InDesignで年月日表記の桁数が異なる「月」「日」を揃える方法(正規表現検索/表組でも可)

InDesignで年月日の月日、1桁の数字と2桁の数字で、月や日の位置を揃える方法をご紹介します。

よくあるシリ揃えではなく、桁数が多い方の数字の中央に桁数が少ない数字を揃える方法です。

表組みの場合も有効です。

1桁と2桁が混ざる場合、月、日の位置がずれる

1. 文字間を「和文等幅」に設定する

まず、文字パネルで字間を「和文等幅」に設定します。

「オプティカル」や「メトリクス」だと文字に合わせて詰め量が変わってくるので適していません。

字間「和文等幅」に

2. 2桁の箇所で基準となるガイドを引く

2桁の数字の箇所で、揃える基準となるガイドを引きます。

2桁数字の「月」で揃えるのでガイドを引く

3. 1桁数字の「年」と「数字」を選択しトラッキングをかけて揃える

1桁の数字(ここでは7月)とその前の年を選択しトラッキングをかけます。

トラッキングは、文字の後の空きを指定する設定なので同じ数字を入れれば数字の前後に同じ空きができるのです。

そして、ガイドを引いた「月」が揃うようにします。

年と7にトラッキングをかける
トラッキング量は「360」

トラッキング量は360だったので、数字を控えます。

4. 3.で設定したトラッキングを文字スタイルに登録

トラッキング360のものを文字スタイル「数字」として登録しました。

文字スタイルに登録

5. 正規表現検索/置換で文字スタイルを適用する

他の1桁の数字にも同様の文字スタイルを、正規表現検索と置換で設定していきます。

検索と置換パネルを表示し、検索文字列に

月\d(?=日)

置換文字列は空欄のまま、置換形式に

文字スタイル「数字」

を設定し、検索/置換。

月\d(?=日)

これで1桁の●月の数字に文字スタイルが適用されます。

次に1桁の●日の数字にも同様の文字スタイルを適用します。「和文等幅」に設定しているので●月と●日のトラッキングは同じ値で大丈夫です。

検索文字列に

月\d日

置換文字列は空欄のまま、置換形式に

文字スタイル「数字」

を設定し、検索/置換。

月\d日

これで1桁の●日の数字に適用されます。

6. 完成

完成

上記のプロセスを経て、このように●月●日が揃います。

タブを使わないので表組でも可能な方法です。

シリ揃えにするのとはまた違った整い方に見えると思います。

参考になった方はぜひご活用下さい。

デザイナーが複数のデザイン案をクライアントに提案することによる4つのメリット

先日書いた「捨て案」の記事からもう一歩踏み込んで、そもそも、クライアントに複数の案を見せることにどんなメリットがあるのかを書いてみます。

クライアントに複数のデザイン案を提案することで、いくつかのメリットがあります。

1. 様々な選択肢を提供することができる

複数のデザイン案を提示することで、クライアントに様々な選択肢を提供することができます。

これにより、クライアントは様々なアプローチを比較検討し、最終的に最もニーズに合ったものを選択することができます。

2. デザイナーのクリエイティビティを発揮できる

複数回の提案により、クライアントは、デザイナーがそのプロジェクトに時間と思考を費やし、ユニークでクリエイティブな解決策を考え出すことに投資していることを知ることができます。

これは、デザイナーとしての信頼と自信を築くのに役立ちます。

3. クライアントの満足度を高める

複数の選択肢を提示することで、クライアントがプロジェクトの最終結果に満足する可能性が高まります。

自分たちのニーズが満たされ、最終的なデザインに自分たちの意見が反映されたと感じられる可能性が高くなります。

4. 障害となる可能性を回避

場合によっては、1つの提案ではクライアントのニーズをすべて満たすことができない、あるいはクライアントのビジョンと一致しないこともあります。

複数の提案を行うことで、デザインプロセスにおける潜在的な障害物を回避し、プロジェクトを確実に軌道に乗せることができます。

まとめ

全体として、クライアントに複数のデザイン案を提示することは、より協力的で成功するデザインプロセスを構築するのに役立ちます。

私も新人の頃は、なぜ最終的には一案しか採用されないのに、複数案を見せるんだ、、、と思っていたこともありますが、改めて思い返すと、複数案を見せていたときのほうが仕事がスムーズに進んでいました。

とはいえ、デザイン料との兼ね合いもあるので、たくさん見せれば良いというわけでは無いと思います。

なぜ複数案を作るのか?悩まれているデザイナーさんがいたら、この記事が参考になれば嬉しいです。

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[知っておきたい]タイポグラフィを学ぶ上で重要な5人の海外デザイナー

タイポグラフィを学ぶ上で知っておきたい、5名の海外デザイナーをご紹介します。

書体デザイナーや、文字を活用することに秀でたグラフィックデザイナーです。

アドリアン・フルティガー/Adrian Frutiger

アドリアン・フルティガーはスイスの書体デザイナーで、20世紀で最も広く使われた書体のいくつかを作ったことで知られています。

彼の最も有名な書体にはUnivers、Frutiger、Avenirがあります。

1950年代に制作されたUniversは、現代タイポグラフィーの古典となったサンセリフ書体です。

Univers

1970年代に作られたFrutigerは、可読性に優れたヒューマニズムのサンセリフ書体です。

Frutiger

1980年代に制作されたAvenirは、クリーンでモダンな印象の幾何学的なサンセリフ書体です。

Avenir

ヘルマン・ツァップ/Hermann Zapf

ヘルマン・ツァップはドイツの書体デザイナーで、20世紀を代表する書体のいくつかを生み出しました。

彼の最も有名な書体には、Palatino、Optima、Zapfinoがあります。

1950年代に作られたPalatinoは、古典的でエレガントな外観を持つセリフ書体です。

Palatino

Optimaは1950年代に作られたサンセリフ書体で、幾何学的な特徴とヒューマニズム的な特徴が融合したユニークな書体です。

Optima

1990年代に作られたZapfinoは、カリグラフィと装飾的な外観を持つスクリプト書体です。

Zapfino

エリック・シュピーカーマン/Erik Spiekermann

エリック・シュピーカーマンは、革新的で影響力のあるデザインで知られるドイツの書体デザイナー、タイポグラファー。代表的な書体として、FF Meta、FF Unit、ITC Officinaなどがあります。

1990年代に制作されたFF Metaは、幾何学的な構成が特徴的なサンセリフ書体です。

FF Meta (引用元)https://www.fontshop.com/families/ff-meta

2000年代に制作されたFF Unitは、クリーンでミニマルな印象のサンセリフ書体です。

FF Unit(引用元)https://www.fontshop.com/families/ff-unit

1990年代に制作されたITC Officinaは、高い可読性と機能性を追求したセリフ書体です。

ITC Officina

ポーラ・シェール/Paula Scher

ポーラ・シェールはアメリカのグラフィックデザイナーで、大胆で表現力豊かなデザインで知られています。

シティバンクのロゴの様に、既存の書体を有効に活用したデザインから、The Public Theater NYCのタイトルのように、オリジナル書体にも見えるデザインまで、非常に多彩な表現が特徴的です。

Citibank Identity – Fonts In Use
https://fontsinuse.com/uses/5238/citibank-identity

マシュー・カーター/Matthew Carter

マシュー・カーターはイギリスの書体デザイナーで、デジタル時代に最も広く使われている書体のいくつかを制作しています。

彼の最も有名な書体は、Verdana、Georgia、Tahomaなどです。

Verdanaは1990年代に作られたサンセリフ書体で、コンピュータ画面での可読性が高いように設計されています。

Verdana

Georgiaは1990年代に作られたセリフ体で、クラシックでエレガントな印象の書体です。

Verdana

1990年代に作られたTahomaは、小さなサイズでも読みやすいようにデザインされたサンセリフ書体です。

Tahoma

まとめ

このようにまとめて見ると、書体やグラフィックデザインにデザイナーの個性が反映されていることがわかり面白いですね。

これからも、気になった文字やデザインがあったら制作したデザイナーが誰なのか?調べてみたいと思います。

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タイポグラフィについて学習できる4つの海外Webサイト

タイポグラフィについて学習できる海外のWebサイトを4つご紹介します。

基本的には英語で書かれているのでGoogle翻訳などで訳しながら読んでみてください。

1. Typography.com

https://www.typography.com/

このサイトは、有名なタイプフェイスデザイン会社であるHoefler&Co.によって運営されています。

Newsの項目に、Hoefler&Co.のフォントが使用されている実例や、フォントの紹介などをかなり詳しく記事として書いてあります。Hoefler&Co.以外のフォントにも通じる内容だと思いますので、勉強になります。

2. Typewolf

https://www.typewolf.com/

このサイトは、世界中のWebサイトから最高のタイポグラフィを抽出して紹介しています。デザインのトレンドを通したフォントのペアリング(組み合わせ)や流行のフォントなどについて学ぶことができます。

私はこのサイトのメールマガジンを購読しています。有名なフォントに似ているGoogle fontsのフォントをまとめたPDFなどを購読特典として読めるようになるので、メルマガの登録がおすすめです。

管理人さんはTwitterでも頻繁に情報発信しているようですので、こちらもフォローしておくと良いかと思います。

3. Canva Design School

https://www.canva.com/designschool/

Canvaはデザインの初心者向けのツールであり、Canva Design Schoolはタイポグラフィやデザインの基本を学ぶためのチュートリアルを提供しています。ステップバイステップのガイドやビデオレッスンを通じて、基礎から応用まで学ぶことができます。

グラフィックデザイン、ブランディングなど、様々なデザインの講座があります。

タイポグラフィに特化しているのは以下でしょうか。

Typography & Layout – Design School
https://www.canva.com/designschool/courses/typography-and-layout/?lesson=understanding-typography-theory

とにかく動画がわかりやすい!

4. Fonts In Use

https://fontsinuse.com/

このサイトは、さまざまなデザインプロジェクトで使用されているフォントの例を提供しています。広告、本、ポスター、ロゴなど、さまざまなデザインプロジェクトにおいてどのようにフォントが使用されているかを見ることができます。

トップページの、写真とフォント名の組み合わせが非常にわかりやすいですね!

まとめ

これらのサイトは、タイポグラフィについて学ぶ上で非常に役立ちます。

興味のある方はぜひ、これらのサイトをチェックして、自分に合った学習リソースを見つけてみてください。

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デザインで複数提案をする際の「捨て案」にはどんな意味があるのか?

「捨て案」という概念について。

YouTubeの広告で出てきて印象に残ったのでメモ。

デザインを提案する時には複数案を作成し、提案する事が多いです。
その際、「これは無いかも」と思うような案も作っておくことが大事。

そういった案は「捨て案」と呼ばれます。ネーミングはあまりよろしく無いですが。。。

広告の動画に曰く、

人間は比較する事で初めて良さがわかる、という事


良い案一つだけを見せられてもそれが良いかどうかはわからず、捨て案と比較することで初めて良さを認識できる、というお話です。

なるほど。

今まで以上に、複数のデザイン案を見せる意味を感じました。

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