タイポグラフィーの歴史: グーテンベルク印刷機から Google Fonts まで

タイポグラフィとは、文字を読みやすく、読みやすく、視覚的に魅力的にするために活字を配置する芸術および技術であり、何世紀にもわたる豊かな歴史があります。

ヨハネス・グーテンベルクによる印刷機の発明から Google Fonts によるデジタル革命に至るまで、タイポグラフィーは時代の変化と技術の進歩を反映して継続的に進化してきました。

この記事では、タイポグラフィーの興味深い旅、そのマイルストーン、そしてデザインとコミュニケーションへの影響について探っていきます。

グーテンベルク革命

近代タイポグラフィーの歴史は、ドイツの鍛冶屋、金細工師、印刷業者、出版者であったヨハネス・グーテンベルクが 1440 年頃にヨーロッパに活版印刷機を導入したことに始まります。

Gutenberg

PrintMus 038

グーテンベルクの可動活字印刷の発明は書籍の製造に革命をもたらし、書籍をより入手しやすく、手頃な価格になりました。

彼の最も有名な著作であるグーテンベルク聖書は 1455 年に印刷され、可動活字を使用して印刷された最初期の主要書籍の 1 つと考えられています。

Gutenberg Bible on display at the U.S. Library of Congress

グーテンベルクの印刷機は、単語や文章を形成するために配置できる個々の金属文字、つまり活字を使用していました。 この革新によりテキストの大量生産が可能になり、ルネサンス期の知識と読み書き能力の爆発的な増加につながりました。

Metal movable text

金属活字

初期の印刷本で使用されていた書体は、当時の手書きの書体、特にブラックレターに基づいており、濃く、暗く、ややゴシック的な外観が特徴でした。

Gutenberg Bible B42 Genesis cropped

ルネッサンスと新しい書体の誕生

印刷がヨーロッパ全土に広がるにつれ、より読みやすい新しい書体の需要も高まりました。

ルネッサンス時代、書体デザイナーは古典的なローマの碑文にインスピレーションを得た書体を開発し始めました。

Garamond

この時代の最も重要な人物の 1 人は、16 世紀に Garamond 書体を作成したフランスの書体デザイナー、クロード・ガラモンです。

Garamond-claude

Garamond の書体は、その優雅さ、読みやすさ、バランスの良さで有名であり、今でも人気があります。

Claude Garamond Gros Canon image basic characters

18 世紀には、トランジショナルおよび モダン書体の開発により、タイポグラフィーにさらなる革新が見られました。

Baskerville

イギリスの印刷業者兼タイポグラファーのジョン・バスカヴィルは、太いストロークと細いストロークの間のより大きなコントラストと、より直立した文字形を特徴とするトランジショナル・スタイルを作成しました。

John Baskerville (1706–1775) by James Millar

Baskerville font sample

Bodoni と Didot

これに続いて、イタリアのジャンバティスタ・ボドニ

Bodoni portrait

Bodoni mostres

フランスのフィルミン・ディドットが、

Early Master Printers, Ambroise Firmin Didot, by R H Summer

Firmin Didot (7242027998)

ストロークの太さの極端なコントラストと、より機械的で幾何学的なデザインを特徴とするモダンなスタイルを開発しました。

産業革命と広告の台頭

産業革命はタイポグラフィーに大きな変化をもたらしました。

蒸気動力の印刷機などの新しい印刷技術の出現により、印刷はより速く、より効率的になりました。 この時期には、大胆で注目を集める書体が必要となる広告も隆盛しました。

これらのニーズに応えて、書体設計者は、スラブセリフやサンセリフなどの新しい表示書体を作成しました。

Two-Line Great Primer Antique No. 1

スラブセリフ書体は、19 世紀初頭にヴィンセント・フィギンズによってデザインされたものと同様、太いブロック状のセリフが特徴で、広告で広く使用されました。

Figgins Two-Line Great Primer Antique No. 1

Two Lines English Egyptian

サンセリフ書体はセリフをまったく持たず、すっきりとしたモダンな外観を提供しました。 最も初期かつ最も有名なサンセリフ書体の 1 つは、1816 年にウィリアム・カスロン 4 世によって作成されました。

William Caslon painting from Caslon specimen of 1915

Caslon Two Lines English Egyptian

デジタル時代とデスクトップ パブリッシング(DTP)

20世紀後半には、デジタル テクノロジーとデスクトップ パブリッシングの出現により、タイポグラフィーに新たな革命が起こりました。

パーソナル コンピュータと、Adobe IllustratorQuarkXPress などのソフトウェアの導入により、デザイナーは前例のない簡単さと精度で活字を作成および操作できるようになりました。

Apple II IMG 4214

Adobe Illustrator CC icon

Font Manager Palette in QuarkXPress 2024

この時代の重要な発展の 1 つは、Adobe Systems によって開発されたページ記述言語である PostScript の作成でした。

Adobe PostScript logo

PostScript により、テキストやグラフィックの高品質印刷が可能になり、デジタル フォント開発の基礎が築かれました。 TrueType および OpenType フォント形式の導入により、デジタル タイポグラフィの機能と多用途性がさらに強化されました。

Web タイポグラフィと Google フォントの台頭

インターネットが日常生活の至る所に浸透するにつれて、タイポグラフィーは新しいデジタル環境に適応しました。

初期の Web デザインは、ほとんどのコンピューターで使用できるフォントの数が少ないために制限されており、多くの Web サイトの外観が均一になってしまいました。 しかし、Web フォントの導入により状況は一変しました。

Google Fonts

2010 年に発売された Google Fonts は、Web タイポグラフィーの民主化において重要な役割を果たしました。

Google Fonts logo

https://fonts.google.com/

Web サイトに簡単に統合できるオープンソース フォントの膨大なライブラリを提供する Google Fonts により、デザイナーは幅広い書体を試して実装することができます。

これにより、Web サイトの美的品質が向上しただけでなく、読みやすさとユーザー エクスペリエンスも向上しました。

まとめ

タイポグラフィーの歴史は、人間の創意工夫と、書き言葉を通じてより良いコミュニケーション方法を絶え間なく追求してきた証です。

グーテンベルクの印刷機から Google Fonts のデジタル イノベーションに至るまで、タイポグラフィは新しいテクノロジーや文化の変化に適応しながら進化し続けてきました。

現在でも、タイポグラフィーはデザインの重要な側面であり、書籍や広告からウェブサイトやモバイルアプリに至るまで、あらゆるものに影響を与えています。

未来に目を向けると、タイポグラフィがどのように進化し続け、私たちが世界を読み、世界と交流する方法を形作るのかを想像するのはとても楽しいことです。

参考サイト

欧文書体の基本的な歴史と知識から学ぶことサンセリフ体編 | Swings
https://bulan.co/swings/sanselif_basic-knowledge_history
(2024年5月16日アクセス)

Toshi Omagari | ゴシックという名称の由来
https://tosche.net/jp/blog/origin-of-gothic
(2024年5月16日アクセス)

書体について学べる本

欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

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小林 章
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mm→pixel計算フォームと換算表(350dpi & 300dpi)|印刷に適した画像解像度を知るために

デザインの仕事をしているとよくお客様から、

「この画像、印刷するのに解像度足りますか?」

と質問をいただきます。

すぐに答えられるように、印刷に必要な解像度を調べるための早見表を作成しました。

印刷サイズが何mmの時に、おおよそ何pixelが必要かをまとめました。

Pixelとmmの相互変換

Pixel→mm / mm→Pixel計算フォーム

Pixel→mm

1 Pixel = 0.071 mm(350dpiの場合)

mm→Pixel

1 mm = 14 Pixel(350dpiの場合)

300dpiの場合

300dpiの場合は、上記のフォームでの計算結果×0.857としてください。

mm→pixel換算表(350dpi / 300dpiの場合)

mm(印刷サイズ)pixel(350dpiの場合)pixel(300dpiの場合)
11412
10138118
20276236
30413354
40551472
50689591
60827709
70965827
801,102945
901,2401,063
1001,3781,181
1101,5161,299
1201,6541,417
1301,7911,535
1401,9291,654
1502,0671,772
1602,2051,890
1702,3432,008
1802,4802,126
1902,6182,244
2002,7562,362
2102,8942,480
2203,0312,598
2303,1692,717
2403,3072,835
2503,4452,953
2603,5833,071
2703,7203,189
2803,8583,307
2903,9963,425
3004,1343,543
3104,2723,661
3204,4093,780
3304,5473,898
3404,6854,016
3504,8234,134
3604,9614,252
3705,0984,370
3805,2364,488
3905,3744,606
4005,5124,724
小数点以下は四捨五入

用紙サイズ毎の必要pixel数(350dpiで換算)

規格短辺(mm)長辺(mm)短辺(pixel)長辺(pixel)
A08411,18911,58916,384
A15948418,18511,589
A24205945,7878,185
A32974204,0935,787
A42102972,8944,093
A51482102,0392,894
A61051481,4472,039
A7741051,0201,447
B01,0301,45614,19320,063
B17281,03010,03114,193
B25157287,09610,031
B33645155,0167,096
B42573643,5415,016
B51822572,5083,541
B61281821,7642,508
B7911281,2541,764

より低い解像度での必要pixel数を調べたい場合はこの図を参考に

X(変更する解像度のdpi)÷350×Y(350dpi時のpixel数)

として計算してみてください。

例えば、A4の長辺297mm、300dpiの場合の必要pixel数は

300÷350×4,093=3,508pixel

となります。

基本の計算式

 1mm = 0.03937 inchとして、350dpiの場合、

350×0.03937=13.7795pixel

が1mmで印刷する場合に必要なpixel数となります。

300dpiの場合、

300×0.03937=11.811pixel

350dpiのときよりも300dpiの方が必要なpixel数が少ないことがわかりますね。

参考サイト

画像サイズと解像度|シメケンプリント
https://shimeken.com/print/make-manuscript/image_resolution

サイズ計算式 サイズ早見表 | 写真・イラスト/出版・報道・教育写真 |
amanaimages 料金表
https://help.amanaimages.com/price/photo/hayami_price/

AcrobatからPDFを印刷すると、文字が一部消える現象が起こる際の対処方法

IllustratorやInDesignで制作したデザインデータをPDFに変換し、Acrobatからプリントアウトをする際に、テキスト部分で一部文字が消える現象が起こることがたまにあります。

データ上はきちんと表示されているのですが、仕事で使用しているインクジェットプリンターPX-S7050でプリントアウトをすると、いくつかの文字(漢字が多い)が消えてプリントアウトされてしまい、校正する際に辛い状況になってしまいます。

このようなデータをプリントアウトすると
主に漢字が消えてしまう

一時的に回避する方法が分かりましたのでご紹介します。

1.AcrobatでPDFファイルを開く

2.ファイル>プリント でプリントウィンドウを表示

3.プリンターの隣にある「詳細設定」ボタンをクリック

プリントウインドウの詳細設定をクリック

4.詳細設定ウィンドウの「画像として印刷」にチェック

画像として印刷をチェック

5.解像度を適宜変更(基本は300dpiで十分だと思います)

6.OKをクリックし、プリントウィンドウに戻り「印刷」

この手順で、PDFが全て画像として印刷されます。
テキスト部分も画像に変換されるので、文字が消える現象が起こりにくくなります。

今度からPDF印刷で文字消えが発生した際はこの方法で対処しようと思います。

参考:画面表示は正常な PDF ファイルを印刷すると一部の文字が欠けたり文字化けが発生する場合の対処方法(Acrobat/Adobe Reader)(2023/06/02アクセス)

製造中止となった印刷用紙「デッドストック用紙」は何が問題なのか?

廃盤になり、製造中止となった印刷用紙を「デッドストック用紙」と呼びます。

デッドストック用紙になると何が良くないのでしょうか。印刷会社の営業さんから聞いた話を元にこの記事でご紹介させていただきます。

ストックとしては印刷会社に納品されている状態ですが、以降は製造されない銘柄の紙、ということになります。

そうすると、例えば、新規で書籍の印刷などに使われる機会が無くなります。

書籍は初版で発行したものが、売り切れると増刷がかかります。

デッドストック用紙を使用してしまうと、増刷時に初版で使用した紙が使えない、、、!

という事態が起きてしまうのです。

代替の用紙を使った場合、原価が変わってしまうこともあります。

制作側としてはこの事態は避けたいので、デッドストック用紙になるとアナウンスがあった時点でその紙は新しい印刷案件では使わないようにしよう、と、なるのです。

そうすると、注文が入らないデッドストック用紙が、文字通り印刷会社にストックとして残ってしまうのです。最終的には焼却処分やリサイクルに回す事ができるのですが、環境への負荷はかかってしまいますよね。

なので最近では、あえてデッドストック用紙を使用する印刷物なども増えています。

印刷物に携わるデザイナーとして考えさせられる問題です。

〈秋葉原製作所〉凹凸のある紙のプリントと電動裁断機の使用Tips

本日は秋葉原製作所でプリントアウトと断裁をしてきました。
凹凸のある紙のプリントと電動裁断機の使用についての覚え書きです。

凹凸のある紙のプリントアウトについて

凹凸があるなど、紙詰まりしやすい用紙を使用する場合は、手差しトレイから紙を送ってもらうと詰まりにくいです。

電動裁断機について

電動裁断機を使う際は少ない枚数だと、一番下の紙にシワがよってしまったりします。
以前、50枚くらいで断裁したところそのようになりました。

今日は100枚くらいを重ねて一度に断裁したのですが、50枚の時よりも綺麗に最後までカットできました。

セットした後、置いてある木材でコツコツと辺を打って、ちゃんとならすのがポイントです。

Header: Alexander SteinによるPixabayからの画像