[読書感想]「川のほとりに立つ者は」寺地はるな|人の本性はどこにあるのか?境遇、特性、思い込みなど、人の見方を教えてくれる良作

寺地はるなさんの小説「川のほとりに立つ者は」Audibleで読みました。

この著者の作品は初めて読んだのですが、要所要所に印象に残る文章があり、他の作品も読んでみたくなりました。

川のほとりに立つ者は

川のほとりに立つ者は

寺地はるな
1,520円(04/27 07:22時点)
発売日: 2022/10/20
Amazonの情報を掲載しています

あらすじ

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

Amazonより引用

感想

男女2人の主人公による視点で物語が展開されるミステリー。

メインは女性の主人公、原田清瀬です。

彼女、彼が出会う人たちについて、はじめに抱いていた印象から、その人々の境遇、特性が明らかになるにつれて、別人かのように印象が変わっていく様子が劇的で、読者としても主人公の気持ちの変化を追体験できました。

女性主人公は正しさにこだわる人物として描かれていますが、ただその正しさから取った行動も、立場や視点を変えると過ちに見える時もあります。

物語の後半、主人公とある人物との対話の中で、完全な良い人と悪い人がいるのではなく、置かれた状況やタイミングによって、良い悪いを行き来するのが人間である、という意味の言葉に非常に胸を打たれました。

タイトルの意味も物語の後半で判明するのですが、とても詩的な表現で、この作家さんは独特な言葉選びをされるんだな、と印象に残りました。

長い物語ではないですが、面白くて一気読みしました。

満足度

80点/100点満点中

興味深いテーマなので、もう少しボリュームがあったら良かったと思いました。

川のほとりに立つ者は

川のほとりに立つ者は

寺地はるな
1,520円(04/27 07:22時点)
発売日: 2022/10/20
Amazonの情報を掲載しています

Header: StockSnapによるPixabayからの画像

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA