こんにちは。フリーランスでグラフィックデザイナーをしているmuhakaです。
デザインの仕事をしていると、こんな「モヤモヤ」を感じたことはありませんか?
- 「とりあえずいくつかデザイン案を見せて」と言われたけど、いくつ出せばいいの?
- 「あれ、いつの間にか修正が4回目に突入してる……これって追加料金もらえるんだっけ?」
- 印刷用のデータ入稿が終わったのに、「ついでにWeb用の軽いPDFも頂戴」ってサラッと言われた……(それ、別作業ですよね?)
これ、全部私の実体験です。
デザイナーという職業柄、「せっかく頼んでくれたんだし」「ここで断って角が立ったら嫌だな」と、つい相手の要望を呑み込んでしまいがちですよね。
私自身、完璧主義なところがあり「自分が少し我慢して作業すれば丸く収まるか」と抱え込み、気づけば無償の追加作業に追われてドッと疲労する……ということを何度も経験してきました。
でも、ちょっと待ってください。
そのモヤモヤ、実はあなたが我慢しなきゃいけないことではなく、「発注のルール(法律)」に関わる大きな問題かもしれないんです。
実はそれ、法律違反かも? フリーランス新法のリアル
2024年秋に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス新法)」。
実は最近、この法律に違反したとして、公正取引委員会から「勧告」を受ける企業が続出しています。
公正取引委員会が公表している「令和8年度の勧告一覧データ」を見てみると、ある驚きの事実が見えてきます。

なんと、デザイン、原稿制作、資料作成といった「クリエイティブ系」の業務委託において、違反が相次いでいるのです。
例えば、雑誌やパンフレットの制作、ウェブサイトのデザインなどを発注している大手・中堅企業(株式会社エス・ピー・シーや株式会社KADOKAWAなど)が、次のような理由で相次いで勧告を受けています。
違反の理由(要約):
業務を委託した際、直ちに「給付の内容(何を作るか)」「報酬の額」「支払期日」などの条件を、書面や電磁的方法(メール等)で明示していなかった。
※参考:フリーランス・事業者間取引適正化等法 第3条第1項(取引条件の明示義務)
これ、まさに先ほどのデザイナーあるあるですよね。
つまり、「修正回数は何回か」「デザイン案はいくつ出すか」「納品形式は何なのか」といった具体的な条件を最初にハッキリ伝えないことは、国が『法律違反』として厳しく指導するレベルの問題だということです。
私たちが抱えていた「モヤモヤ」の正体は、この「取引条件の明示義務」が守られていないことから生まれていたんですね。
トラブルの芽を摘む!受注時に絶対確認したい3つのポイント
法律で守られているとはいえ、いざトラブルになってからでは精神的なダメージが大きすぎます。機械やシステムのトラブル以上に、人間関係の理不尽なトラブルって本当にエネルギーを削られますよね……。
そこで、自分の心と時間を守るため、案件がスタートする「前」に必ず確認しておきたい3つのポイントをまとめました。
① デザイン案の提案数
「とりあえずいくつか」は最も危険なワードです。事前に「初回提案は〇案となります」と明確に切り分けましょう。
② 修正の回数と範囲
「納得いくまで」の罠にハマらないよう、「基本料金内での修正は〇回まで」「〇回目以降や、初回のヒアリングから大きく外れる方向転換の場合は別途お見積り」とルール化しておくことが重要です。
③ 納品データの形式
「印刷用PDF(トンボあり)」「確認用JPG」など、何を納品するのかを確定させます。後から「Web用も」「AIの元データも欲しい」と言われた際に追加請求できる根拠になります。
カドを立てずに確認する「スマートな言い回し」術
とはいえ、「法律で決まっているので、条件を明示してください!」なんて言うのは、ハードルが高すぎますよね。波風を立てずに、自然に条件を確認・すり合わせするための「スマートな言い回し(メールの文面)」をご紹介します。コピペして使ってみてくださいね。
▼初回提案・修正回数を確認する時のテンプレート
「スケジュールの遅れを防ぎ、〇〇様のご要望に沿ったクオリティでお戻しするため、初回のご提案は〇案、基本料金内での修正は〇回までとさせていただいております。〇回目以降の修正につきましては、別途ご相談とさせてくださいませ。」
▼納品形式を確認・追加対応する時のテンプレート
「今回は印刷用のPDF(高解像度)でのご納品を想定しておりますが、お間違いないでしょうか。もしWeb用の軽量データ等、別形式でのご納品もご希望の場合は、追加データ作成費として〇〇円にて承りますので、事前にお知らせいただけますと幸いです。」
ポイントは、「法律だから」ではなく「お互いの認識齟齬を防ぎ、クオリティを高めるため」というスタンスで伝えること。これなら、クライアントも納得しやすく、お互いに気持ちよく仕事が進められます。
まとめ:自分の時間と心を守るために
きちんとした条件提示は、自分を守る防具になるだけでなく、結果的にクライアントへ質の高いデザインを提供することにも繋がります。
「これって追加料金もらえるのかな…」とモヤモヤを抱えたままPCに向かうより、スッキリとした気持ちで制作に没頭したいですよね。
発注時のちょっとした確認が、皆さんのフリーランスライフを少しでも快適にしてくれることを願っています。
【参考サイト】


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