辻村深月さんの小説「傲慢と善良」を読了しました。とても面白い作品だったので感想をご紹介します。
物語の概要
婚活で出会った男女の物語です。結婚式を間近に控えたある日、女性である真実が突然失踪してしまいます。その謎を追う中で、二人の間に何が起きたのかが少しずつ明らかにされていきます。
人間ドラマが生むサスペンス
この作品を通じて、「どこにでもありそうな人間ドラマ」が最も心を揺さぶるサスペンスだと強く感じました。物語の展開に引き込まれ、何度も心を揺さぶられる場面がありました。非常に面白かったです。
善意が引き起こす悲劇
主要な登場人物には悪人が一人もいません。どのキャラクターも善良で、他人の幸せを願いながら行動しています。しかし、その善意が意図せず、自分のコミュニティ外の人々を傷つけてしまう様子がリアルに描かれています。このテーマは、現代社会の複雑な人間関係を鮮やかに映し出しているように感じました。
二人の視点と成長
前半は男性・架(かける)の視点で、後半は失踪した女性・真実の視点で物語が進行します。それぞれの視点を通じて、二人の葛藤や成長が繊細に描かれています。特にクライマックスに向かうにつれて、二人が少しずつ自分自身と向き合い、成長していく姿に感動しました。
感動のラストシーン
そして迎えた最後のシーンには、深い感動を覚えました。人間の善意と不完全さを真正面から描いたこの物語は、読む人にさまざまな気づきを与えてくれる一冊だと思います。
満足度
95点/100点満点中
ミステリーとしても、大人の愛を描いた作品としても読み応えがあり傑作だと感じました!!!