【デザイナー視点】PX-S5010 エプソン インクジェットプリンター 使用感レビュー

8年ほど使っていたエプソンのインクジェットプリンターPX-S7050が故障したため、PX-S5010に買い替えました。エプソン公式サイトで比較検討し、実際に使ってみた感想をまとめます。


PX-S5010の主なスペック

  • 購入価格:¥22,373(Amazon, 2025年6月現在
  • ランニングコスト:カラー…約9.9円(税込)、モノクロ…約3.1円(税込)
  • 最大印刷サイズ:A3ノビ
  • 耐久枚数:5万ページ
  • 印刷色:4色カラー
  • 印刷方式:インクジェット
  • 給紙枚数標準:250枚

参考)ビジネスプリンター PX-S5010 | 製品情報 | エプソン https://www.epson.jp/products/bizprinter/pxs5010/

PX-S5010の箱や本体の写真

本体はスリムです
用紙トレイを引き出すとこのようになります

PX-S5010の満足ポイント

  • 価格が手頃
  • コンパクトで設置しやすい
  • インクのコストパフォーマンスが高い

これまで使っていたPX-S7050は印字品質・耐久性ともに申し分ない機種でしたが、本体が大きく重いのがネックでした。購入当初はエレベーター付きのマンションに住んでいましたが、階段のみのUR賃貸に引っ越してからは、その重さが大変苦労の種に。特に廃棄時には業者に運んでもらえず、自力で階段を降ろす羽目になりました。

PX-S5010は非常にコンパクトなので、引越しや設置の際のストレスが大幅に軽減。最大印刷枚数はPX-S7050に比べて少ないものの、修理対応期間内にしっかり使い切れる範囲であれば十分と判断しました。

(本音を言うと、PX-S7050は可能であれば修理して使い続けたかったですが、修理可能期間が故障する一年前には切れてしまっていました。)

また、専用アプリをインストールするとスマホから直接印刷できるため、使用頻度は高くないものの“いざというとき”に役立ちそうです。


PX-S5010の気になる点

  1. 用紙への汚れ付着
    リアトレイにA3用紙を多めにセットすると、用紙の端にインク汚れが付くことがありました。枚数はほどほどに調整したほうが安心です。
  2. 両面印刷はA4まで
    WEBサイトの「両面印刷対応」という表記を見てA3両面もいけると思っていたら、仕様表の注釈に小さく「A4サイズまで」とありました。
    スペック比較でも“両面対応”として出てくるので、「一部対応」と明記してほしいところです。仕事では主に自分で見るカンプ用に使うので、両面印刷の美しさはそこまで求められないこともあり、A3両面が必要な場合は手動で裏返して印刷する予定です。
  3. 接続ケーブル未同梱
    USBケーブルは付属せず、Wi-Fi接続が推奨されています。旧機種のUSB3.0ケーブルで試したところ、USB2.0までの対応とのことで、使用できませんでした。
    今どき、USB2.0となると転送速度が遅い可能性があるので、Wi-Fi接続で使っています。今のところは印刷速度が遅いと感じることはありません。
    従って、ネット環境がない場合はUSB2.0ケーブルを別途用意する必要があります。
自動両面印刷の表記 引用)公式Webサイトより
A4までしか対応していないという文章、小さく、書き方も分かりづらいと感じます 引用)公式Webサイトより

まとめ

PX-S5010はPX-S7050に比べて若干不便な点もありますが、コンパクトさとインクのコストパフォーマンスには大満足。今後使い続けていて気づいたポイントがあれば、またこのブログでレポートします。

PX-S5010の消耗品(交換インク)

InDesignの正規表現で「括弧と中身だけ」を選択する方法【GREP検索】

Adobe InDesignを使っていて、「括弧とその中の文字だけを選択・置換したい」というシーンは意外と多いものです。たとえば、

  • 原稿中の注釈や補足説明を強調したい
  • 特定の括弧書きだけにスタイルを当てたい
  • 括弧を含む表現を一括で削除したい

といった場面です。こうした作業に便利なのが GREP検索(正規表現検索)機能です。

この記事では、InDesignで 「括弧とその中の文字列だけを選択する」ための正規表現(GREP)をご紹介します。


全角の括弧と中身を選択する正規表現

日本語原稿では全角の「( )」がよく使われます。その場合は、次の正規表現で検索可能です:

(.+?)

解説:

  • :全角の括弧をそのまま指定
  • .+?:中に入る任意の文字列(ただし最小一致)

半角の括弧と中身を選択する正規表現

英語原稿やプログラミング関連の文章では、半角の「( )」が使われることが多いです。半角括弧を対象にする場合はこちら:

\(.+?\)

解説:

  • \(\):半角の括弧はエスケープ(バックスラッシュ)する必要があります
  • .+?:中に入る任意の文字列(最小一致)

全角・半角の両方に対応する正規表現

文中に全角と半角の両方が混在している場合、どちらも対象にするには次のように書きます:

[((].+?[))]

解説:

  • [((]:開き括弧(全角または半角)のどちらか
  • .+?:任意の文字列(最小一致)
  • [))]:閉じ括弧(全角または半角)のどちらか

注意点と補足

  • この正規表現は 改行を含まない括弧の中身にしかマッチしません。
  • 括弧の中にさらに括弧があるような「入れ子構造」には対応できません(正規表現の限界です)。
  • InDesignのGREP検索は「検索と置換」だけでなく、文字スタイルの自動適用にも使えます。たとえば、括弧内のテキストだけにイタリックを自動で適用する、といった使い方も可能です。

まとめ

InDesignで括弧と中身をまとめて検索・処理したい場合は、正規表現(GREP検索)を活用することで、手間を大幅に削減できます。

処理対象正規表現
全角括弧(.+?)
半角括弧\(.+?\)
両方対応[((].+?[))]

細かいルールに応じて、正規表現を使い分けて効率的なドキュメント編集をしていきましょう!

【2024-2025年最新版】プロが選ぶ合成フォント10選|設定・制作レシピ完全ガイド

グラフィックデザインの現場で私が実際に制作・活用した合成フォントをご紹介いたします。設定画面や実際に使用した媒体についても具体例を交えながら解説していますので、ぜひ制作の参考にしていただければ幸いです。

【補足事項】

  • 複数ウェイトで制作した合成フォントもございますが、今回の記事では1ウェイトのみをご紹介しています。
  • 設定画面は業務で使用したそのままのものであり、必ずしも同様の設定が必要であるとは限らない点をご理解ください。
  • HelveticaやUniversなどの有名フォントは、販売しているメーカーによってデザインが異なる場合があります。本記事での設定例は、あくまで私自身の設定に基づくものであることをご承知おきください。
  • 設定画面はInDesignのものとなります。

明朝体の合成フォント

[和字]本明朝新がなBook + [欧数字]Adobe Garamond

設定画面

用途

写真集の本文書体として使用。

コンセプト

写真集の本文書体として読みやすい合成フォントを使いたいと思い、作成しました。

写真が主役として映えるようにしたかったので、明朝体としてクセが少ない本明朝新がなBookを選びました。

本明朝新がなBookは書籍用に設計された読みやすく、美しい書体です。欧文には活字の趣を残したAdobe Garamond Proを使用。欧数字は110%拡大して和字とサイズ感を合わせています。

[和字]秀英明朝 + [欧数字]Adobe Garamond

設定画面

用途

学校案内パンフレットの本文書体として使用。

コンセプト

文学系の歴史を学べる学校案内の本文書体として制作しました。

秀英明朝はかな文字(特に「に」や「は」などのひらがな)に流麗な筆の名残が反映されているデザインなので和風の雰囲気が出ます。そこにAdobe Garamondを組み合わせました。

横組のパンフレットだったので、可読性の点からも秀英明朝は優れていると感じます。

本文用書体としてより読みやすくしたかったので、カギ括弧やローマ数字にリュウミンを設定しています。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

[和字]本明朝 + [英数字]Carmina

設定画面

用途

学校案内パンフレットの本文、および見出し書体として使用。

コンセプト

和字はオーソドックスで読みやすい本明朝新がなを使用。欧数字にはより、活字の雰囲気を出したかったのでCarminaを使用しました。

Carminaは多少クセがある欧文書体なので見た人の印象に残りやすい合成フォントになりました。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

ゴシック体の合成フォント

[和字]こぶりなゴシック + [欧数字]OpenSans

設定画面

用途

学校案内パンフレットの本文書体として使用。

コンセプト

Open SansはGoogle fontsから無料でダウンロードできるフォントです。2011年にリリースされた比較的新しい書体。

Open Sans – Google Fonts
https://fonts.google.com/specimen/Open+Sans

こぶりなゴシックには普段、FrutigerやUniversを合わせることが多いのですが、この時は現代的な印象にしたかったので欧文にOpen Sansを使用しました。

[和字]こぶりなゴシック + [欧数字]Helvetica

設定画面

用途

写真展告知チラシの本文、および見出し書体として使用。

コンセプト

チラシの表面をスイスタイポグラフィっぽいデザインにしたかったので、フォント名がそのまま「スイス」を意味するHelveticaを使用。

和文はニュートラルなこぶりなゴシックと合わせました。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

[和字]こぶりなゴシック + [欧数字]DIN

設定画面

用途

ビジネス書籍の本文、見出し、表紙書体として使用。

コンセプト

教育機関によるマーケティング理論をまとめた書籍のデザインのために制作した合成フォントです。

英文が多く登場するので、ややコンデンス気味で読みやすいDINを欧数字に使用しました。

Adobe fontに搭載されているURW DINはウェイトが非常に豊富なので、様々な場面で使用できます。

URW DIN | Adobe Fonts
https://fonts.adobe.com/fonts/urw-din#recommendations-section

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

本文レイアウトは以下のAmazonリンクより、数ページ分のデザインをご覧いただけます。

デザインアート思考 使い手のニーズとつくり手のウォンツを同時に実現する10のステップ

[和字]こぶりなゴシック + [英数字]Myriad

設定画面

用途

学校案内パンフレットの本文書体として使用。

コンセプト

本文ではなく、コラムや表組み、データ部分で使用しました。

FrutigerをベースにしたMyriadは文字サイズが小さくなっても読みやすく、視認性が高いです。

実際のデザイン作例(Behanceより)

二度目の紹介となりますが、以下パンフレットのデータ部分で使用しています。

秀英角ゴシック金 + Avenir

設定画面

用途

イベントチラシのキャプションテキストとして使用。

コンセプト

歴史にまつわるイベントチラシの、情報などのキャプションテキストとして、読みやすく、かつ、少し趣がある印象にしたかったため、活字のエッセンスを取り入れた秀英角ゴシックを使用。

秀英角ゴシックには金と銀がありますが、横組の際は金の方が読みやすい印象があるのでこちらの使用しました。

タイトルのフォントなどにクセがあるので、キャプション用の英数字にはニュートラルなAvenirを組み合わせました。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

[和字]あおとゴシック + [英数字]Univers

設定画面

用途

写真展告知チラシのタイトルと本文に使用。

コンセプト

特殊詐欺をテーマした写真プロジェクトの展覧会チラシで使用。 ”痕跡を消す”ということをデザインコンセプトに、限りなくクセがないモリサワのあおとゴシックと、多彩なウェイトを持つ変幻自在なフォントであるUniversを組み合わせた合成フォントを作成しました。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

[和字]くれたけ銘石 + [英数字]Ferryman

設定画面

用途

イベント告知チラシのタイトル、見出しとして使用。

コンセプト

悲劇的な事件にまつわる追悼式のチラシデザインに使用。重厚さと古風な印象を出したかったので、和字にはくれたけ銘石を使用しました。和字のデザインに合いつつ、さらに日付などの数字にインパクトを持たせたかったので英数字にはAdobe fontsのFerrymanというフォントを合わせました。

Ferryman | Adobe Fonts
https://fonts.adobe.com/fonts/ferryman

重厚でありながら現代的な雰囲気もある、良い合成フォントになったと思います。

実際のデザイン作例(Behanceより)

以下の画像リンクより、私が実際に業務で制作したデザインをご覧いただけます。

まとめ

今回ご紹介した合成フォントは以上です。

合成フォント機能は、組み合わせや設定に手間がかかりますが、丁寧に作り込むことで、デザインにオリジナリティを加えることができます。

本記事を参考に、ぜひ皆様もオリジナルの合成フォント作りに挑戦してみてください。

合成フォントの作例が紹介されているオススメのデザイン書

文字組デザイン講座: 雑誌・書籍・ポスターにおける巧みな文字の使い方をリアルな指定紙から解説

グラフィックデザイナーが選んだ!Buffaloの外付けHDD「HD-EDS4U3-BE」と私のデータ保存術

外付けハードディスクを買い替えました。フリーランスのデザイナーとして、今回購入した外付けHDDと私のデータ保存スタイルをご紹介します。


今回購入した外付けHDD

バッファロー HD-EDS4U3-BE 外付けHDD 4TB

Amazonより引用

私のデータ保存スタイル

私の使い方では、外付けHDDの4TBのうち 3TBをデータ保存用、残りの 1TBをMacのTime Machineバックアップ に割り当てています。
具体的には以下のような形でデータを管理しています。

進行中の案件のデータ

  • 保存場所: Mac本体のMacintosh HDに保存
  • バックアップ: クラウド(私の場合はMicrosoft OneDrive)と同期
  • 追加バックアップ: Time Machineを利用

進行中の案件データは、これにより 3重のバックアップ を確保しています。

完了した案件のデータ

  • 保存場所: 仕事完了後、外付けHDDにまとめて保存
  • 運用方法: データが増えたり、一定期間(2〜4年)が経過したタイミングで、新しい外付けHDDに交換。その際、古いHDDのデータは削除せず、HDDごと保管しています。

以前は、さらにモバイル型HDDを接続して保存データのバックアップを取っていましたが、手間がかかるため現在は省略しています。
本当は完了した案件データも 2重、3重でバックアップ した方が安心ですが、そこまでは手が回っていない状況です……。


現在の状況

今回購入したバッファローの外付けHDDは、問題なく動作しており、ひとまず安心しています。
今後も定期的にバックアップ方法を見直していきたいと思います。

バッファロー HD-EDS4U3-BE 外付けHDD 4TB

Amazonより引用

InDesignに配置したIllustratorファイルが表示されない時の解決方法

InDesignに配置したIllustratorファイルが上手くプレビュー表示されない(真っ白に表示される)現象が起きたので、解決した方法をご紹介します。

症状

InDesignに.aiファイルをリンク配置した際に、InDesignにIllustratorのプレビューが表示されない。

原因

不明。
Illustratorの方でレイヤーの表示、プリント、なども確認。
別名で保存などをしても解決せず。

解決法

  1. Illustratorで、表示エラーが発生したファイルと同じ設定で新しいドキュメントを作成。
  2. 次に、問題のあるファイルからオブジェクトをコピーして、新しいドキュメントに「前面にペースト」。
  3. その後、この新しいIllustratorファイルをInDesignで再リンクすると、正しく表示されるようになる。

新規ドキュメントにコピー、ペーストして再リンクをしたら無事に表示されるようになりました。
最近同様の症状が時折出るのでこれからはこの方法で解決したいと思います。

追記

同様の症状が別のファイルでも起こったのでこの方法を試しました。

その際、Illustrator新規ドキュメントに、

アートボードの外にあるオブジェクトを一緒にコピー&ペーストすると非表示のまま。

アートボードの外にあるオブジェクトを選択せず、アートボード内のオブジェクトだけをコピー&ペーストすると表示される。

という事が起きました。

アートボードの外にオブジェクトを置くこと自体が悪いのか、アートボードの外に置いたオブジェクトに何か非表示にさせるような要素があったのかはまだ分かりません。

また、同様の症状が起きたら検証してみたいと思います。

Posted from SLPRO Z