六本木の森美術館で2019年の6月20日から 10月27日まで開催されている、現代アーティスト・塩田千春さんの個展「魂がふるえる」 を鑑賞しました。
Contents
- どんな展示?
- 作家について
- 観に行った動機
- 会場について
- 訪問した時間、混雑状況など
- 内容(写真)
- まとめ
- Information
どんな展示?
現代アーティスト、塩田千春さんの過去最大規模の個展。
作家のこれまでの創作活動を過去から未来へと振り返るように、絵画、ドローイング、立体、映像、空間インスタレーションの展示が並びます。
作家について
塩田千春さんはベルリンを拠点に活動する現代アーティスト。
空間内に赤や黒の糸をダイナミックに張り巡らせた作品で有名です。
観に行った動機
以前から雑誌などで作品を見てとても興味があった作家なのですが、なかなかタイミングが合わずに作品の実物を見る機会がありませんでした。
そんな時に森美術館で大規模な個展が行われると聞き、とても楽しみにしていた展示です。
会場について
六本木ヒルズ森タワーにある森美術館。こちらで行われる展覧会は毎回、充実しているので満足度が高いです。
今回の塩田千春展は会場内のほとんどの作品が写真撮影可能でした。
訪問した時間、混雑状況など
訪問したのは2019年8月10日の土曜日。10時過ぎに美術館に着きました。
お盆の三連休だったので、同時開催されていた「進撃の巨人展」や「PIXAR展」の影響でチケット売り場が大変混在していました。
塩田展とPIXAR展が同じチケット売り場だったので、美術館の入り口からチケット売り場にたどり着くまで20分ほどかかりました。
途中までは半分屋外のような通路で冷房が今ひとつなので大変暑かったです。行かれる方は水やスポーツドリンクなど、熱中症対策をして行かれた方が良いと思います。
展示もスムーズに見る事ができましたが、見ている内に段々と人が増えてきたので、会期終了間際の週末とかは結構混みそうです。
内容(写真)
会場で撮影した写真と共に、展覧会の雰囲気をお伝えします。
これぞ、塩田作品!というダイナミックなインスタレーション。
船から真っ赤なエネルギーが放出されているようにも見えます。
大規模なインスタレーションの後は、塩田さんのこれまでの創作活動を振り返るような展示ブースになります。
こちらの作品を最後に、塩田さんは「自分の伝えたい事は油絵では表現できない」と感じ、油絵以外の表現を模索していったという事です。
このドレスの作品は美術館の天井から吊されて床に届くくらい巨大な作品のようです。
ぜひ実物を観てみたい!
こちらの映像作品、私は今回の展示作品の中でもかなり心を打たれました!
浴槽に浸かり、洗面器に入った泥をひたすらに頭から流していく塩田さんの姿。
人の心には洗い流すことの出来ない記憶や経験が、皮膚のシワに泥のように刻まれていく、というコンセプトを表現しているそうです。
ひたすら泥を浴びるだけのシンプルな映像なのですが、とても強いインパクトがあり、私自身の心にも刻み込まれた作品となりました。
人間の身体を裏返して解体したように見えます。
身体の中にある物を外在化したようなコンセプトでしょうか。
ヨーロッパの蚤の市で売っているような様々な小物が糸でつながれています。タイトルのように、物を媒介に様々な記憶がつながって、おもちゃ箱のように心の中にある様子をイメージさせます。
こちらの作品もかなり好きです。塩田さんが在住するドイツ。ベルリンの壁付近の工事現場で廃棄された窓枠を集めて作られたオブジェ作品。
ドイツの東西を分けたベルリンの壁、家の内と外を分ける窓。その線引きにどのような意味があるのかを問うような作品です。
インスタレーション作品ではこちらがすごかったです!
天井から赤い糸で吊されたスーツケースが、階段状に上に登っています。
様々な人の人生を「旅」に見立てた作品。
一番最後に展示されていたこちらの映像作品もすごく興味深い内容でした。
子ども達が議論しているテーマは「魂はあるのか?」。
鋭い意見や考察が飛び交い、この映像だけでもずっと見ていられます。
まとめ
日本が世界に誇る現代アーティスト、塩田千春さんの軌跡を追える、色々な意味でスケールの大きな展覧会。
アートに興味のある方には必見の展示です!
Information
塩田千春展:魂がふるえる
関連書籍
美術手帖 2019年8月号:塩田千春特集