InDesignではフォントのアウトライン化をしない方が良い/事故無くデータを印刷するために

以前の記事で、InDesignでフォントのアウトラインを取る方法を書きましたが、SNSを見ていたら

InDesignではフォントのアウトライン化はしない方が良い

というTweetを目にしましたのでまとめておきます。

アウトライン化すると文字の効果が消える

アウトライン化すると詰めが変わったり書式が飛んでしまうことも

InDesignでフォントのアウトライン化を求めるような印刷会社だったら替えてもらう方が良い、とまで書かれています、、、!

InDesignでアウトライン化をしないで入稿するためには

1.PDFで入稿する

PDF入稿であれば、フォントをアウトライン化せずにすみます。

2.indd入稿の場合、和文は印刷会社が持っているフォントを使用する

印刷会社が持っている和文フォントを使えば、アウトライン化をする必要がありません。(※欧文フォントはパッケージの際にコピーされる)

Morisawa Fonts(旧モリサワパスポート)やフォントワークスのLETSなど、大手企業のフォントサブスクリプションサービスのフォントであれば、対応している印刷会社が多いです。

制作を始める前に、印刷会社に確認しましょう。

3.Google Fontsなど、フリーの日本語フォントを使用する

Google Fontsなどでダウンロード可能なフリーの日本語フォントを使用すれば、入稿時にフォントも一緒に渡せます。

まとめ

フォントのこだわりも重要ですが、やはり作成したデザインデータが事故無く印刷されることがプロとしては必須だと思います。

私も改めて、今後InDesignでデータを作成する際にはフォントの選び方により一層注意したいと思います。

Header: Gerd AltmannによるPixabayからの画像

私のInDesignデータ入稿手順&チェックリスト

私がInDesignデータを入稿する際の手順をまとめました。デザインが校了してからの流れです。簡易的なチェックリストも作成しましたので、使いたい方はページ下部よりダウンロードしてください。

1. 校了したinddファイルを複製して、入稿用データを作る

-念の為校了したデータと入稿したデータを分けておきたいので、校了したinddファイルを複製する。

2. 不要なレイヤー、ドキュメント外のオブジェクトなどを削除

-レイヤーパネルの「未使用レイヤーを削除」機能などを仕様

3. ファイル>パッケージ

-入稿用inddをパッケージする。以下、作成されてできたパッケージ内の作業

4. Linksフォルダ内のaiデータ内の画像をチェック

-画像をリンク配置しているaiファイルが無いかチェック。aiに配置しているリンク画像はパッケージ機能では収集してくれないので、aiファイルのリンク画像をaiのパッケージ機能などで収集し、Linksフォルダに入れる

-以降のファイルのチェックなどはAdobe Bridgeでおこなうのが便利。ファイル形式などでフィルターをかけられます

5. Linksフォルダ内の画像をコピーして保存

-この後で画像の色変換(RGB→CMYK)やサイズ変換をおこなうが、不可逆の作業なので編集前の画像を複製保存しておきます

6. RGB形式の画像をCMYK形式に変換

Linksフォルダ内の画像でRGB形式のものはCMYKに変換します

7. 画像の配置サイズを調整

-InDesignで画像を選択し、大きすぎる画像は解像度を調整します

-目安としては拡大率0~30%くらいのものは元画像が大きすぎるので小さくしています

8. InDesignでレイアウトデータにプリフライトをかける

-印刷用のプリフライトでエラーが出なければOK

-私は下記サイトのプリフライトプロファイルを編集して使用しています

ttps://www.graphic.jp/data_guide/other_applications/data_notice/adobe_indesign

9. プリントアウトして最終確認

-塗り足しがあるかを特にチェック!

-レイアウトの崩れなども無いかチェック

10. 印刷会社により、ネイティブデータ、PDFなどで入稿

-PDFの場合は、Acrobatでプリフライトもかけています

ex1. フォントをアウトライン化する場合

7.の後、inddデータをコピーし「アウトライン化前」ファイルと「アウトライン化後」ファイルに分ける

「アウトライン化後」ファイルを開き、必要なフォントにアウトラインをかける


InDesignデータ入稿フローチェックリスト

簡易的なチェックリストを作成しました。随時、使いやすく更新するつもりです。

InDesignデータ入稿フローチェックリスト

大きいサイズのものは以下↓

この様な感じです。感想や、不足しているフローがあればコメントで教えていただけると助かります。

InDesign 2023バージョンからパネルの日本語表記が変わっている箇所がある

InDesignワークショップで他の方のPCを見ていて気づいたのですが、2023バージョンからパネルなどの表記が変わっている箇所があるみたいです。

自分は現状では互換性の問題から2022バージョンを使用しているのですが以下の部分が異なっている事がわかりました。

2022まで

「ブックレットをプリント」

2023から

「小冊子をプリント」

小さな違いなのですが、私は講師をしてるので生徒さんのPCと表記が変わると混乱が起きそうです。

今使っているMac、バージョン以外は全く問題ないのですが買い替えるべきなのか……。

高価な買い物なので非常に悩みます。

How to convert InDesign data to Illustrator data as much as possible

These days, I do most of my layout in InDesign, even for printed materials, but some printers require me to submit Illustrator data.
Here are the steps I take when creating in InDesign until the last minute and then converting to Illustrator submission data at the end.

Note: This is risky because it involves outlining text and relinking images. This method is imperfect. Ideally, of course, everything should be created entirely in Illustrator from the beginning.

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グラフィックデザイナーの私がInDesignとIllustratorをどう使い分けているか?

グラフィックデザイナーの私が、InDesignとIllustratorをどう使い分けているかについて、媒体毎にご紹介します。

主にInDesignで制作する媒体

  1. 書籍
  2. カタログ
  3. パンフレット
  4. 文字の多いチラシ
  5. プレゼンテーション用のスライド

1.2.3.はInDesignが最も得意とするページものなので、当然InDesignを使用します。

4.のようなチラシでも、文字が多い場合はInDesignの方がデータが重くならないのでこちらを使用します。

巻き3つ折りのパンフレットなどもInDesignで作成します。

5.は、パワーポイントの必要が無くPDFでもOKなプレゼンテーションの場合、InDesignで作成してPDF書き出しして使用することもあります。

主にIllustratorで制作する媒体

  1. 書籍、カタログ、パンフレットの表紙
  2. ビジュアル重視のチラシ
  3. Webのバナーデザイン
  4. ビジュアル重視のポスターデザイン
  5. グラフや地図などのインフォグラフィック
  6. 展示の計画書

1.は、本文はInDesignで作成していても表紙はビジュアル要素が多いのでIllustratorで作成することが多いです。

2.3.4.は私がIllustratorを使用することが最も多いパターン。

5.はIllustratorのグラフ機能が便利なので、こちらで作成することが多いです。

6.は展示の構成案をIllustratorで作成することがあります。InDesignよりも最大ドキュメントサイズを大きく設定できるので、展示の原寸でプランを作成して、そのまま大判印刷データとして流用することもできます。

以上が私の使い分けです。

また思いついたら追記していこうと思います。