年始休みに高橋ツトムマンガを読みました/残響、四季彩、NeuN

年が明けてから三が日の間は時間もあったので、電子書籍で高橋ツトムさんのマンガをいくつか読みました。

残響

親に捨てられ、貧困状態にある主人公の人生を変える逃走劇。

高橋ツトムらしいノワールな世界観がふんだんに表現されていて素晴らしい。

全3巻と短いのですがしっかり話がまとまって終わるので満足感があります。

四季彩 高橋ツトム短編集

短編集。珍しく?明るい雰囲気の表紙です。

春夏秋冬になぞらえた4作品が収録されています。

4作品とも現代が舞台の作品です。どれもそれぞれ異なった面白さがありましたが、私は「夏」の野球をテーマにした短編にグッときました。

NeuN

ヤングマガジンで連載が始まった頃から時折雑誌を見ては気になっていた作品。

表紙からも分かるようにナチス政権下のドイツをテーマにした作品。独裁者の息子達と彼らが持つ特殊な能力を主軸にした物語です。

これは凄く面白い!

もちろん、フィクションなのですが歴史的な出来事と合わせて展開されていくので臨場感があります。

登場するキャラクターがどのキャラも、高橋ツトムらしい美学を持っていて渋くてとてもカッコいいのです。

第6巻まで読んで、続きがものすごく気になる終わり方だったのですが、、、、

、、、

なんと、連載が休止してしまったようです。

やはり扱う内容がセンシティブ過ぎたのかもしれません。

なんとか、他の雑誌に移行するなどして完結させて欲しい、、、

休止状態ですが、この6巻まででもものすごく面白いので、読む価値はある作品です。

私がこれまでに読んだ、その他の高橋ツトム作品

せっかくなので、私がこれまでに読んだ、その他の高橋ツトム作品をご紹介します。

地雷震

私が最初に読み、衝撃を受けた高橋ツトム作品はやはりこちら、「地雷震」です。

刑事・飯田響也を主人公としたハードボイルドなクライムサスペンス。

初期の山場である8巻の事件もスリリングですが、後半、相沢が登場してからのより現実社会とリンクした事件も非常に興味深い内容になっています。

今改めて全巻読みたい!

鉄腕ガール

昭和20年を舞台に女子プロ野球をテーマとした作品。

主人公の加納トメの性格が快活で爽快感があります。

アメリカチームと対戦する話が印象に残っています。

この作品もまた読み返したくなりました。

スカイハイ

この作品が高橋ツトムマンガでは一番有名なのでは無いでしょうか。

不慮の事故や事件によって死者に対して、怨みの門番・イズコが与える3つの選択肢。

様々な死の物語がオムニバス形式で展開されています。

釈由美子さんが主演をつとめたドラマがヒットしました。

現在連載中の作品

JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~

以前の記事でもご紹介しましたが、現在連載中の高橋ツトム作品はこちらです。

高橋ツトム版ブレイキング・バッドとも云える内容。ものすごく面白いので、ぜひ完結まで連載を続けて欲しい!

他にも、まだ読んだことの無い作品も多いので、色々と読んでみたくなりました。

Header: PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

2021年末、flotsambooksとIACKのコラボレーションイベントで写真集を買う

2021年末、代田橋のflotsambooksと金沢のIACKが急遽コラボレーションして写真集販売イベントをするということで、遊びに行きました。

flotsambooks

flotsambooksの小林さんはもちろん、IACKの河野さんもお店にいらっしゃったので今回の本のお話を詳しく聞けました。

その上で買ったのはこの2冊。

(左)『PLAY』Philippe Jarrigeonと(右)『O滞』梅田哲也/〈写真〉天野祐子

『PLAY』Philippe Jarrigeon

今回のイベントの商品。

フランス人写真家、フィリップ・ジャリジョン(Philippe Jarrigeon)による作品集です。

90年代を感じさせるカラフルでグラフィカルなビジュアルに溢れた本で、グラフィックデザイナーとしてもとても刺激を受けます。

IACKの店主、河野さんによる本書の解説がこちら

『O滞』梅田哲也/〈写真〉天野祐子

別府で開催されたアートプロジェクト(?)のレポート集です。

ジャンルとしてはレポート集なのですが、写真とテキストが入り交じった編集が凝っていてアートブックとしても観ることが出来ます。

本書に掲載されている写真は、写真家の天野祐子さんによるもの。

天野さんの写真はとても雰囲気があり、素敵なので私は写真を目当てに購入しました。

flotsambooksによる紹介がこちら

テキストも充実していて、読み解き甲斐がある本なので、年末年始にじっくり読もうと思います。

天野さんの作品集もぜひ出版して欲しい!

年末に良い本と出合えたので良かったです。

私が2021年に読んで面白かったオススメマンガ5選/JUMBO MAX、血の轍、ドキュンサーガ、化物語、ジョジョリオン

2021年に読んだマンガで面白かったオススメのマンガを5作、ご紹介します。

マンガは主にKindleで買っています。巻数が増えても場所を取らないので便利ですよね。

それでは、順不同でご紹介します。

1. JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~

高橋ツトム(著)

地雷震スカイハイなどで有名な高橋ツトムさんの現在連載中の作品。冴えない風貌のEDのおじさんがバイアグラの様な強力な薬を開発し、様々なトラブルに巻き込まれていくという内容。

海外ドラマの名作、Breaking Bad(ブレイキング・バッド)の影響がかなり感じられますが、その作品が好きな人には楽しめると思います。

高橋ツトムさんのハードボイルドな画風はやはりこういったイリーガルなテーマを扱った作品にとてもマッチしています。とはいえ、真面目すぎず、ギャグパートも多いので多くの人が楽しめる作品だと思います。

私は地雷震からの高橋ツトムファンですが、新規の方にもオススメできる作品です!

2. 血の轍

押見修造(著)

「漂流ネットカフェ」「惡の華」「ハピネス」などを手がけた押見修造さんの作品。人間の心の闇部分を描くのがとても上手な方という印象があります。

この血の轍は、子供に過干渉する「毒親」がテーマ。

主人公と、美しくも恐ろしい母親との関係、巻き込まれる周囲の人達との事件がサスペンスの様に展開していきます。

恐怖や苦悩といった心理描写を絵で表現しているのですが、その表現力がものすごい!

読んでいるとゾクッとするのですが、続きが非常に気になる作品です。

3. ドキュンサーガ

いとまん(著)

元々はWEBマンガとして掲載されていたものが人気を博して雑誌連載→コミックス化という流れになったようです。

剣と魔法のファンタジー物なのですが、Amazonの商品情報に掲載されているあらすじは以下の様になっています。

剣や魔法が幅を利かせている時代――。王都ザイダーマに住む男、モッコスは持って生まれた圧倒的な力で暴虐の限りを尽くしていた。ある日国王の命により魔王討伐に向かったモッコスは、魔王城で一人の少女と出会う。

https://amzn.to/32cMLpv

この文章で、暴虐の限りを尽くしていたモッコスというのが、ファンタジー世界では勇者の設定で、タイトルにある「ドキュン」なのです。

そして表紙に描かれている少女が魔王なのです。

1巻は主にモッコスと魔王のバトルがメインなのですが、ゲスで下品な性格ながらものすごく強いモッコスと、見た目に反して魔王と呼ばれるに相応しい少女の戦いは、能力バトルマンガとして読んでも非常に面白いです。

そしてさらに2巻から先に展開される人間と魔族(異形)の世界の成り立ちと争いの歴史の話。ノアの箱舟の神話を読んでいるようで、その精密な世界観の描写に毎回うならせられます。

タイトルからは想像がつきませんが、かなりインテリジェンスな作品です!

4. 化物語

西尾維新(原作)/大暮維人(漫画)

説明するのも今さら感がありますが、西尾維新さんによる大人気のライトノベル「物語」シリーズ「天上天下」「エア・ギア」などで人気を博した大暮維人さんが漫画化した作品。

漫画のタイトルは「化物語」となっていますが、内容は物語シリーズを全体的に展開している感じです。

化物語はアニメも名作で、私もそちらを先に観ていたので、漫画連載されることを知ったときに、正直、今さら漫画にするのもどうなのだろうか…..?とも思ったのですが、連載が続く内にその疑問は吹き消されました。

とにかく、大暮維人さんの絵が上手い!!

週刊連載という事が信じられないくらいの美麗な絵です。

戦闘のシーンなどもページをそのままアート作品として販売できるのではないかというクオリティで、これまでのメディア展開とはまた違った新しい物語シリーズを見せてくれます。

コミックスの刊行ペースも早いので追い甲斐のある作品です。

5. ジョジョリオン|ジョジョの奇妙な冒険 第8部

荒木飛呂彦(著)

ついに完結したジョジョ8部、ジョジョリオン。今年年末から第6部のアニメも始まり、またジョジョが印象に残る年となりました。

部を追う毎に1部あたりの巻数が増えていくジョジョ。ジョジョリオンは2011年の12月に1巻が発売され、2021年9月発売の27巻で完結しました。

主人公が記憶喪失ということもあり、中盤などはなかなか煮え切らない展開が続いたのですがさすがにラストのスタンドバトルは熱い展開でした。

登場人物が多かったのでもう一度整理しつつ、1巻から読み直してみたいと思います。

ウルトラジャンプ巻末の作者コメントに、荒木先生は9部があるようなことを書いていたので次も期待して待ちたいと思います。

来年も、面白い漫画と出合えることを期待しています!

Header:StockSnapによるPixabayからの画像 

「要点で学ぶ、ロゴの法則150」/有名ロゴデザインの秘密から最新のトレンドまでを手軽に学べる一冊!

「要点で学ぶ、ロゴの法則150」という本を購入しました。

要点で学ぶ、ロゴの法則150

この本を購入しようと思ったきっかけは、本書の共著者でもある元デザインの現場編集者の宮後優子さんによるこちらのツイートです。

本の内容は、その名の通り、見開きで1項目ずつロゴデザインにまつわる知識やTipsを紹介していくスタイル。
150項目あるので読み応えがあります。

私が面白いと感じたのは、
ロゴデザインのトレンドや、ナイキやマクドナルド、スターバックスなどの有名企業のロゴの変遷の紹介。
特に、Fedexのロゴの秘密はこれまで全く気づかなかったのでかなり衝撃を受けました。

ロゴデザインの歴史から現在まで、また、著作権などについても触れられているので、
ロゴデザインに興味がある方や、学校でデザインを教えている先生などにお勧めしたい一冊です。

『私は私のままで生きることにした』—人生の大きな転機が近い方に特におススメしたい本

普段あまり本を読まないのですが、転職や進学など、

人生の大きな転機が近い方に特におススメしたい本をご紹介します。

『私は私のままで生きることにした』

キム・スヒョン 著 吉川南 訳

『私は私のままで生きることにした』

子育てや介護など、家族関係で悩む方にも良書です。

冒頭に「GOAL」と書かれた項目があって、

『ごく普通の私が、他人を妬むことなく冷たい視線に耐えながら、ありのままの自分として生きていくために。』

とあります。

私はよく見かける「笑顔でいよう!」とか、「健やかにすごそう!」とか、一見ポジティブな言葉たちに、どこかで自分との距離感を感じ、むしろプレッシャーを感じていました。

けれど、この言葉の「耐えながら」の部分にグッときました。

現実味のある応援歌といった感じでしょうか。

自分に嘘をつきながら肯定感を表に出す必要はないんだなぁと、妙に安心できます。

実は私、お恥ずかしながら、これまで韓国の時代背景や文化についてあまり知らなかったのですが、著者のキム・スヒョン氏によれば、韓国と日本の教育環境は似ている部分が多くあるようです。

学歴重視、年功序列、親のいうことは絶対。

全ての家庭が当てはまるわけでないと理解しつつ、自分も自然とこういう環境で育っていて、それがなんとなく当たり前になっていたんだなぁと。

彼女は、自身の体験も元にショートストーリーを展開しているのですが、実際の書籍にピンク色の背景色になったページには有名人の名言が記されていて、ここでさらにドキッとされられます。

これは紙で読む時の特権ですが、その色付きのページを何気なく開いてみるのもいいかもしれません!ちょっとしたおまじないのような、おみくじを引くような、言葉をもらうような感覚で順序に関係なく楽しめる本でもあるかと思います。

もちろん、タイトルから目に留まった箇所から読むのもOK!

各タイトルの中に細分化された項目を流し読みするだけでもOK!

めちゃくちゃ疲れている時でも(むしろそういう時こそ)すっと心に入ってきてくれる本です。

気になった方は、ぜひお手元に置いて、気が向いた時に気になるページをめくって見てください。

記事執筆:SATO