黄色い家を読んで以来、川上未映子さんの小説が気になり、どんどん読んでいます。
今回は初期の方の作品「ヘヴン」の感想です。
今回もAudibleでの読書です。
あらすじ
<わたしたちは仲間です>――十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える<僕>は、差出人不明の手紙を受け取る。苛められる者同士が育んだ密やかで無垢な関係はしかし、奇妙に変容していく。葛藤の末に選んだ世界で、僕が見たものとは。善悪や強弱といった価値観の根源を問い、圧倒的な反響を得た著者の新境地。
Amazonより
感想
それぞれ、別の加害者からいじめを受けている男女の中学生が主人公。
主人公たちが受けるいじめの描写がかなり凄惨で、加害者への怒りが湧いてきます。
途中、いくつか伏線?とも思われる内容が出てくるのですが、わりと回答されないまま、謎を残したまま終わったので、読後に「あの伏線どうなったっけ?」と思うこともありました。
しかし、現実の世の中でも気になっても結末が良くわからない出来事など、無数にあるので、全てを気にすることは意味がない、という作者なりのメッセージなのかもしれないと感じました。
最後、加害者への報い方が良くある展開ではなく、この作者ならではの斬新さを感じる展開で「おお!」と思いました。
大人になると、子供の頃は楽しかったな、とか子供の頃に戻りたい。
とか思うこともあるけど、子供には子供なりの残酷な世界があったことを、本作を読んで思い出しました。
満足度
80点/100点満点
後半にいくにつれて展開が気になり、止まりませんでした。
Header: Sourabh yadavによるPixabayからの画像