カテゴリー
Design Event Exhibition Typography

「日本のグラフィックデザイン2019」で最新の日本グラフィックデザインを学ぶ!

2019年7月27日、トーキョーミッドタウンのデザインハブで開催されていた「日本のグラフィックデザイン2019 」の展示を観に行きました。

どんな展示?

日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が発行する年鑑『Graphic Design in Japan』の2019年版に掲載される作品の中から、約300点をピックアップして、ポスターやステーショナリーなどの実物を中心に展示した展覧会です。

観に行った動機

私は毎年、日本のグラフィックデザインの潮流や流行を勉強するために観に行っています。

会期

2019年6月20日(木)~8月7日(水)11:00‒19:00/会期中無休・入場無料

会場

六本木にあるトーキョーミッドタウンの5F「東京ミッドタウン・デザインハブ」にて入場料無料で開催されています。

内容

ミッドタウン・デザインハブ
「にんげんレストラン」のグラフィック
「にんげんレストラン」のグラフィック
「デザイン あ展」
「print & print」
good design companyによるお茶ブランドのデザイン
会場風景
ポスターは中央にこのように展示されています
亀倉雄策賞を受賞した「Osaka Metro」のグラフィック
kigiの渡邉良重によるパッケージデザイン
クリアケースをスライドすると服のデザインが変化する
「ブリジットライリー展」の展示デザイン。菊地敦己さんによるもの。素麺などもあります
色部義昭さんによる「リキテックス」のデザイン。これかなり好きです
クッキーのパッケージデザイン
有機的な化粧品のパッケージデザイン。とても素敵です
「中尾清月堂」。タイポグラフィを用いたどらやきのパッケージデザイン
「京都水族館」のお土産チョコレート
この方は展示台までしっかりデザインしています
「アルヴァ・アアルト展」カタログ
マスキングテープブランド「mt」のデザインブック
「フィリップ・ワイズベッカー作品集」。葛西薫さんによるブックデザイン
「音楽ノート」
「山小屋の灯」。菊地敦己さんによるブックデザイン
「野生のベリージャム」
「WONOBI」古美術の記録集。菊地敦己さんによるブックデザイン
工藤強勝さん著・デザインの「文字組デザイン講座」
「東京造形大学2019」学校案内。高田唯さんによるブックデザイン
7色に光を反射する名刺デザイン
分厚いボール紙を用いたフライヤーデザイン
「建築家・安井武雄展」のフライヤー。こちらも分厚いボール紙を使用しています
「(有)常磐土木」の軍手や名刺のデザイン
山にまつわる写真企画のDM。ハガキが山型にカットされています
自主制作の分度器と一体化した定規
新聞広告
「資生堂」ポスター
「富山県立美術館」ポスター
「女子美術大学」ポスター。林規章さんのデザインはとても好きです
壁面の展示風景
よく見ると「梅」の漢字が浮かび上がります
こちらも資生堂のポスター。とてもカッコイイです
音楽レーベルの通販サイト用ステッカー。牧寿次郎さんによるデザイン
「HB Gallery」ポスター
田部井美奈さんによる自身の展覧会告知ポスター
「歌舞伎のモノコト展」ポスター。歌舞伎を連想させる色と抽象形態の組み合わせが素敵です
「京都六条 薫玉堂」のポスター
「はじまりの線刻画展」ポスター
ISSEY MIYAKE「PLEATS PLEASE」のポスター。プリーツがついた布がタコを連想させる形でレイアウトされています
ISSEY MIYAKE「me」のポスター。シャツにストライプ状の折り目がついています
シュールな魅力があるポスター
展覧会「THEORY OF THE ELEMENTS」の告知ポスター
武蔵野美術学院のポスター
武蔵野美術学院のポスター
「JAGDA東北地域大会2017岩手」イベントポスター
「2018 HAKUHODO Design Summer Camp」イベントポスター
「東京」という漢字が東京タワーとスカイツリーの形に組み合わされたデザインのポスター
「越後亀紺屋 藤岡染工場」ポスター
「エンジン01 in 釧路」イベントポスター
「ダンスコ」ブランドイメージポスター

こんな人にオススメ!

  • デザインを勉強中の学生さん
  • 駆け出しのグラフィックデザイナーさん
  • デザインを教える立場の講師の方

日本を代表するグラフィックデザイナーの制作物を入場無料で観られるので、行って損は無い展覧会です!

おまけ:図書館「リエゾンセンター・ライブラリー」

今回の会場であるミッドタウン・デザインハブ内にリエゾンセンター・ライブラリー 【 Liaison center Library 】という図書室ができていました。

閲覧用のテーブルと椅子、wifiや電源なども用意されていてちょっとしたコワーキングスペースのようになっています。

広くて快適

窓からの眺めはとても良く、開放的な空間です。

収蔵図書の一例。様々なデザインにまつわる本が並び、室内で自由に読むことができます。

リクエストに応じて新規で本の入荷などもされているようです。

開館日・時間が不定期なので以下の公式サイト・SNSなどでご確認のうえ、訪れてください。

本のラインナップはこちらから
https://librize.com/jdp


Graphic Design in Japan 2019

カテゴリー
Book Design Typography

ポスターやフライヤーなどの制作時に参考にしている7冊のグラフィックデザイン書

私がポスターやフライヤーなど、一枚物のグラフィックデザインを制作する際に良く見ている、オススメのデザイン参考書を7冊ご紹介します。

オランダ、東欧、イタリア、スイスなど、ヨーロッパで活躍したデザイナー達の作品集はシンプルでありながら強さとユーモアを兼ね備えていてとても印象に残ります。

CONTENTS

  1. シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン
  2. ZWARTE BEERTJES: Book Cover Designs by Dick Bruna
  3. チェコの映画ポスター
  4. チェコ ポーランド ハンガリーのポスター
  5. 構成的ポスターの研究—バウハウスからスイス派の巨匠へ
  6. Max Huber
  7. Otl Aicher

シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン

オランダのグラフィックデザイナー「ディック・ブルーナ(Dick Bruna)」さんのポスターや本のデザインを集めた展覧会のカタログ。

日本ではウサギのミッフィーちゃんのデザインでお馴染み、ディック・ブルーナさんについては当ブログでも以下の記事でご紹介しています。

オランダのミッフィーミュージアム(Nijntje Museum)へ行きました
http://watanabedesign511.info/2018/12/14/nijntje-museum/

一見するとただ可愛いデザインに見えますが、対象が対象らしく見える極限まで構成要素を絞り、この場所以外ありえない、と感じさせるほどの緊張感を持ったレイアウトでデザインされています。

使用している文字のタイポグラフィや、紙を破ってコラージュの様にレイアウトするなど、テクスチュアも効果的に使っています。

オールカラーで価格も安いのでオススメの一冊!

ZWARTE BEERTJES: Book Cover Designs by Dick Bruna

こちらもディック・ブルーナさんの作品集。

ブルーナが手がけたペーパーバックスタイルの書籍シリーズ「ZWARTE BEERTJES(ブラック・ベア)」。彼が手がけた2000冊のカバーデザインの中から選りすぐりのデザインが掲載されています。

2000冊全ては掲載されていませんが本書の444ページに渡り、ブルーナさんの平面デザインの宇宙が広がっています。

彼のデザインを気に入った人は持っておいて損の無い一冊です。

チェコの映画ポスター

東欧チェコの映画ポスターデザインを集めた本。

なぜチェコ?と思われるかもしれませんが、チェコの映画ポスターは独特の構図感覚やタイポグラフィでグラフィックデザイナーには人気があるのです。

『羅生門』や『ゴジラ』など日本の映画作品のポスターをチェコ版にリ・デザインしている物も掲載されていて、日本版との違いに驚きを受けました。

以下のURLから2013年に東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された『チェコの映画ポスター テリー・ポスター・コレクションより』という展示で掲示されたポスターデザインを何点か見ることが出来ます。

独創的なチェコの映画ポスター82点を紹介、世界各国の名作を豊かな想像力で大胆に異化 – アート・デザインニュース : CINRA.NET
https://www.cinra.net/news/2013/08/06/184403

本書に掲載されている作品も見られるので参考にしてみてください。

チェコ ポーランド ハンガリーのポスター

こちらも東欧のデザインシリーズ。

前述のチェコに加えてポーランドやハンガリーのデザインも掲載されています。

表4の紹介文によると、チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリーなどの社会主義体制下にあった国々では芸術家が自由に表現活動を行うことが出来ないという背景があったようです。

そのため、ポスターなどのグラフィックデザインが芸術性を発揮できる数少ない場所だったようです。

判型は小さく値段も手頃ですが、オールカラーで233点の作品が掲載されているのでかなり充実した内容になっています。

構成的ポスターの研究—バウハウスからスイス派の巨匠へ

私が十代の美術予備校生だった頃に購入し、未だに参考にし続けているポスターデザインのマスターピース!

バウハウスやスイス派と呼ばれるポスターについて、デザインの構造や社会的背景、印刷技法に至るまで分析している1冊。

エル・リシツキー、モホリ=ナギ、ハーバート・バイヤー、ヤン・チヒョルト….といったグラフィックデザインのレジェンド達の名前と代表作について、私はこの本を見て学びました。

判型も大きめで印刷もとても綺麗なので、グラフィックデザインが好きな全ての人にオススメしたい本です!

Max Huber

前述の『構成的ポスターの研究』を読んで私が一番自分の感性でカッコイイ!と感じたデザイナー、Max Huber(マックス・フーバー)さんの作品集。

インパクトのあるタイポグラフィと透明感を活かした色使いで、シンプルながらも見ていて明るい気持ちになれます。

flotsambooksさんによる本マニアへのインタビュー記事『book-go-around』に答えた際にも好きな本として紹介しています。良かったらこちらも合わせてご覧下さい。

book-go-around #010|flotsambooks|note
https://note.mu/flotsambooks/n/ne0d84a068d6e

私が持っているのはハードカバーの物ですが今はペーパーバック版も出ているようで、そちらは少し価格が安くなっていますね。

Otl Aicher

ドイツのデザイナー兼教育者、20世紀のグラフィックデザインのパイオニアとも呼ばれたオトル・アイヒャー(Otl Aicher)さんの作品集。

こちらも以前、当ブログで紹介しています。

私が2018年にデザイン業務で活用した実戦的なタイポグラフィ本5冊
http://watanabedesign511.info/2018/12/23/2018-typography-books/

ポスターやブックデザインなどの一般的なグラフィックデザインに加えて、ピクトグラムやサインシステムなどのインフォグラフィックス、さらには書体の開発まで。

グラフィックデザイン博士ともいえる彼の活動を総合的に知る事が出来る一冊です。

こちらもペーパーバック版は安く買えます。

まとめ

グラフィックデザインの中でもポスターやフライヤーといった平面の媒体は、本の形態になったときにとても見やすいので、仕事とは関係なく眺めているだけでも楽しめます。

デザインに興味を持ったばかりの方も、今回ご紹介した様な本を読むことで自分の好きなデザイナーが見つかるとデザインの世界がより楽しくなります。

気になった一冊があれば是非読んでみて下さい。