日本製紙 御茶ノ水ペーパーギャラリーがすごい!300種以上の印刷用紙が見られるショールーム

今回は、御茶ノ水駅から徒歩1分の「日本製紙 御茶ノ水ペーパーギャラリー」に行ってきました。実際の本やパッケージに使用されている印刷用紙を手に取って確かめられる、紙好き・デザイン好きにはたまらないスポットです!

アクセス:駅チカで便利!

「日本製紙 御茶ノ水ペーパーギャラリー」は御茶ノ水ソラシティ9階(にあり、JR御茶ノ水駅から徒歩3分、千代田線の新御茶ノ水駅からは直結という好立地。

御茶ノ水ソラシティ

入館方法

  1. ソラシティ1階の受付で「ペーパーギャラリーに行きたい」と伝える
  2. 受付票を記入し、入館証を受け取る
  3. それを使って入館します(入場無料!

※オフィスビル内にあるため、静かに見学することがマナーです。

入館証

エレベーターに乗って9階で降りるとペーパーギャラリーがあります。

展示内容:本物の本がずらり!

このショールームの最大の魅力は、実際に書店で見かけるような本が展示されていること。雑誌、小説、コミック誌などジャンルも多彩です。

各本には、使用されている紙の銘柄と斤量が書かれた栞が挟まっていて、どの紙がどんな本に使われているのか一目瞭然。これは非常にわかりやすくてありがたい!

日本製紙の紙を使った本がズラリ
紙名が書かれた栞が挟んであるので分かりやすい!

本のラインナップは定期的に入れ替わり

行くたびに新しい発見があります!

単行本など、定期的にラインナップが入れ替わっています

サンプルも豊富!無料で持ち帰りOK

引き出しを開けると、A4サイズの紙サンプルがぎっしり。片面は印刷されていて、仕上がりの参考になります。もう片面は無地なので、自宅や職場でのテスト印刷にも使えます

持ち帰り可能なA4の紙見本

さらに、紙を使ったパッケージのサンプルも展示。紙の可能性が広がります!

日常で見かけるパッケージにも日本製紙の紙が使われています

サステナブルコーナーも必見!

入口付近には、近年力を入れているサステナブル素材の紹介コーナーがあります。

サステイナブルな用紙のコーナー
  • 紙製のハンガー
  • プラスチックフィルムの代替素材
  • 古紙を使った衣料品 などなど…
紙製のハンガー
内側に紙のフィルムを用いた食品パッケージ
古紙配合の布を使用したシャツ

紙の未来に触れられる、非常に勉強になるコーナーです。

展示写真

「日本製紙 御茶ノ水ペーパーギャラリー」の雰囲気が伝わる写真を何枚かご紹介します。

厚紙の見本帳。これも持ち帰れます

まとめ:紙好き・デザイナー必見の場所!

  • 御茶ノ水駅から徒歩1分の好アクセス
  • 入場無料
  • 実際の本で用紙を比較できる
  • 無料の紙サンプルあり
  • サステナブルな取り組みも学べる

グラフィックデザイナーや印刷に関わる方、デザインを学ぶ学生さんには特におすすめ!
「紙のリアル」を見て、触れて、感じる体験ができる、貴重な施設です。


興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください!

Webサイトと地図

日本製紙グループ 御茶ノ水ペーパーギャラリー https://www.nipponpapergroup.com/opg/index.html

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【紙好き必見】東京の紙ショールーム「FUKOKU PAPER SALON(フコクペーパーサロン)」に行ってみた!【新宿区若松河田】

「デザインのひきだし」に掲載されていた紙のショールーム 「FUKOKU PAPER SALON(フコクペーパーサロン)」 に行ってきました。
このショールームは、紙の専門商社 「富国紙業」 によって運営されています。

営業日は基本的に平日のみで、予約は不要。そのため、気軽に訪れることができます。
今回は、サロンの様子を写真とともにご紹介します。

富国紙業のビルに入っています

最寄りは都営大江戸線の若松河田駅です。

ビルの向かって左の階段を登り2階へ。

インターホンを押し、出た方に「ペーパーサロンに来ました。」と伝えたら中に入れてもらえました。

様々な紙の見本帳が

棚に入っている見本帳を自由に閲覧することができます。

紙製のステーショナリーや、特殊紙の見本がファイリングされています。

こちらの机に荷物を置かせてもらえます。

竹尾などの用紙見本帳
販売中止になった紙のレアな見本帳もあるそうです
オリジナルの紙文具

サステイナブルに配慮した紙製品がファイリングされており、通常見ることが少ない銘柄が多かったので興味深く拝見しました。

本や手帳の表紙などに使用できるビニールペーパーの見本帳。

色画用紙の見本帳。

このアルミ蒸着紙はピカピカで迫力がありました。

個人で集められる見本帳には限界があるので、この様に揃っているショールームがあると非常に助かります。

気になった方はぜひ訪問してみてください。

Information

【FUKOKU PAPER SALON】スケジュールカレンダー | WRAPALLET
https://www.wrapallet.com/information/fps/

写真集に最適なマットコート紙とは? 印刷会社が提案する定番銘柄を紹介

写真集のデザインを手掛ける際、本文用紙としてマットコート紙を指定することが多いのですが、具体的な銘柄については印刷会社から提案されることがあります。

そこで、提案された印刷品質と価格のバランスが良い代表的な銘柄をご紹介します。

写真集印刷にオススメのマットコート紙の銘柄

ニューVマット / 四六判 110kg相当

三菱製紙のマットコート紙。落ち着いた風合いと優れた印刷適性を持つ代表的な用紙で、ボリューム感のある仕上がりが特徴です。

ユーライト / 四六判 110kg相当

日本製紙の定番銘柄ともいえるA2ランクのマットコート紙。ニューVマットに比べると、わずかに青みがあり、やわらかい印象を与えます。

シルバーダイヤS / 四六判 110kg相当

日本製紙の銘柄で、「西のユーライト」とも呼ばれ、関西以西の印刷会社でよく使われています。ユーライトと似た風合いを持ちます。

b7トラネクスト / 四六判 99kg相当

日本製紙のラフタイプの塗工紙。塗工量が少なく、優しい風合いが特徴です。デザイナーに人気の銘柄で、嵩高(かさだか:同じ重さでも厚みがある)があり、軽くて厚みのある本を作るのに適しています。

写真集よりも、レシピ本や展覧会カタログなど、写真とテキストが組み合わされた本でよく使用されています。

写真集に適した用紙の選び方

塗工量が多い紙は光沢感があり、写真の階調を豊かに表現できます。一方で、文字が多い本では光の反射によって読みづらくなることもあります。

そのため、写真集にはニューVマットやユーライトのような塗工量の多い紙が向いている一方で、b7トラネクストのようなラフタイプの紙は、写真とテキストが混在する本に適しています。

印刷は実際に刷ってみないと仕上がりがわからないことも多く、紙選びは難しいものです。

今回紹介した銘柄が、紙選びの参考になれば幸いです。

写真集デザインの備忘録:印刷会社との打ち合わせで学んだこと

私が現在進めている写真集デザインの案件について、印刷会社の八紘美術さんと打ち合わせをした際に初めて知った内容を、備忘録としてメモしておきます。

1)ホローバック製本にも、さらに開きが良い方法がある

上製本で背と本体を接着しないことで、開きを良くするホローバック製本。
近年は写真集などで「さらに開きを良くしてほしい」というオーダーが増えており、その対応策として花布を省略することで背を柔らかくし、より開きを良くする方法があるそうです。

ただし、本の強度とはトレードオフになるため、その分、耐久性は下がります。
また、開きを良くするとノドの部分にのりの跡がついたり、隣の折の図版が見えてしまうといった現象も起こるそうです。
「開きが良ければ良い」というわけではない、というのは意外な発見でした。

2)見返しは4/6判の130kg相当が適している

当初、見返しの用紙をNTラシャ 4/6判 100kg相当で提案していましたが、前述の開きを良くする製本にする場合、100kg相当では耐久性に不安があるとのこと。
そのため、4/6判 130kg相当程度の厚さにするほうが適しているとアドバイスを受けました。

3)データ入稿から納品までの目安

いくつかの印刷会社にも確認したところ、共通するスケジュール感がありました。
写真集の印刷において、データ入稿から印刷・製本・納品までの期間は、概ね1ヶ月半かかるそうです。
スケジュールを組む際の参考にしてください。


やはり、印刷の専門家である印刷会社の方と話すことで、初めて分かることが多いですね。

b7クリームが銘柄廃止になっていた

久しぶりにブックデザインのお仕事をいただいたので、本文用紙を検討。
文字が多いページを読みやすくしたく、日本製紙の「b7クリーム」とか良さそうだな。
と見本帳を見ながら思っていたのですが、調べてみたところこのような記事が。

さようならb7クリーム | MAUP日記
https://www.musabi.co.jp/maup/?p=22924

どうやら2022年に銘柄廃止となっていたそうです。

b7シリーズは安心のブランドだったのですが、クリーム色の需要が少なかったのかもしれません。

用紙銘柄の統廃合は悩ましいですね、、、。