関東大震災の混乱の最中で起きた朝鮮人虐殺事件について、最近はじめてその詳細な内容を知り、衝撃を受けました。震災から100年が経とうとしている現在、この事件のさらなる詳細や、なぜこんなことが起きたのか?が非常に気になり、リサーチをしています。

先日、東京都墨田区八広にある「ほうせんかの家」と「関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」を見に行きました。

その様子を写真でご紹介します。

「ほうせんかの家」とはどんな場所か?

関東大震災時に起きた、自警団・警察・軍隊による韓国・朝鮮人虐殺の調査をしている「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」こと、「一般社団法人ほうせんか」による資料館兼交流の場所です。

通常、毎週土曜日の13時から17時まで、開放しています。

私も2022年の2月の土曜日に、急遽お邪魔したのですが、快く入れていただきました。

ほうせんかの家
表札が素敵でした

「ほうせんかの会」の活動とは?

「一般社団法人ほうせんか」がどのような活動をおこなっているか、何のために活動しているかについて、他サイトからの引用ですが、以下にご紹介します。

40年間追悼を続けて

筆者●西崎雅夫(一般社団法人ほうせんか理事) 

 1923年9月1日に発生した関東大震災。この時、警察や新聞による扇動、人々の流言飛語によって罪のない朝鮮人たちが関東各地で虐殺された。

 1982年に私たちの市民運動が始まってから今年で40年になる。当初は、自警団や軍隊に虐殺されて荒川河川敷に埋められたままになっていると聞いた朝鮮人犠牲者の遺骨を発掘することに全力を注いだ。だが震災当時の警察が2度にわたって遺骨の発掘・移送を行なっていたことが判明し、以後は毎年の追悼式と「聞き書き」に力点が移っていった。

 証言を本にまとめ(92年)、追悼碑建立のための行政交渉をし、最終的には私有地に追悼碑を建立した(2009年。碑の所在地は墨田区八広6―31―8)。現在は追悼碑となりの「ほうせんかの家」を拠点としてフィールドワークや学習会などさまざまな活動を行なっている。

引用:寄稿・関東大震災時朝鮮人虐殺を忘れない(https://www.io-web.net/2022/09/%E5%AF%84%E7%A8%BF%E3%83%BB%E9%96%A2%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD%E6%99%82%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA%E8%99%90%E6%AE%BA%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84/)2023/06/13アクセス

「ほうせんかの家」では何が展示されているのか?

関東大震災で起きた朝鮮人虐殺事件について、当時の新聞記事や、1982年の荒川河川敷での遺骨発掘の試掘の写真などが壁一面に貼られています。

震災当時の新聞記事や試掘の際の写真など

荒川放水路の調査をする中で、関東大震災朝鮮人虐殺事件を知り、「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し慰霊する会(のちに「~を追悼する会」)の初代代表となった絹田幸恵さん

ほうせんかの会、会報や資料もあります

証言や資料から事件の現場をまとめたマップ。すごいリサーチです。

本棚には関連資料が殆ど揃っているとのこと
独立新聞は韓国で発行されていたハングル語の新聞
コロナ前は様々なイベントが開催されていたようです
活動の様子が分かる写真がたくさん

韓国料理をつくるワークショップなども行われていたようです。

「ほうせんかの家」は、虐殺事件を風化させないという目的だけでなく、韓国文化を知ってもらうための交流の場所としても機能しているとのことで、それがとても素敵だと感じました。

近所のアーティストの方が描いた、追悼イベントの際の絵

気になった資料

「ほうせんかの家」にはたくさんの資料がありましたが、以下のものが特に気になりました。

関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言

ほうせんか理事の西崎雅夫さんが集めた証言をまとめたもの。オリジナルと普及版があり、現在普及版の方は手に取りやすい価格で販売されています。

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関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言
オリジナルは厚さがすごい

関東大震災時の朝鮮人迫害—全国各地での流言と朝鮮人虐待

日本史学者の山田昭次さんによる著書。

震災が起きた東京以外の地域で、本件がどのように報道されたかをまとめた本。

関東大震災時の朝鮮人迫害―全国各地での流言と朝鮮人虐待

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山田 昭次
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関東大震災朝鮮人虐殺—写真報告

フォトジャーナリストの裵昭さんによる写真集。

荒川での試掘調査の写真などが収録されています。

関東大震災朝鮮人虐殺—写真報告

羊の怒る時

小説家、江馬 修が関東大震災での体験を綴った記録文学。

羊の怒る時 ――関東大震災の三日間 (ちくま文庫 え-21-1)

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江馬 修
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羊の怒る時

TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち

フリーライター加藤直樹さんの著書。朝鮮人虐殺を否定する意見について一つ一つ丁寧に検証し、虐殺否定論がいかに間違っているかをを述べている本です。

TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち

TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち

加藤直樹
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TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち

加藤直樹さんの本では、『九月 東京の路上で』というブログをまとめた本がとても有名です。私もほうせんかにうかがうまえにこちらの本を読み、衝撃を受けました。

関東大震災の朝鮮人虐殺事件について知るための入門書ともいえる一冊です。

九月、東京の路上で—1923年関東大震災ジェノサイドの残響

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響

加藤 直樹
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隠された爪跡—関東大震災朝鮮人虐殺記録映画

呉充功(オウ・チュンゴン)監督による映像作品。

DVDなどになっておらず、イベントなどで上映される時のみ見られる作品のようです。

非常に見てみたいです。。。

隠された爪跡—関東大震災朝鮮人虐殺記録映画

追悼碑「関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」とは?

1923(大正12)年関東大震災の時、東京の下町一帯で殺害された韓国・朝鮮人を追悼するため、2009年9月に建てられました。

ほうせんかの家の隣に立てられています。

関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑
韓国の飾り
韓国の神さま?の像

ほうせんかの家では理事の方に色々教えていただきました。

とても良い場所なので興味がある方は足を運んでみて下さい。

アクセス/開館時間

ほうせんかの家/関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑

住所:東京都墨田区八広6-31-8(京成電鉄八広駅徒歩5分)

開館日時:毎週土曜日/午後1時〜5時(詳細は下記ホームページなどをご確認ください。)

Webサイト

一般社団法人ほうせんか

https://housenka.jimdofree.com/

会の成り立ち、歴史や証言集なども掲載されています。

housenka1923の日記(ブログ)

https://housenka1923.hatenablog.com/

最新の情報などはこちらに掲載されています。

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