私の“推しフォント”3選(2023年6月16日版)

グラフィックデザイナーの最近の私が最近、仕事やプライベートワークで良く使っている推しのフォント3選をご紹介します。

Avenir next

欧文サンセリフ体の推しはこちら、Avenir nextです!迷ったらこれを使っています。

Helveticaより特徴を出したくて、Universよりも親しみやすさや新しさを感じるデザインだと個人的には感じています。

Macにデフォルトで入っているフォントという点もデータの受け渡しに気を使わなくて良いのでかなりポイントが高いです。

あおとゴシック

以前本ブログでも、気になるフォントとして取り上げたモリサワの新しいゴシック体。

2020年に登場したフォントですが、良い意味で「透明」といえるニュートラルさ、そして、豊富にウェイトを展開しているので本文から見出しまでデザイントーンを揃える事ができます。

モリサワのゴシック体でウェイト展開が多いフォントは、これまで、新ゴ(UD含む)やMB101くらいでした。

これらのフォントは悪くないのですが、昔からあるフォントなのでさすがに、古さを感じていました。

そんな中、登場したこちらのあおとゴシック。

モリサワ純正のフォントなので、字形の追加や、バージョンアップなど、将来への安心度も高いです。

今後もガンガン使っていきたいと思います。

ヒラギノUD角ゴシック

UDのゴシック体ではこちらが推しです。

あおとゴシックが出る前は汎用性の高いフォントとして、本文や小見出しなどに使っていました。

和文はヒラギノベースなのでMacユーザーには見慣れた字形。それに加えて、このフォントは欧文が良いと思っています。

FrutigerやMyriad系列のデザインなので、洗練された印象が出ます。

合成フォントをしなくても和文と欧文の組み合わせが美しいので、プレゼンテーションボードや、デザインの解説文などに使用しています。


今回ご紹介する推しフォントは以上です。

もちろん案件に応じて非常にたくさんのフォントを使い分けするのですが、今回紹介した3つは、私が良く使うフォントといえば、、すぐに名前があがる3書体です。

フォント選びの参考になれば幸いです。

最新のタイポグラフィが集う「TDC 2023」展で、とあるブックデザインに心を鷲掴みにされた

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されたタイポグラフィデザインの展覧会「TDC 2023」展を観に行きました。会場の様子を写真でご紹介します。

今年は特に、とある本のブックデザインに非常に心を掴まれました。

「TDC 2023」展

Kent / Nanjing Han Qing Tang Design

この本のブックデザインが素晴らしすぎました。

20世紀のアメリカの画家、作家、冒険家、Kentの作品集。
版画の作品が主に収録されています。

セクションごとに異なる用紙を使っているのですが、その紙のチョイスが非常に繊細でハッとさせられました。

デザイナー自身が編集に関わっているとのこと。

自分もこのような素敵な本を作ってみたい、と強く感じました。

黄色いページに手書き文字が白で入る様が美しい

The Archive of Dark / OK-RM

こちらの本も良かったです。

アーカイブ的なイメージを多層的に組み合わせた表現。

リソグラフ印刷がモチーフと非常に合っていました。

TD. 3% Design Studio

ポスター作品では、こちらが目を惹きました。

様々な紙が貼られている立体的なポスター!

とてもインパクトがあります。

TDC展はポスターだけでなく、パッケージなど、立体作品も直接見られるのが良いですね。

海外のデザイナーも多くて、印刷やタイポグラフィの勉強になります。

来年もぜひ見に来たいと思います。

展覧会データ

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第394回企画展
TDC 2023

会期:2023年3月31日(金)~2023年4月28日(金)
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー

グラフィックデザイナーの私がオススメする「サンセリフ書体」10選

はじめに

タイポグラフィは、グラフィックデザインにおいて重要な役割を担っており、デザイントーンを設定し、メッセージを伝え、視覚的な魅力を高めます。

様々なフォントの中でも、サンセリフ書体はそのクリーンで現代的な印象から人気を誇っています。

今回は、グラフィックデザイナーである私がオススメするサンセリフ書体10書体を厳選してご紹介します。

これらの書体は汎用性が高いだけでなく、あらゆるデザインプロジェクトにおいてモダンさとエレガントさを与えてくれます。

それでは、珠玉の書体をご紹介します!

1. Helvetica(ヘルベチカ)

不朽の名作として知られるHelveticaは、多くのデザイナーに愛用されている書体です。

読みやすさとニュートラルさで知られるこの万能な書体は、ブランディングからウェブデザインまで、さまざまなデザイン分野で広く使用されています。

2. Gotham(ゴッサム)

大胆でありながら親しみやすい印象のGothamは、近年ますます人気が高まっています。

モダンな美意識を感じさせるこの書体は、印刷デザイン、パッケージ、デジタルインターフェースなど幅広い用途に適しています。

3. Avenir(アベニール)

Adrian FrutigerがデザインしたAvenirは、エレガントさと読みやすさのバランスが絶妙な、幾何学的なサンセリフ書体です。

すっきりとしたラインと均整のとれた字形で、見出しにも本文にも使える信頼性の高い書体です。

4. Futura(フーツラ)

Futuraは、シンプルさとモダンさを体現する幾何学的なサンセリフ書体です。

幾何学的な形と円形のストロークで知られるこの万能なフォントは、ロゴからポスターまで、さまざまなデザインの文脈で活躍します。

5. Proxima Nova(プロキシマ・ノヴァ)

Proxima Novaは、現代的なサンセリフ書体で、その多用途性と読みやすさで広く評価されています。

バランスのとれた字形と豊富なウェイトとスタイルで、印刷物にもデジタルプロジェクトにもシームレスに適応します。

6. Montserrat(モンセラート)

Montserratは、ブエノスアイレスの伝統的なMontserrat地区の看板からインスピレーションを得たオープンソースの書体です。

そのクリーンで幾何学的なデザインは、多数のウェイトとスタイルと相まって、見出しと本文の両方に優れた選択肢となります。

7. Roboto(ロボト)

元々Androidオペレーティングシステム用にデザインされたRobotoは、そのクリーンでモダンな外観から、多くのデザイナーに人気のある選択肢となっています。

このサンセリフ書体は可読性が高いため、ウェブデザインやモバイルインターフェースなど、さまざまな用途に適しています。

8. Gilroy(ギルロイ)

Gilroyは、独特の個性を持つ現代的なサンセリフ書体です。

洗練されたミニマルなデザインに加え、さまざまなウェイトと幅を備えているため、インパクトのある見出しやロゴの作成に多用途に使用できます。

9. Univers(ユニヴァース)

Adrian Frutigerによって作られたUniversは、汎用性と読みやすさで知られるクラシックなサンセリフ書体です。

ウェイトと幅のバリエーションが豊富で、さまざまなデザインプロジェクトに柔軟に対応することができます。

10. Lato(ラト)

Latoは、ヒューマニズムのサンセリフ書体で、その暖かく親しみやすい外観で人気を博しています。

印刷物でもデジタルメディアでも使えるので、ウェブデザイン、ブランディング、エディトリアルレイアウトなど、幅広いデザイン用途に適しています。

まとめ

サンセリフ書体の選択は、視覚的に説得力のある効果的なデザインを作るために不可欠です。

今回取り上げた10種類の書体は、汎用性、読みやすさ、モダンな美しさにおいて、グラフィックデザイナーに高く評価されています。

時代を超えたエレガンスさを持つHelveticaから、現代的な魅力を持つGilroyまで、これらのフォントは、デザイナーに幅広い選択肢を提供し、インパクトのあるデザインを生み出します。

ブランディング、ウェブデザイン、印刷物のいずれにおいても、これらの書体をデザインに取り入れることで、全体のビジュアルアピールを高め、印象に残るものにすることができます。

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

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[知っておきたい]タイポグラフィを学ぶ上で重要な5人の海外デザイナー

タイポグラフィを学ぶ上で知っておきたい、5名の海外デザイナーをご紹介します。

書体デザイナーや、文字を活用することに秀でたグラフィックデザイナーです。

アドリアン・フルティガー/Adrian Frutiger

アドリアン・フルティガーはスイスの書体デザイナーで、20世紀で最も広く使われた書体のいくつかを作ったことで知られています。

彼の最も有名な書体にはUnivers、Frutiger、Avenirがあります。

1950年代に制作されたUniversは、現代タイポグラフィーの古典となったサンセリフ書体です。

Univers

1970年代に作られたFrutigerは、可読性に優れたヒューマニズムのサンセリフ書体です。

Frutiger

1980年代に制作されたAvenirは、クリーンでモダンな印象の幾何学的なサンセリフ書体です。

Avenir

ヘルマン・ツァップ/Hermann Zapf

ヘルマン・ツァップはドイツの書体デザイナーで、20世紀を代表する書体のいくつかを生み出しました。

彼の最も有名な書体には、Palatino、Optima、Zapfinoがあります。

1950年代に作られたPalatinoは、古典的でエレガントな外観を持つセリフ書体です。

Palatino

Optimaは1950年代に作られたサンセリフ書体で、幾何学的な特徴とヒューマニズム的な特徴が融合したユニークな書体です。

Optima

1990年代に作られたZapfinoは、カリグラフィと装飾的な外観を持つスクリプト書体です。

Zapfino

エリック・シュピーカーマン/Erik Spiekermann

エリック・シュピーカーマンは、革新的で影響力のあるデザインで知られるドイツの書体デザイナー、タイポグラファー。代表的な書体として、FF Meta、FF Unit、ITC Officinaなどがあります。

1990年代に制作されたFF Metaは、幾何学的な構成が特徴的なサンセリフ書体です。

FF Meta (引用元)https://www.fontshop.com/families/ff-meta

2000年代に制作されたFF Unitは、クリーンでミニマルな印象のサンセリフ書体です。

FF Unit(引用元)https://www.fontshop.com/families/ff-unit

1990年代に制作されたITC Officinaは、高い可読性と機能性を追求したセリフ書体です。

ITC Officina

ポーラ・シェール/Paula Scher

ポーラ・シェールはアメリカのグラフィックデザイナーで、大胆で表現力豊かなデザインで知られています。

シティバンクのロゴの様に、既存の書体を有効に活用したデザインから、The Public Theater NYCのタイトルのように、オリジナル書体にも見えるデザインまで、非常に多彩な表現が特徴的です。

Citibank Identity – Fonts In Use
https://fontsinuse.com/uses/5238/citibank-identity

マシュー・カーター/Matthew Carter

マシュー・カーターはイギリスの書体デザイナーで、デジタル時代に最も広く使われている書体のいくつかを制作しています。

彼の最も有名な書体は、Verdana、Georgia、Tahomaなどです。

Verdanaは1990年代に作られたサンセリフ書体で、コンピュータ画面での可読性が高いように設計されています。

Verdana

Georgiaは1990年代に作られたセリフ体で、クラシックでエレガントな印象の書体です。

Verdana

1990年代に作られたTahomaは、小さなサイズでも読みやすいようにデザインされたサンセリフ書体です。

Tahoma

まとめ

このようにまとめて見ると、書体やグラフィックデザインにデザイナーの個性が反映されていることがわかり面白いですね。

これからも、気になった文字やデザインがあったら制作したデザイナーが誰なのか?調べてみたいと思います。

Header: stempowによるPixabayからの画像

タイポグラフィについて学習できる4つの海外Webサイト

タイポグラフィについて学習できる海外のWebサイトを4つご紹介します。

基本的には英語で書かれているのでGoogle翻訳などで訳しながら読んでみてください。

1. Typography.com

https://www.typography.com/

このサイトは、有名なタイプフェイスデザイン会社であるHoefler&Co.によって運営されています。

Newsの項目に、Hoefler&Co.のフォントが使用されている実例や、フォントの紹介などをかなり詳しく記事として書いてあります。Hoefler&Co.以外のフォントにも通じる内容だと思いますので、勉強になります。

2. Typewolf

https://www.typewolf.com/

このサイトは、世界中のWebサイトから最高のタイポグラフィを抽出して紹介しています。デザインのトレンドを通したフォントのペアリング(組み合わせ)や流行のフォントなどについて学ぶことができます。

私はこのサイトのメールマガジンを購読しています。有名なフォントに似ているGoogle fontsのフォントをまとめたPDFなどを購読特典として読めるようになるので、メルマガの登録がおすすめです。

管理人さんはTwitterでも頻繁に情報発信しているようですので、こちらもフォローしておくと良いかと思います。

3. Canva Design School

https://www.canva.com/designschool/

Canvaはデザインの初心者向けのツールであり、Canva Design Schoolはタイポグラフィやデザインの基本を学ぶためのチュートリアルを提供しています。ステップバイステップのガイドやビデオレッスンを通じて、基礎から応用まで学ぶことができます。

グラフィックデザイン、ブランディングなど、様々なデザインの講座があります。

タイポグラフィに特化しているのは以下でしょうか。

Typography & Layout – Design School
https://www.canva.com/designschool/courses/typography-and-layout/?lesson=understanding-typography-theory

とにかく動画がわかりやすい!

4. Fonts In Use

https://fontsinuse.com/

このサイトは、さまざまなデザインプロジェクトで使用されているフォントの例を提供しています。広告、本、ポスター、ロゴなど、さまざまなデザインプロジェクトにおいてどのようにフォントが使用されているかを見ることができます。

トップページの、写真とフォント名の組み合わせが非常にわかりやすいですね!

まとめ

これらのサイトは、タイポグラフィについて学ぶ上で非常に役立ちます。

興味のある方はぜひ、これらのサイトをチェックして、自分に合った学習リソースを見つけてみてください。

Header/ Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像