デザイナーが他のデザイナーのデザインを批判することが良くないと考える6つの理由

私は、(主にSNSなどの公共の場で)デザイナーをやっている人間が他のデザイナーが作ったデザインを批判することは、あまりしない方が良いことだと考えています。

その理由をまとめてみました。

批判は、特に求められていない場合や共感を持って伝えられない場合、デザイナーの自信や創造性を損なう可能性があります。デザイナーが他のデザイナーの作品を批判することに慎重になるべき理由をいくつか挙げます。

1. 主観性

デザインの良し悪しは主観的なものであり、あるデザイナーが嫌うものでも、別のデザイナーが高く評価するものもあります。個人的な好みだけに基づいて批判することは、生産的ではありません。

2. 自信への影響

批判は、建設的でない場合でも、批判を受けたデザイナーの意欲を削ぎ、自信を低下させ、成長や創造性を妨げる可能性があります。

3. コンテキスト(文脈)の重要性

デザインの背後にある制約、目的、プロセスを理解していなければ、批判は誤解される可能性があります。公正な評価には文脈への知識が不可欠です。

4. プロフェッショナリズムと敬意

デザイナーはお互いにプロフェッショナルな敬意を持って接する必要があります。批評は建設的であり、作品を破壊するのではなく改善することに重点を置くべきです。

5. 成長を促す

批判するのではなく、建設的なフィードバックを提供することで、デザイナーの成長とスキルの向上に役立ちます。前向きなフィードバックは、好意的に受け取られ、それに基づいて行動される可能性が高くなります。

6. コミュニティとコラボレーション

デザインコミュニティは、コラボレーションとアイデアの共有によって繁栄します。サポートと励ましの文化を築くことは、現場の全員に利益をもたらします。

まとめ

批評は思慮深く建設的に行われれば価値がありますが、デザイナーとその作品に対する共感と敬意を持って批評に取り組むことが不可欠です。

Header: Gerd AltmannによるPixabayからの画像

Emigre(エミグレ)|デジタルタイポグラフィーにおける伝説的なデザインスタジオ!その書体と文化についてご紹介します

アメリカの歴史的に有名な書体制作会社「Emigre(エミグレ)」についてご紹介します。

https://www.emigre.com/

Emigreとは

Emigreは、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーに拠点を置く、デジタル タイポグラフィーとグラフィック デザインの分野で重要な役割を果たした、有名な独立系活字鋳造所およびデザイン スタジオです。

1984年にRudy VanderLans(ルディ・バンダーランス)とZuzana Licko(ズザーナ・リッコ)によって設立された Emigre は、従来の写植からデジタル テクノロジーへの移行が起こっていたデスクトップ パブリッシング(DTP)の初期に登場しました。

Emigreは、書体デザインとデジタル フォントの作成に対する革新的なアプローチで有名になりました。 共同創設者で書体デザイナーのZuzana Lickoは、エミグレの最も有名な書体のいくつかの開発に貢献しました。

画期的な書体「Lo-Res」

彼らの初期の成功の 1 つは、Licko がデザインした「Lo-Res」書体を 1985 年にリリースしたことです。 これは、伝統的なタイポグラフィーの限界を押し広げる、一連の画期的な活字デザインの始まりとなりました。

Lo-Res

Lo-Res(Emigre 公式サイトより)

コンピューターが誕生した当初、今のような高解像度での出力は難しかった。

Lo-Resはそれを逆手に取り、あえて低解像度のビットマップのような書体をデザインすることで、従来の伝統的な書体と差別化を測り、新しい時代を象徴する書体デザインとなりました。

同社は、しばしば従来のデザイン基準に挑戦する、実験的かつ前衛的な書体で知られるようになりました。

Emigre フォントはグラフィック デザイン コミュニティで広く使用され、1980 年代と 1990 年代の視覚美を形作る役割を果たしました。

Emigreの有名な書体

Emigreの有名な書体をいくつかご紹介します。

Template Gothic

Template Gothic(Emigre 公式サイトより)

Senator

Senator(Emigre 公式サイトより)

Mr Eaves

Mr Eaves(Emigre 公式サイトより)

Triplex

Triprex(Emigre 公式サイトより)

Hypnopaedia

Hypnopaedia(Emigre 公式サイトより)

このようなパターンや記号を組み込んだ書体も開発している。

雑誌「Emigre」

Emigre は、タイプ デザインに加えて、1984 年から 2005 年まで「Emigre」というタイトルのデザイン雑誌も発行しました。(Emigre Magazineと呼ばれることも多いです。)

https://www.emigre.com/Magazine

この雑誌は、記事、インタビュー、さまざまなデザイナーの作品を特集し、デザインの問題について議論するための影響力のあるプラットフォームでした。

毎号ガラッと異なる表紙デザイン、紙面のエディトリアルデザインや使用されているEmigreの書体など、斬新なデザインの手法が詰まっていました。

本誌は、業界の変革期におけるテクノロジーとデザインの交差点に関する議論に貢献しました。

まとめ

Emigre がデザイン界に与えた影響は、単なる書体デザインにとどまりません。

同社の影響力は、デザイン思考、テクノロジー、従来のメディアとデジタル メディアの関係といった幅広い文脈で見ることができます。

Emigre は現在積極的にフォントを制作していませんが、その遺産はデジタル タイポグラフィーとデザインの歴史の不可欠な部分として残っています。

Emigreの書体や思想に触れる方法

Adobe Fonts

Emigre | Adobe Fonts
https://fonts.adobe.com/foundries/emigre

Adobeのサブスクリプションサービスを契約していれば、追加料金無しでEmigreの代表的な書体をデジタルフォントとして利用することができます。

Emigre Magazine

Search Online Archive at Letterform Archive
https://oa.letterformarchive.org/?dims=Periodical&vals0=Emigre%20magazine

こちらのオンラインアーカイブサイトで、かなりの冊数(網羅しているかはわかりませんが)を中身まで読むことができます。

また、以下のiPhone用アプリでも雑誌を読むことができます。

Emigre Fonts
Emigre Fonts
開発元:Emigre Inc.
無料
posted withアプリーチ

Emigreの書体が気になった方はぜひ、フォントを使ったり雑誌を読んでみてください!

gggで大原大次郎さんの個展「Daijiro Ohara HAND BOOK」を鑑賞|膨大な量の手描きスケッチとgggとは思えない屋台のような空間デザインに圧倒されました!

ギンザグラフィックギャラリー(ggg)へ、グラフィックデザイナー・大原大次郎さんの個展を観に行きました。

どんな展示?

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第399回企画展
Daijiro Ohara HAND BOOK
2023年12月11日(月)~2024年01月31日(水)
「大原大次郎」という名前を見て、聞いて、どんな景色を思い浮かべるでしょう。大原さんはその職能を一言で表せば「グラフィックデザイナー」となるのですが、グラフィックデザインが内包する、あるいはそこから想起させる概念やイメージでは捉えきれない存在感を放っています。
大原さんの創作活動に通底するのが「手」=HANDを使うということです。「手遊び」や「手探り」でつくり出されたものたちは、依頼主の声だけでなく、大原さんの感情や気分をも表出しているかのようです。
「HAND BOOK」と銘打たれた本展、彼の活動の様がまさに表されたタイトルとなっています。音楽関係の仕事はもちろん、文字や作字をキーワードに、これまでの仕事や自主活動の、完成までのプロセスを出し惜しみすることなくご紹介します。大原さんが「手」を動かす中で見えてくる風景が立ち上ってくるに違いありません。

Daijiro Ohara HAND BOOK | ギンザ・グラフィック・ギャラリー https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/jp/00000826

大原大次郎さんのこれまでの活動をまとめた大回顧展のような展覧会です。

面白かったポイント

圧倒的なデザイン量!

完成したポスターやCDジャケットの見本だけでなく、そこに至るまでのスケッチも大量に展示されています。スケッチのクオリティと量もすごい!

展示会場のインスタレーションデザイン

木枠で組まれた什器を中心に、屋台のような空間デザインになっており、何度も行っているggg(ギンザグラフィックギャラリー)とはとても思えない展示会場になっていました。

アトリエ風のエリアが興味深い

地下階には、大原さんの使っている画材が並んだ、アトリエの一部を切り取ったかのようなエリアがあり、非常に面白かったです。どのような画材を使っているのか気になりました。

展示の写真

展示の雰囲気を写真でご紹介します。

ギンザグラフィックギャラリー入り口

1階

入ってすぐ、木枠で組まれた什器に圧倒されました
展示パネルも面白いデザイン
手描きスケッチの数々。試行錯誤の量が半端ないです
写真では見えづらいですが、手描きスケッチのクオリティもすごいです
星野源さんのお仕事
とにかくスケッチの量がすごい!
SAKEROCKのお仕事
写真左の台車には販売中のカタログが並んでいます

地下階

地下も、いつものgggと全く雰囲気が違います!
紙をくり抜いてローラーで色を着けている表現、とその試行
大原さん使用の画材が展示されているコーナー
個人的に非常に興味深かったです
観音状のパンフレット
看板のデザイン
今回の展示の図録についてのエリア
クレジットが描かれた黒板

まとめ

とにかくデザインの“量”に圧倒される展示でした。

お仕事自体もそうですが、完成に至るまでの試行錯誤の量も圧倒的で、

大原さんはきっと、24時間デザインのことを考えているんだろうな

と深く納得しました。

また、大原さんの文字デザインは、伝統的なタイポグラフィとは少し違った印象で、文字を描いているのに本当に絵のように見えます。

会場に並んだたくさんの手描き文字を見ていると、リズムのある音楽が聞こえてくるようでした。

2024年の1月30日まで開催しているので、今回の記事を読んで興味を持たれた方はぜひ会場に足を運んでください!

自分も、時間が取れたら会期終了までにまた訪問したいと思っています。

展覧会情報

Daijiro Ohara HAND BOOK
ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 1F/ B1F
tel. 03.3571.5206
MAP
2023年12月11日(月)ー 2024年01月31日(水)
開館時間:11:00am-7:00pm 
日曜・祝日、2023年12月28日(木)ー 2024年1月8日(月・祝) 休館 
入場無料

展覧会カタログ

本展に合わせて、カタログ的な作品集が刊行されました。

こちらも展覧会に負けず劣らず、ものすごいクオリティとボリュームでした!遠方で足を運べない方は本で作品を楽しんでください!

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

HAND BOOK 大原大次郎 Works & Process

大原 大次郎
4,180円(04/26 14:42時点)
Amazonの情報を掲載しています

InDesignで半角スラッシュ「/」後の半角スペース「 」を見つけるワイルドカードを使った検索文字列

InDesignで半角スラッシュ「/」後の半角スペースを検索するワイルドカード文字列をご紹介します。
偶に、URLの文字列の中に不要な半角スペースが入っていたりするのでそれを発見する時に使用します。

例えばこの様な例です

https:// watanabedesign511.info/

//とwの間に半角スペースが入っています。この状態だとURLと認識されないので問題があります。

検索文字列

/ 

WordPressだとうまくコピペできなかったのですが、

半角スラッシュ + 半角スペース + ワイルドカード:欧文アルファベット文字

です。

ワイルドカードは検索文字列のボックスの右隣の@マークのボタンを押すと選べます。

検索置換ボックスはこのようになります

良ければ参考にしてください。

【教職員向け】児童生徒 性暴力防止の「3ない運動」シートをリ・デザインしました|学校関係の方、ご自由にお使いください

学校で働く教職員の方向けの「児童生徒 性暴力防止の「3ない運動」」という内容を記載したシートがあります。

オリジナル版のPDF「令和5年度 児童生徒性暴力の防止に向けた取組について」
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2023/files/release20230622_01/betten.pdf
※6ページ目

とても重要な内容なので、自分なりにデザインを整えてみました。

どなたでもご自由にダウンロード、使用していただけますので、各種学校などで使っていただけたら嬉しいです。

PNG(画像)版

PDF版

A4サイズで作成しています。以下のダウンロードボタンよりダウンロードしてください。

記載されている内容

シートに記載されている内容をテキストでも残しておきます。

教職員用(全校種共通)

児童生徒性暴力等防止の「3ない運動」〈プラス〉

さわらない
児童・生徒に対して、指導に不必要な身体接触は行いません。

送らない
児童・生徒に対して、個人的なメール・SNS等の送信はしません。

二人きりにならない
児童・生徒と閉鎖的な状況で指導・対応を行いません。

+

児童・生徒と教員との交際関係は成立しません。

※教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和4年4月1日施行)

使い方

PDFをダウンロードしていただき、A4または、任意のサイズでプリントアウトし、職員室や教室での掲示、教職員の方に配布するなど、ご自由にお使いください。