップスケールを選択
Topaz Gigapixel のモデルを選択。
出力スケール(2倍または4倍)を選択して、アップスケールする。

モデルの違い。
- Firefly:最も手軽なモデル。クレジットが一番安い。
- Topaz Gigapixel:「画像の復元」に特化したツール。写真のディティールを保持したまま拡大できる。
- Topaz Bloom:人物の顔などを部分的に鮮明にする処理に向いている。
削除ツールと自由変形でのレイアウト調整
不要な箇所をなぞるだけで自然に消去できる「削除ツール」と、「自由変形ツール」を使ってオブジェクトの向きや角度を調整するテクニック。切り抜きやキャンバスサイズの変更を伴うSNS向けのリデザインでも、生成拡張機能を組み合わせることで柔軟なレイアウト調整が可能になります。

削除ツール > 生成AIオン > 不要な要素を検索 > 一般的に不要な箇所 を選択して削除
「生成再配色」に配色理論をプラス
Illustratorの「生成再配色」機能。ただ感覚で色を変えるだけでなく、プロンプトに「類似色」「補色」「トライアド」などの配色理論を入力すると、より意図に沿った効果的なカラーバリエーションが生成できるとのこと。これはデザインを教える際にも役立ちそうなアプローチです。

アクセントカラー、彩度/色相揃え、捕食、トライアド配色、類似色、の例。
手描きラフから一気にベクター化
Illustratorでは、コンセプトからベクター生成を行う際、プリセットを上手く活用することで、自分の描いた手描きラフのコンセプトに沿ったイラスト制作が可能になります。

サンプルプリセットから適用するサンプルを選択し、生成を選択する。

ゆるいラフ画像から被写体をベクター形式で生成できます。
AIモデルの使い分けと最新トレンド
少しマニアックですが、ツールに振り回されず「道具として使いこなす」ための知識も得られました。
FireflyボードとFrescoの連携
GPT-2を使用したFireflyボードで「アウトドア業界のイメージボード」などのムードボードを作成。画像を書き出しながら新たなプロンプトを並行して入力・検討できるため、試行錯誤がとてもスムーズになります。

Fireflyボードで、「キャンプ業界のアパレルイメージボード」とプロンプトを入力する。
モデルは「GPT Image2」

このように、デザインの参考となるイメージボード(ムードボード)を生成することができます。
季節や時間の変更
昼のシーンを夜に変更したり(まだ文字などの細かな指定はズレることがあるそうですが)、Autumn(秋)からSpring(春)へ季節感を変更したりすることも、レイヤー全体を選択して調整できます。将来的なロードマップであるFirefly 5への期待も膨らみました。

春、夏、冬、アウトドア、パリ、宇宙、など、一つのデザインを様々なトンマナで展開するPhotoshopの作例。
モデルごとの特性理解
速度重視ならGemini 3.1、0→1で複雑な指示を出して生成するならGemini 3.0 pro。また、平面をニット状のテクスチュアにしたり、背景をグレーに変更するような加工にはサードパーティ製の「ナノバナナ2」なども有効ですが、他モデルは位置ズレが起きる場合があるとのこと。
その点、Adobeの「Fireflyモデルは位置ズレが少ない」というのは、緻密さを求めるデザイナーにとって非常に安心できるポイントです。

Photoshop おすすめのモデルの使い分け
- コンテンツを追加、削除、拡張 ➔ Firefly 塗りつぶし&拡張
- ディテールを保持した画像編集 ➔ Firefly Image 5
- デザインのスタイル変え ➔ Gemini3.1 (Nano Banana 2)
- 0からの画像生成 ➔ Gemini3 (Nano Banana Pro)
AIと「自分の頭」、両方のバランスを大切に
今回のイベントを通して、AIの目覚ましい発展と、それがもたらす実務への計り知れないメリットを肌で感じました。システムの進化は、私たちの手と時間を確実に自由にしてくれます。
ただ、ふと帰りの電車の中で考えたことがあります。
AIに壁打ちをしてアイデアを出してもらうのは確かに効率的で素晴らしいのですが、それに頼りきりになるのは少し違うな、と。
行き詰まった時、パソコンを閉じて外に出てみる。いつものカフェでコーヒーの香りに包まれながらノートを広げたり、散歩をしながらぼんやりと景色を眺めたりする。
そうやって「自分の頭からアイデアをひねり出す、絞り出す」というアナログな習慣も、クリエイターとしては絶対に手放してはいけない大切なものだと気づかされました。
AIは、自分の表現を広げてくれる優秀で心強いアシスタントです。システムの進化に焦ったり振り回されたりするのではなく、一人の静かな時間も大切にしながら、上手にAIと共存していく道を探っていきたいなと思います。
その他のTips

Illustratorの生成拡張により、足りない絵を追加。縦位置のイラストを横位置に。
モックアップ

Illustratorでの化粧品のパッケージデザイン。
- 半分のイラストを描き、効果 > 3Dとマテリアル > 3D(クラシック) > 回転体
回転させて立体にする。 - 「ライト」タブから光の当て方を調整する。
- 「ライト」タブから「シャドウ」を選択して影を追加する。
- 「レイトレーシングでレンダリング」を選択して高画質にする。


Fireflyでモックアップのバリエーションを生成する。
「構成」セクションで「画像をアップロード」 > 先ほど作った化粧品の画像を参照する
効果、カラーとトーン、ライトを選択して「生成」を選択する。
プロンプト:化粧品のモックアップ


イラストにテクスチュアを加える

ベクターで描いたイラストをFireflyにアップ。
画像を編集でビーズアートに!
「構図は変えない」と入れるのがうまくいくコツだそうです。






こういう金属質のロゴマークまで!








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