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Book Design

デザイン思考とは何か?正しく理解するために必読の2冊をご紹介します!

昨今、話題になっている「デザイン思考(Design Thinking)」という言葉。グラフィックデザイナーの私が「デザイン思考」を理解するために読んだ本をご紹介します。

デザイン思考についてはたくさんの本が出ていますが、今回ご紹介する2冊をしっかりと読み込めば、かなり深く、正しい知識で理解できると思います。

デザイン思考とは?

デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。

デザイン思考 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%80%9D%E8%80%83

デザイン思考とは、デザイナーがデザインを行う際に行っている思考方法を用いて、デザイン以外の企画やイノベーションの創造に役立てようという思考方法です。

デザイン思考が世界を変える
イノベーションを導く新しい考え方

『デザイン思考が世界を変える:イノベーションを導く新しい考え方』 文庫版

アメリカのカリフォルニア州に本拠を置くデザインコンサルタント会社、IDEO(アイディオ)のCEO ティム・ブラウン(Tim Brown)による著書。

IDEOはアップルの最初のマウスやPDAのPalm V、Steelcaseのリープチェアなど、エポックメイキングなプロダクトを数多く手がけてきました。

ティム・ブラウンは自身でも「DESIGN THINKING(デザイン思考)」というブログを運営している、デザイン思考の第一人者でもあります。

本書では、そんな彼による「デザイン思考とは何か?」という定義や、IDEOの実際の仕事の進め方を紹介することで、デザイン思考について、その活用方法を知る事が出来ます。

私が購入したのは黄色い表紙の文庫版ですが、2019年に装幀を新たにしたアップデート版が出版されました。

現在ではこちらのアップデート版の方が購入しやすいと思います。

基本的にはほぼ、文字のみの本なので、理論を理解しつつ気になった用語・デザインプロダクト名は自身で調べてみると、より理解が深まります。

目次の次のページに、「本書の内容をまとめたマインドマップ」というイラストレーションがあり、これを見ておくことで本編の理解がより深まります。ビジュアルコミュニケーションとはこういうことなのか、とも一目で分かります。

クリエイティブ・マインドセット
想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

『クリエイティブ・マインドセット:想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』 ※カバーを外しています

こちらは、前述したIDEOの創設者 デイヴィット・ケリー(David Kelley) とその弟 トム・ケリー(Tom Kelley) による著書。

ケリー兄弟はIDEOの共同経営者として、わずか15人のデザイナー集団から従業員600人の会社へと成長させた。

デイヴィッドはスタンフォード大学で教授を務めており、デザイン思考を学ぶためのプログラム「dスクール」を創設。IDEOでのプロジェクトの他に、デザイン思考を広めるための活動を行っている。

本書はIDEOやdスクールでの経験を元に全ての人が持つクリエイティブマインドを刺激してくれる一冊になっています。

前述の「デザイン思考が世界を変える」と比較すると、かなり厚い本ですが、その分、写真やイラストレーションなどの図版がたくさん掲載されていて、分かりやすいです。

前半の章では「クリエイティブな人」と「そうで無い人」の違い、「クリエイティブな人になるにはどんなマインドでいれば良いのか?」という精神的な面について記述されていて、この部分が私には特に面白かったです。

本書で紹介されている「クリエイティブな人」と「そうで無い人」の違いはほんの些細な事なのですが、意識して変えるだけで他の多くのビジネスマンと圧倒的に差がつくようなポイントを知る事ができます。

作例なども、カラーで写真が掲載されているので読みやすいです。

厚い本ですが、後半は気になった章(プロジェクト)をバラバラに読んでも良いかもしれません。

まとめ

デザイン思考の提唱者とも云えるIDEOのメンバーによる2冊をご紹介しました。

まずはこの2冊を読めば、デザイン思考について正しく理解が出来ると思います。

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Art Book Photobook

アートブックショップ『flotsambooks』が代田橋に実店舗をオープン!

私がいつも、写真集やアートブック、イベントなどでお世話になっているブックショップ、flotsambooksさんが東京の代田橋に実店舗をオープンしたので行ってきました!

flotsambooks実店舗

入り口から見た印象よりも、実際に店内に入るとかなりたくさんの本が販売されています。

学生さんにも買いやすいリーズナブルな価格帯の本や、ZINEなどもたくさん置いてありました。

ネットショッピングも便利ですが、やはり実店舗だと思いがけない本との出会いがありますね。

この日は、初めて見たブルーノムナーリの素敵な作品集をゲット!

店主の小林さんによると、今後は、サイン会や展示などもイベントも行っていくようです。とても楽しみです!

営業時間は以下のTwitterに掲載されるそうです
@flotsambooks

住所は杉並区和泉1-10-7。最寄りは京王線の代田橋駅です。

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デザイナーの私がお世話になっているデザインや写真集に強い本屋さんのまとめ

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Book Marketing

グラフィックデザイナーの私が実際に読み、特に勉強になった5冊のマーケティング入門書を紹介

私はグラフィックデザイナーですが、今の時代、デザインを作るだけでなく、自分が携わる商品や企画が、売れるかどうか?/欲しい人がいるかどうか?を考えて関わる事が重要だと思い、マーケティングの勉強を始めました。

本屋で様々な参考書を見て、実際に買って読んだ中から、私が特に勉強になったと感じたオススメのマーケティング入門書を5冊、ご紹介します。

Contents

  1. 大学4年間のマーケティング見るだけノート
  2. 知識ゼロでも今すぐ使える! ビジネスモデル見るだけノート
  3. マッキンゼーで学んだフレームワークの教科書
  4. 9のフレームワークで理解するマーケティング超入門
  5. はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ
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Book Design Typography

私がデザイン業務で「欧文組版」をする際に参考にしている本・Webサイトを紹介!

普段使用している日本語と違い、ルールや作法に馴染みがうすい欧文での組版。

どんなにカッコイイデザインを作っても、英語圏の方が見たらありえないような文字組をしてしまっては、良いデザインとは言えません。

「正しく美しい」欧文組版をするために、私が参考にしている本とWebサイトをご紹介します。

Contents

書籍

Webサイト

書籍

欧文組版: タイポグラフィの基礎とマナー

欧文組版: タイポグラフィの基礎とマナー

新宿にある活版印刷会社「嘉瑞工房」の髙岡昌生さんによる欧文組版の解説書。

書体の選び方、文字間、ワードスペース(単語間)、組版の種類とルール、イタリック体やハイフンなど約物の扱い方まで、「正しく」「美しい」欧文組版の作法について丁寧に分かりやすく書かれています。

全ページ大変役に立つのですが、欧文組版の組見本に赤字を入れて添削しているコーナーが特に勉強になりました。

やりがちなミスや、基本的な文字の設定などについて知ることが出来て業務に役立ちます。

欧文やアルファベットの文字組をする機会がある方は持っておいて損のない一冊です。

〔増補改訂版〕 欧文組版: タイポグラフィの基礎とマナー

欧文書体 その背景と使い方

欧文書体 その背景と使い方

ドイツのフォントベンダー「ライノタイプ社」でタイプディレクターを務める小林章さんの著書。

代表的な欧文書体の種類とその歴史、使用シーンなど、書体にフォーカスした内容になっています。

BodoniやGaramondなど、名前は有名なフォントもその背景にある歴史や開発の目的を知ることで使う時の意識が変わってきます。

スクリプト体の効果的な使い方や、見出しと本文における2種類の書体の組み合わせまで、欧文だけでなく文字好き、フォント好きの人にとって楽しく勉強になる内容になっています。

欧文書体―その背景と使い方(新デザインガイド)

タイポグラフィ・ハンドブック

タイポグラフィ・ハンドブック

当ブログで何度も取り上げている本ですが、欧文タイポグラフィについての教科書なので今回もご紹介します。

この本は他の本に比べて、より「レイアウト」についての内容が充実しています。

グリッドシステムや版面の作り方、ノンブル、柱などのページを構成する要素まで、欧文タイポグラフィを用いて高品質なデザインを作る際には大変参考になる本です。

タイポグラフィ・ハンドブック

アシンメトリック・タイポグラフィ

アシンメトリック・タイポグラフィ

ドイツ生まれ、スイス・バーゼルで活動した偉大なタイポグラファ・グラフィックデザイナー、ヤン・チヒョルト(Jan Tschichold )の著書「Typographische Gestaltung」を日本語訳した本。

書体の選択、組版の理論はもちろん、タイポグラフィを主体的に使用したポスターや本の表紙紹介・その構造の分析など、ニュー・タイポグラフィのムーブメントを代表するデザイナーであったチヒョルトさんならではの「グラフィック」な分析がふんだんになされている一冊。

文字だけでグラフィックを作りたいデザイナーの方には色やコンポジション(構成)の解説がとても役に立ちます。

アシンメトリック・タイポグラフィ

Webサイト

I Love Typesetting: InDesignによる欧文組版の基本操作その1

http://typesetterkon.blogspot.com/2011/05/indesign1.html

英文・和文・和欧混合の書籍デザイン・組版の仕事に、約25年以上たずさわられている Rose Toyoko Kon さんの欧文組版についてのブログ。

こちらのブログの「InDesignによる欧文組版の基本操作」の記事はハイフネーションやジャスティフィケーションの細かい設定まで書かれていてとてもわかりやすいです。

私が業務で欧文組版をおこなう時は、毎回こちらのブログ記事の内容を参考にして設定を作っています。

デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」

https://blog.excite.co.jp/t-director/

「欧文書体 その背景と使い方」の著者、小林章さんのブログ。

ドイツ在住の小林さんが街中やご自身の仕事などから印象に残った文字・書体を写真で紹介されているブログです。

欧文書体が実際にどのように使われているのかを、ライトな読み物として知る事ができます。

まとめ

日本にいるとなかなか馴染みの少ない欧文組版ですが、その分、しっかりとした文字組ができるようになるとクライアントからの信頼も厚くなると思います。

今回ご紹介した本やブログを参考に、皆様のお仕事に役立てて頂ければ嬉しく思います。

ヘッダー画像:Willi HeidelbachによるPixabayからの画像

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Art Book Event Photobook

アートブックの祭典「Tokyo Art Book Fair 2019」へ。会場の雰囲気と購入した本などを紹介!

2019年の7月12日から15日まで、東京都現代美術館で開催されたアートブックの祭典、Tokyo Art Book Fair 2019へ行ってきました。

約2年ぶりの開催で、更に昨年末リニューアルオープンした東京都現代美術館での開催という事もあり、イベントは大盛況。

会場の雰囲気と購入した本などをご紹介します。

会場の雰囲気

私は中日の14日日曜日、オープンの11時丁度に会場に着くよう出掛けました。

東京都現代美術館は清澄白河駅から徒歩10分程度。オシャレなカフェや雑貨屋さんがたくさんある地域なので、街の雰囲気を見ながら向かうのも面白いです。

美術館に着くとすでにたくさんの人が並んでいました!

雨の日だったのですがアートブックファンの方々のエネルギーはすごいです。

オープン当初から大盛況!

出展者とお客さんがお喋りしたり、コミュニケーションを取りながら本と出会えるのがこのイベントの醍醐味です。

今回は美術館での開催という事もあり、本にまつわる展示もいくつか開催されていました。

海外書籍の展示
テキスタイルなども。ディスプレイデザインの参考になります
「ニューススタンド」と書かれた屋台のようなブースも
横断幕による展示
屋台にはZINEやグッズなどが。中には店主のような男性がいました

イギリスの写真家、スティーブン・ギル(Stephen Gill)の展示ブース。

ギルのこれまでの出版物が並んでいます
プリントも

購入したもの

Vinca Petersen写真集『Future Fantasy』

flotsambooksさんのブースで購入。

韓国生まれのイギリスのヴィジュアルアーティストVinca Petersenのアートブック。

作家が幼い頃から撮影していたアーカイブ写真や、思春期に作っていた日記(スクラップブック)に収録されていたチラシやステッカーなどがコラージュ的なデザインでレイアウトされています。

サイケデリックな世界観が、思春期の夢と儚さを表現しているように感じられてとてと面白いと感じました。

初版が出た時にかなり話題になった本作。第2版が出たので、このタイミングで購入しました。

ブックデザインもフューチャリスティックでとても素敵です。

「ZA」ステッカー

グラフィックデザイナーの中屋辰平さんとGUCCIMAZEさんによるブース。

GUCCIMAZEさんのタイポグラフィはインスタや雑誌などで見ていてとてもかっこいと思っていたので、こちらのブースで販売されていたステッカーを購入!

どこに貼ろうか、悩むのも楽しいです。

ZAのロゴステッカーは中屋さんによるデザイン。

中屋さんとは以前、写真雑誌IMAのワークショップでご一緒させていただきました。ロゴやタイポグラフィを軸とした素晴らしいグラフィックデザインを作られる方です。


東京都現代美術館の会場は天井も高く、広いので、これまでのアートブックフェアの会場では一番良かったと思います。

これほどの規模のイベントを定期的に開催するのはとても大変だと思いますが、ぜひこれからも続いて欲しいと思います。