「ゴシックMB101」に似たおすすめのフリーフォントをご紹介します!

モリサワの人気フォント、「ゴシックMB101」に似た、おすすめのフリーフォントをご紹介します。

ゴシックMB101とは

ゴシックMB101はモリサワの伝統的なフォントで、以下のような特徴があります。

  • 「ゴシックMB101」は、伝統的なゴシック体の流れを引き継ぐ、風格あるフォント。
  • 骨格がしっかりしており、ハネやハライの先端まで力強さと流れを感じさせるエレメント(要素)があり、親しみやすく信頼感がある。
  • 太いウエイトはタイトルやコピーに向き、肉声をイメージさせる骨太な表情で定評がある。
  • 細いウエイトは雑誌などの本文組みから中見出しといった幅広い用途に対応し、実力を発揮する。

参考:https://www.morisawa.co.jp/fonts/specimen/1197

ゴシックMB101は、LからUまでフォントのウェイト(太さ)が7段階用意されており、非常に使い勝手の良いフォントです。

しかし、使おうと思うとモリサワのフォントサブスクリプションサービスに加入することが必要となり、1年間で6万円程度の費用がかかります。(もちろん、他のフォントも使えますが。)

そこで、ゴシックMB101のようにウェイトが豊富で、使い勝手の良い日本語のゴシック体フォントをフリーフォントでご紹介します。

ゴシックMB101に似た、おすすめのフリーフォント

私がおすすめするゴシックMB101に似たフリーフォントをご紹介します。

似ている、という具合については、あくまでもデザイナーでは無い一般の方の目で見て、という範囲ですので、グラフィックデザイナーや書体デザイナーの方からすると完全に別フォントと思われるかと思います。

こちらのフォントです。

Noto Sans JP
https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto+Sans+JP

Google Fontsにラインナップされている日本語のフォントです。

Noto Sans JPとは

  • NotoフォントはGoogleが開発したオープンソースのフォントファミリー。
  • 世界中のすべての言語と文字に対応することを目指している。
  • Noto Sans JPは日本語を含む多くの言語をサポートしている。
  • Noto Sans JPは、ウェブや印刷物など、さまざまなデザインプロジェクトで利用されている。

参考:https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto+Sans+JP

ゴシックMB101とNoto Sans JPの比較

ゴシックMB101とNoto Sans JPの比較

ゴシックMB101は7ウェイト、Noto Sans JPは9ウェイトあるので、Noto Sansの方がウェイトが多いです。

ゴシックMB101/BとNoto Sans JP/ExtraBoldの比較

上の画像はゴシックMB101で最もよく使われるBのウェイト(太さ)とNoto Sans JPのExtraBoldの比較。

太さは近いですが、ゴシックMB101の方が「はね」や「はらい」、「打ち込み」などの形が強く出ており、古風な印象があります。

Noto Sans JPはゴシックMB101よりもクセが少なく、ニュートラルな印象です。

Noto Sans JPの入手方法

以下のWebサイトからダウンロードができます。
https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto+Sans+JP

Get fontをクリック
Download allをクリック

ダウンロードしたらOS毎に適した方法でフォントを有効にします。

まとめ

モリサワの人気フォント「ゴシックMB101」に似たフォントをフリーフォントで探している方には、Google Fontsの「Noto Sans JP」は非常におすすめです。

Emigre(エミグレ)|デジタルタイポグラフィーにおける伝説的なデザインスタジオ!その書体と文化についてご紹介します

アメリカの歴史的に有名な書体制作会社「Emigre(エミグレ)」についてご紹介します。

https://www.emigre.com/

Emigreとは

Emigreは、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーに拠点を置く、デジタル タイポグラフィーとグラフィック デザインの分野で重要な役割を果たした、有名な独立系活字鋳造所およびデザイン スタジオです。

1984年にRudy VanderLans(ルディ・バンダーランス)とZuzana Licko(ズザーナ・リッコ)によって設立された Emigre は、従来の写植からデジタル テクノロジーへの移行が起こっていたデスクトップ パブリッシング(DTP)の初期に登場しました。

Emigreは、書体デザインとデジタル フォントの作成に対する革新的なアプローチで有名になりました。 共同創設者で書体デザイナーのZuzana Lickoは、エミグレの最も有名な書体のいくつかの開発に貢献しました。

画期的な書体「Lo-Res」

彼らの初期の成功の 1 つは、Licko がデザインした「Lo-Res」書体を 1985 年にリリースしたことです。 これは、伝統的なタイポグラフィーの限界を押し広げる、一連の画期的な活字デザインの始まりとなりました。

Lo-Res

Lo-Res(Emigre 公式サイトより)

コンピューターが誕生した当初、今のような高解像度での出力は難しかった。

Lo-Resはそれを逆手に取り、あえて低解像度のビットマップのような書体をデザインすることで、従来の伝統的な書体と差別化を測り、新しい時代を象徴する書体デザインとなりました。

同社は、しばしば従来のデザイン基準に挑戦する、実験的かつ前衛的な書体で知られるようになりました。

Emigre フォントはグラフィック デザイン コミュニティで広く使用され、1980 年代と 1990 年代の視覚美を形作る役割を果たしました。

Emigreの有名な書体

Emigreの有名な書体をいくつかご紹介します。

Template Gothic

Template Gothic(Emigre 公式サイトより)

Senator

Senator(Emigre 公式サイトより)

Mr Eaves

Mr Eaves(Emigre 公式サイトより)

Triplex

Triprex(Emigre 公式サイトより)

Hypnopaedia

Hypnopaedia(Emigre 公式サイトより)

このようなパターンや記号を組み込んだ書体も開発している。

雑誌「Emigre」

Emigre は、タイプ デザインに加えて、1984 年から 2005 年まで「Emigre」というタイトルのデザイン雑誌も発行しました。(Emigre Magazineと呼ばれることも多いです。)

https://www.emigre.com/Magazine

この雑誌は、記事、インタビュー、さまざまなデザイナーの作品を特集し、デザインの問題について議論するための影響力のあるプラットフォームでした。

毎号ガラッと異なる表紙デザイン、紙面のエディトリアルデザインや使用されているEmigreの書体など、斬新なデザインの手法が詰まっていました。

本誌は、業界の変革期におけるテクノロジーとデザインの交差点に関する議論に貢献しました。

まとめ

Emigre がデザイン界に与えた影響は、単なる書体デザインにとどまりません。

同社の影響力は、デザイン思考、テクノロジー、従来のメディアとデジタル メディアの関係といった幅広い文脈で見ることができます。

Emigre は現在積極的にフォントを制作していませんが、その遺産はデジタル タイポグラフィーとデザインの歴史の不可欠な部分として残っています。

Emigreの書体や思想に触れる方法

Adobe Fonts

Emigre | Adobe Fonts
https://fonts.adobe.com/foundries/emigre

Adobeのサブスクリプションサービスを契約していれば、追加料金無しでEmigreの代表的な書体をデジタルフォントとして利用することができます。

Emigre Magazine

Search Online Archive at Letterform Archive
https://oa.letterformarchive.org/?dims=Periodical&vals0=Emigre%20magazine

こちらのオンラインアーカイブサイトで、かなりの冊数(網羅しているかはわかりませんが)を中身まで読むことができます。

また、以下のiPhone用アプリでも雑誌を読むことができます。

Emigre Fonts
Emigre Fonts
開発元:Emigre Inc.
無料
posted withアプリーチ

Emigreの書体が気になった方はぜひ、フォントを使ったり雑誌を読んでみてください!

gggで大原大次郎さんの個展「Daijiro Ohara HAND BOOK」を鑑賞|膨大な量の手描きスケッチとgggとは思えない屋台のような空間デザインに圧倒されました!

ギンザグラフィックギャラリー(ggg)へ、グラフィックデザイナー・大原大次郎さんの個展を観に行きました。

どんな展示?

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第399回企画展
Daijiro Ohara HAND BOOK
2023年12月11日(月)~2024年01月31日(水)
「大原大次郎」という名前を見て、聞いて、どんな景色を思い浮かべるでしょう。大原さんはその職能を一言で表せば「グラフィックデザイナー」となるのですが、グラフィックデザインが内包する、あるいはそこから想起させる概念やイメージでは捉えきれない存在感を放っています。
大原さんの創作活動に通底するのが「手」=HANDを使うということです。「手遊び」や「手探り」でつくり出されたものたちは、依頼主の声だけでなく、大原さんの感情や気分をも表出しているかのようです。
「HAND BOOK」と銘打たれた本展、彼の活動の様がまさに表されたタイトルとなっています。音楽関係の仕事はもちろん、文字や作字をキーワードに、これまでの仕事や自主活動の、完成までのプロセスを出し惜しみすることなくご紹介します。大原さんが「手」を動かす中で見えてくる風景が立ち上ってくるに違いありません。

Daijiro Ohara HAND BOOK | ギンザ・グラフィック・ギャラリー https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/jp/00000826

大原大次郎さんのこれまでの活動をまとめた大回顧展のような展覧会です。

面白かったポイント

圧倒的なデザイン量!

完成したポスターやCDジャケットの見本だけでなく、そこに至るまでのスケッチも大量に展示されています。スケッチのクオリティと量もすごい!

展示会場のインスタレーションデザイン

木枠で組まれた什器を中心に、屋台のような空間デザインになっており、何度も行っているggg(ギンザグラフィックギャラリー)とはとても思えない展示会場になっていました。

アトリエ風のエリアが興味深い

地下階には、大原さんの使っている画材が並んだ、アトリエの一部を切り取ったかのようなエリアがあり、非常に面白かったです。どのような画材を使っているのか気になりました。

展示の写真

展示の雰囲気を写真でご紹介します。

ギンザグラフィックギャラリー入り口

1階

入ってすぐ、木枠で組まれた什器に圧倒されました
展示パネルも面白いデザイン
手描きスケッチの数々。試行錯誤の量が半端ないです
写真では見えづらいですが、手描きスケッチのクオリティもすごいです
星野源さんのお仕事
とにかくスケッチの量がすごい!
SAKEROCKのお仕事
写真左の台車には販売中のカタログが並んでいます

地下階

地下も、いつものgggと全く雰囲気が違います!
紙をくり抜いてローラーで色を着けている表現、とその試行
大原さん使用の画材が展示されているコーナー
個人的に非常に興味深かったです
観音状のパンフレット
看板のデザイン
今回の展示の図録についてのエリア
クレジットが描かれた黒板

まとめ

とにかくデザインの“量”に圧倒される展示でした。

お仕事自体もそうですが、完成に至るまでの試行錯誤の量も圧倒的で、

大原さんはきっと、24時間デザインのことを考えているんだろうな

と深く納得しました。

また、大原さんの文字デザインは、伝統的なタイポグラフィとは少し違った印象で、文字を描いているのに本当に絵のように見えます。

会場に並んだたくさんの手描き文字を見ていると、リズムのある音楽が聞こえてくるようでした。

2024年の1月30日まで開催しているので、今回の記事を読んで興味を持たれた方はぜひ会場に足を運んでください!

自分も、時間が取れたら会期終了までにまた訪問したいと思っています。

展覧会情報

Daijiro Ohara HAND BOOK
ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 1F/ B1F
tel. 03.3571.5206
MAP
2023年12月11日(月)ー 2024年01月31日(水)
開館時間:11:00am-7:00pm 
日曜・祝日、2023年12月28日(木)ー 2024年1月8日(月・祝) 休館 
入場無料

展覧会カタログ

本展に合わせて、カタログ的な作品集が刊行されました。

こちらも展覧会に負けず劣らず、ものすごいクオリティとボリュームでした!遠方で足を運べない方は本で作品を楽しんでください!

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

大原 大次郎
4,180円(04/26 14:42時点)
Amazonの情報を掲載しています

シャネル、グッチ、ディオールなど、ファッションブランドのロゴに使われているフォントについて調べてみた

ファッション ブランドは多くの場合、独特でユニークなブランド イメージの作成に多額の投資を行っており、そのイメージの一部はロゴや使用されている書体を通じて伝えられます。

ファッション ブランドとそのロゴに関連付けられた書体の例をいくつか示します。

Chanel(シャネル)

フィリップ・ペサール, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

フォント: Couture

Couture Bold

Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)

Maksim Sokolov (maxergon.com), CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

フォント: Futura

Futura PT Medium

Gucci(グッチ)

Maizeam, CC BY-SA 3.0 http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/, via Wikimedia Commons

フォント: Granjon

Granjon Roman

Dior(ディオール)

© Vyacheslav Argenberg / http://www.vascoplanet.com/, CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0, via Wikimedia Commons

フォント: Nicolas Cochin

LTC Nicholas Cochin Pro Regular

Versace(ヴェルサーチ)

https://www.flickr.com/photos/ru_boff/, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons

フォント: Radiant

Radiant Bold

Calvin Klein(カルバン・クライン)

Ethan Russell tviij, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

フォント: ITC Avant Garde


ITC Avant Garde Gothic Pro Book

Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)

HAPlipayami, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

フォント: ITC Fenice

ITC Fenice Pro Regular

Hermès(エルメス)

Zarateman, CC0, via Wikimedia Commons

フォント: Memphis (Medium)

Memphis CYR Medium

ファッション ブランドは、独自の視覚的アイデンティティを作成するために、カスタマイズまたは変更されたバージョンのフォントを使用することが多いです。

したがって、類似したフォントが存在する場合でも、ロゴに使用されている書体自体が独自のデザインである可能性があります。

正確な情報が必要な場合は、ブランドの公式ガイドラインを確認するか、ブランドのビジュアル アイデンティティに詳しいデザインの専門家に相談することを検討してください。

参考サイト

Font In Logo – Search Engine for Logos and Fonts
https://www.fontinlogo.com/

Fonts Logo
https://fontslogo.com/

関連書籍

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モダンデザインとタイポグラフィーを学ぶ:スイス・スタイルのグラフィックデザイナー達の著書

1950年代から60年代にかけて興った、スイス・スタイルのグラフィックデザインは、モダンデザインの基礎をつくり、グリッドシステムやHelveticaなどのサンセリフ書体など、現代のデザインにも大きな影響を与えています。

そして、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンやアーミン・ホフマン、カール・ゲルストナーなど、スイス・スタイルの時代に活躍したグラフィックデザイナー達は、デザイナーの仕事と並行して、デザイン学校で講師もおこなっていました。彼らは自らのデザイン理論を書籍にまとめています。

今回の記事では、スイス・スタイルのグラフィックデザイナー達による著書をご紹介します。

スイス・スタイルのグラフィックデザインとは?

スイス・スタイルのグラフィックデザインは、国際タイポグラフィー様式(International Typographic Style)とも呼ばれています。1950年代から1960年代にかけてスイスで生まれました。

その特徴は、グラフィックデザインに対するクリーンでミニマル、そして高度に構造化されたアプローチにあります。スイス・スタイルでは、明快さ、読みやすさ、客観性を優先し、グリッドシステム、サンセリフ書体、視覚的なレイヤーを重視しています。

また、スイス・スタイルのデザイナーたちは、わかりやすく効率的な方法で情報を伝えようとし、左右非対称のレイアウトや限定されたカラーを使用しました。

このムーブメントは、世界中のグラフィックデザインに多大な影響を与え、今日まで続くモダンデザインの原則を形成しています。

スイス・スタイルのグラフィックデザイナー達の著書

スイス・スタイルのグラフィックデザイナー達の著書をご紹介します。日本語版がある場合、基本的にはそちらをメインで紹介します。

グリッドシステム グラフィックデザインのために

ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(著)、白井 敬尚(監修)、古賀 稔章(翻訳)

グリッドシステム グラフィックデザインのために

グリッドシステム グラフィックデザインのために

ヨゼフ ミューラー=ブロックマン
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『Grid systems in graphic design』は、スイスのグラフィックデザイナーであり教育者であるヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(Josef Müller-Brockmann)(1914-96)の主著であり、本書はその全訳です。

この本は、古代から現代までのヴィジュアルコミュニケーションの歴史的な視点から、グリッドシステムの方法と思想を豊富な具体例とともにわかりやすく解説し、グラフィックデザインの基本書としてデザイナーやタイポグラファだけでなく、デザインを学びたい全ての人々に向けて刊行されました。

Graphic Design Manual: Principles and Practice(英語版)

Armin Hofmann(著)

アーミン・ホフマンの作品は、点、線、形といったグラフィック・フォルムの基本要素に頼りながら、多様なバリエーションを生み出すことで高く評価されています。

この本は、グラフィックデザインの課題に対する方法論的なアプローチを提供する画期的な試みであり、イメージと形の要素は、それぞれの特有の法則に基づいて分析され、探求されています。

本書は1965年に出版されたデザイン・マニュアルの完全改訂版で、彼の考えを現代の技術的な応用に適応させた新しいセクションが追加されています。

明快でミニマルな幾何学的な形やパターンに回帰する時代において、彼の豊富な作品は、現代デザイン実践のための理想的なスタートポイントとなります。

タイポグラフィ─タイポグラフィ的造形の手引き

エミール・ルーダー(著)、ヘルムート・シュミット(監修)、岡本 淳(編集)、ニコール・シュミット(その他)、白井 敬尚(その他)、スミ・シュミット(翻訳)

タイポグラフィ─タイポグラフィ的造形の手引き

タイポグラフィ─タイポグラフィ的造形の手引き

エミール ルーダー
9,350円(04/25 15:43時点)
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この本は、1967年にニグリ社から発売され、エミール・ルーダー(Emil Ruder)の教育と実践から得られた創造的なタイポグラフィに関する知識がまとめられています。

その方法論は、半世紀以上経った現在でも世界中のグラフィックデザイナーやタイポグラファーにとって重要な考え方として参考にされ続けています。

この本は、総合的な章立て、説得力のある論証、豊富な図版、的確な解説によって高い完成度を示しています。また、掲載されている図版は単なる参考図ではなく、著者の洞察と哲学に基づいて選ばれ、構成されたものです。

これらの要素が、本書を単なる「技法書」を超えた名著として特別な存在にしています。

刊行から半世紀以上経ちながらも何度も改訂され、数カ国語に翻訳されながら世界中で読まれ続けていました。そして、ルーダーの精神を受け継いだヘルムート・シュミットが、生前に日本語版の構想を進めていたことから、この翻訳刊行が実現しました。

アシンメトリック・タイポグラフィ

ヤン・チヒョルト(著)、渡邉 翔(翻訳)

アシンメトリック・タイポグラフィ

アシンメトリック・タイポグラフィ

ヤン チヒョルト
3,850円(04/25 15:43時点)
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ドイツの書家、タイポグラファー、ブックデザイナーであるヤン・チヒョルト(Jan Tschichold)の著書。

この書籍は、活字の選択や組版の理論から始まり、色や紙の効果的な使い方にまで及ぶ、タイポグラフィと書物形成の基本的な原則を明快に解説しています。

その内容は今日でも有効であり、世紀を超えて読み継がれる不朽の書となっています。

デザイニング・プログラム

カール・ゲルストナー(著)、永原康史(監訳)(その他)、ヤーン・フォルネル(翻訳)

デザイニング・プログラム

デザイニング・プログラム

カール・ゲルストナー
3,850円(04/26 07:24時点)
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問題の解決ではなく、解決のためのアプローチを重視すると主張したスイス派の伝説的なデザイナー、カール・ゲルストナーの設計方法論。

彼の名著が新たな訳で復刊されました。

カール・ゲルストナー(Karl Gerstner)は、体系的かつプログラム的な思考をグラフィックデザインとアートに応用し、その考え方を先駆的に表現しました。

彼はグラフィックデザイナーとしても成功し、IBM、フォルクスワーゲン、スイス航空などのクライアントを持つ広告代理店の共同経営者でもありました。

彼のアプローチは個々の問題の解決策を追求するのではなく、解決のためのプログラムをデザインすることにあります。

この本では具体的な解説を通じて、デザインプログラムの概念が探求されています。現代デザインに興味を持つ人々にとって、非常に実践的な入門書となることでしょう。

図説 サインとシンボル

アドリアン・フルティガー(著)、小泉 均(監修)、越 朋彦(翻訳)

図説 サインとシンボル

図説 サインとシンボル

アドリアン・フルティガー
6,050円(04/25 15:43時点)
Amazonの情報を掲載しています

モダン・タイポグラフィの名匠、アドリアン・フルティガー(Adrian Frutiger)による「記号の形態学」は、長年の経験と研究を経て完成されました。

本書では、視覚的なサインとシンボルが人間の思考の重要な手段であり、伝達の本質であることを、多様な実例を交えて詳しく説明しています。

フルティガー自身による2500点以上の手書きイラストが収録されており、それぞれが魅力的で興味を引くものです。

古代の象形文字や中世の錬金術のサインから現代の企業ロゴまで、彼は世界中のグラフィック文化からエッセンスを取り出し、自在に論じています。

この本は、アートやグラフィックデザイン、装飾の分野だけでなく、文字の歴史、記号論、視覚文化全般、イメージの解釈に興味を持つすべての方にとって必読の書となっています。

まとめ

近年、スイス・スタイルのグラフィックデザイナー達の著書が日本語訳されたり、復刊されることが増えてきました。

電子書籍になっているものもあるので、気になった本があれば是非読んでみてください。

他にもオススメのスイス・スタイルのグラフィックデザイナー達の著書がありましたら、コメント欄などで教えていただけると嬉しいです。