2017年の9月9日〜9月24日まで東向島のReminders Photography Strongholdギャラリーで開催された、写真家・藤元敬二さんの写真展『Forget-me-not』を鑑賞しました。
会場の雰囲気を写真でご紹介します。
CONTENTS
作家によるステートメント
『Forget-me-not』
真っ白なシャツに包まれた、まばゆいばかりに黒い肌の少年。将来の夢はパイロット。かつて空が好きだった男の部屋には、いつも幼少期の写真が飾られていた。
あの頃の夢は幻想となり、彼の室内には衣服が散乱している。家族や友人に偽ったゲイである自身への後ろめたさ、恋人と過ごす淡き安らぎ、そして丸裸の時に表れる自己嫌悪という感情連鎖の中に彼はいま存在している。
たぶん僕たちは似たもの同士だったのであろう。共に迷惑な人間であり、周囲の調和を乱す元凶だった。だからこそ僕たちは少数者であり、また友人になり得たのだ。
窓の外がすこしづつ深紫から青に変わっていく。また朝がやってきたのか。
「そろそろ出かける時間だから」
つぶやいた先に、彼の表情は不自然に明るくなり、負の感情を包み隠す。視線が現実世界への焦点を合わせ、体は汚れたシャツを身にまとう。藤元敬二写真展『Forget-me-not』 9/9〜9/24
開いたドアの外の世界には、青すぎるケニアの空が広がっていた。
展覧会の会場写真
藤元さんが2014年より約一年にわたりケニアに暮らしながら撮影した現地の同性愛者の友人たちの写真と、自身の幼少期からのセルフポートレイトが断片的に重なり合うような展示構成になっていました。
藤元さんの横顔の上に目や鼻や口など顔のパーツがさらに重なっています。
同性愛をカミングアウトする事、本当の自分を人に伝える事への苦悩の様なイメージが感じられました。
ギャラリーのコーナーの部分で藤元さん自身の姿とケニアの同性愛の友人の姿が融合したような表現。
藤元さんの写真と日記に描いてきたイラストレーション、そしてケニアでの写真が融合した写真の塔が!
会場にはライブペインティングのスペースも出来ていて、展示期間内に新しい絵が完成するという試みをされていました。
手製本写真集『Forget-me-not』
2016年5月にReminders Project Stronghold主催のワークショップPHOTOBOOK AS AN OBJECTに参加し、その内容を発展させて完成した藤元さん本人による手作りの写真集『Forget-me-not』は以下のサイトからまだ注文出来るようです。
藤元敬二 写真集「Forget-me-not」オンライン受付中(83部限定、受注生産) | Reminders Project & Reminders Photography Stronghold
http://reminders-project.org/rps/forgetmenotsalejp/
KYOTOGRAPHIE 2019 KG+で展覧会開催!
2019年の春に開催される京都国際写真祭KYOTOGRAPHIE 2019のサテライトイベント『KG+ 2019』にて、藤元敬二さんの『Forget-me-not』が展示されるようです。
私も観に行く予定なのでとても楽しみです。
Information
作家のWebサイト:Keiji Fujimoto Photography | 写真家 藤元敬二〈http://www.keijifujimoto.net/〉
RPSギャラリーの記事:写真集のどこをめくっても出て来るのは僕である。(藤元敬二との最近のやりとりから)〈http://reminders-project.org/rps/yaritori-keijifujimoto/〉