『はじめてのAIデザインー生成AIを用いた新しいデザインの作り方』という本を購入しました。
Adobeソフトで画像生成AIを使いこなすための基礎から応用まで勉強になる素晴らしい一冊でしたので、私なりの感想をまとめました。
本書を買った理由
私が講師をしている専門学校で生成AIについての授業をしたいと思い、自身の理解を深めるために購入。
IllustratorやPhotoshopなどAdobeソフト上での画像生成AIに特化して、かつわかりやすく解説された本を探していたところ、本書に出合いました。
良かった点
- 豊富な作例
チラシやバナーなど実践的なサンプルが多数掲載され、デザイナー視点で書かれているため、すぐに取り入れられる内容でした。
- AIの仕組み&著作権
Adobeの生成AIの総称である「Adobe Firefly(ファイアフライ)」の基礎知識から、Illustrator、Photoshopとの違い、著作権まわりの仕様まで網羅。安心して商用制作に活用できます。
- プロンプト後の調整テクニック
これまで「プロンプトを入力→アウトプット」という流れしか知らなかった私ですが、本書では出力後のイラストのトーンや色の調整など、細かなカスタマイズ方法が丁寧に解説されています。
設定項目が思っていた以上に多彩で、表現の幅が大きく広がる手応えを感じました。
- クレジットについて
Fireflyで生成AIを制作する際には「クレジット」という単位が必要になります。その「クレジット」の消費量や確認方法、リセットのタイミングについても紹介されていて、助かりました。
作例紹介
本書の内容を参考に私が生成したAI画像をいくつかご紹介します。
※詳しい作り方はぜひ本書を手に取ってご確認ください!
景色
桜並木の街並み
このような風景イラストがテキストを入力するだけで描き出せます。
Illustratorではベクターデータで描き出せるので拡大・縮小も自由です。
被写体
黄色いあひるのおもちゃ
キャラクターや動物も描けます。
アイコン
ドローン
インフォグラフィックスやUIデザインで使えそうなアイコンも描けます。
線画からのイラスト化
うさぎの顔のイラスト
幾何学図形を組み合わせたパスを選択し、「生成塗りつぶし」をすることで、パス内にうさぎの顔のイラストを描くことができます。
生成パターン
カラフルなチューリップの模様
Illustratorでは同じ模様をタイル状に繰り返し配置する「パターン」機能があります。
生成AIとパターン機能を組み合わせた「生成パターン」を使うとこのような繰り返し模様が簡単に描けます。
もちろん、パターンオブジェクトになっているので拡大・縮小も自在です。
水彩画風の模様
水彩画風のさくらんぼの模様
Fireflyではより細かく設定を調整できるので、このような水彩画風のイラストを描くこともできます。
テクスチュアのあるタイポグラフィ
赤い風船のテクスチュアの文字
文字にテクスチュアを追加することもIllustratorとFireflyを使うと簡単にできます。
タイトルデザインに非常に役立ちそうですね!
授業の感想
早速、学校の授業で本書の内容を取り入れてみました。
- 学生の現状
Adobe CC契約者は多いものの、生成AI機能を本格的に使いこなしている学生はまだ少数。ですが、本書を参考に授業を進めたところ、初めてでも楽しみながら高品質なグラフィックを制作してくれました。
- 若い感性の素晴らしさ
私の想像を超えるプロンプトの組み合わせから生まれるビジュアルに、学生の自由な発想力を改めて実感しました。
- 期待と不安の声
「こんなに簡単にクオリティの高いイラストが描けるのは、ある意味ちょっと怖い……」という意見も多く、AIとデザイナーのこれからの共存について、リアルに考えるきっかけになりました。
まとめ:本書をおすすめしたい人
- デザイン学校で講師をされている先生
→生成AIの最新事情をカリキュラムに取り入れる際のマニュアルとして最適。
- デザインを学ぶ学生
→AIを使った制作スキルをポートフォリオに加え、表現力を高めたい方に。
正直、デザイン学校の教科書として使用しても良いほど、基礎から応用まで丁寧にフォローされた一冊です。
AI技術を取り入れて、表現の幅を広げたいすべてのデザイナー&学生にぜひ手に取っていただきたいと思います!