2016年12月の写真集飲み会にて、POETIC SCAPEのブースで販売されていた本。構成に惹かれて購入しました。

スペイン生まれの映像作家Cristina Nuñezの写真集です。

Nuñezはセルフポートレートという写真表現を、自身の心の問題を解決するセラピーの方法として研究しているアーティストです。

1988年、個人的な問題を克服しようと、Cristina Nuñezは自画像を個人的に撮り始めました。 彼女の感情を形にし、世界に彼女の存在を明らかにする、彼女は自分自身に妥協のない視線を回すことができるだけでなく、自分自身を投影したいと思ったように、これらのイメージは自己治療の一形態です。

But beautifulとは、「たわごとをダイヤモンドに」変える事、彼女の過去を麻薬中毒者や売春婦として感知し、彼女の行動や行動のルーツを捜し出し、 フランコの独裁政権の一部であった彼女の祖先とのつながりを見つけることです。そして、彼女の内面に現れた永遠の痛みを和らげるためだった。

過去10年間、Nuñezは彼女の個人的な経験を使用して、世界中で教えるユニークなセルフポートレートの方法を作り出しました。 Nuñezが「美術と治療の間の既存の分離は耐えられない」と述べているこの2つの道は、今では彼女の芸術の焦点を形成しています。

この本は51の写真と伝説を含んでいます。 Nuñezの書かれた自叙伝は、Higher Self – Self-Portrait Experienceという本に掲載されています。

https://cristinanunez.com/but-beautiful/ より翻訳

文字で埋め尽くされた見返し
基本的にはこのようなポートレートが定期的に入っていて、本全体の流れを作っている
これもセルフポートレート?印刷されたテキストに描かれた顔
イメージを重ねている表現も多く、面白い
セルフポートレートと古い船の写真?による対比

購入の際には、今回調べたようなコンセプトや作家の情報は全く知りませんでした。

手に取って何度も見ている内に、一見、全く脈絡の無さそうなイメージが要所要所で入ってくる事で、「この本は一体何を伝えたいのだろうか?」「この構成にはどんな意味があるのだろうか?」と、とても興味を持ってきました。

また、バラバラなイメージが入っていながらも、定期的に女性のポートレートが登場するので、なんとなく、「ある1人の女性の一生のストーリーなのかな?」という、本全体のテーマにも想いを馳せる事が出来ました。

そして、「もっとこの本を深く読みたい!」という気持ちから購入する事にしました。

『セルフポートレートを通して自身の心のセラピーをする』というテーマを知り、But Beautifulの多層的な構成にとても納得出来ました。

とても素敵な本です。

But Beautiful
Author: Cristina Nuñez(https://cristinanunez.com/)
Publisher: Le Caillou Bleu
MARCH 2013
ISBN: 9782930537207
19,5 x 24 cm, 80 pages, Hard cover.
Text in English

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