ノルウェーの超有名ブラックメタルバンドMayhem(メイヘム)のフロントマン、ユーロニモスを主人公とした映画「ロード・オブ・カオス」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
あらすじや感想をご紹介します。
Amazon.co.jp: ロード・オブ・カオス(字幕版)を観る | Prime Video
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あらすじ
それは狂乱の青春が辿り着いた絶望の果て。
イントロダクション – 映画『LORDS OF CHAOS ロード・オブ・カオス』公式サイト https://lordsofchaos.jp/introduction.html
1987 年、ノルウェー・オスロ。19 歳のギタリスト、ユーロニモスは、ヴォーカルのデッドたちとともに「真のブラック・メタル」を追求する全く新しいバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。デッドは、ライヴ中に自身の身体を切り刻み、観客にその血をかけた上、豚の頭を投げるなどの行為を繰り返し、その過激さもあって「メイヘム」は熱狂的にブラック・メタル・シーンに受け入れられる。しかしある日、デッドはショットガンで頭をブチ抜き、自殺を果たした…。発見者のユーロニモスは、親友の脳漿が飛び散る遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し、喧伝することでカリスマ化。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨するようになる。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火を契機に、主導権争いは熾烈化。歯止めが効かなくなった果て、彼らですら想像しえなかった狂乱が待ち受けていた。
面白かった点
ブラックメタル伝説のエピソードが映像作品に!
私は10代のころからヘヴィメタルが好きで、ずっと聴いています。
本作で描かれるMayhemやBurzum、ブラックサークル(インナーサークル)のエピソードは初めて知った時は「ブラックメタルはここまでするのか!」と衝撃を受けました。
そのエピソードが、(映画用に演出されているとは思いますが)映像作品で見られる事は非常に価値があると感じました。
登場する人物名や、キーワードも、ブラックメタルに詳しい方にはお馴染みのものばかりなので、映画に登場するとリスナーとしては感動します。
ユーロニモス、デッド、カウント、ファウスト、ヘルハマー、などの人名や、
インナーサークル、ヘルヴェテ(レコード屋)、ケラング(メタル雑誌)、コープスペイント、デスライク・サイレンス(プロダクション)
などのキーワードを映像で見られるとは!
映画としてのクオリティも高い
音楽は当然、MayhemやBurzumなど、その他有名なメタルの曲が使われるのですが、映像や脚本のクオリティも高く、ただの音楽B級映画ではなく、ホラー/サスペンス映画としてもしっかりと完成されていました。
見応えがあります。
どことなくユーモラス
決して愉快な話では無いのですが、主役のユーロニモスがややヘタレに描かれていたり、要所要所にユーモアがあります。
青春を感じる
登場人物たちは過激な行動をしていますが、彼らの年齢はまだ20代半ば。
何者かになりたいけど、まだ何者でもない自分、に対しての葛藤を感じます。
ユーロニモスとデッド、ユーロニモスとヴァーグの関係性は、友情や才能への嫉妬、などを感じ非常に青春を感じます。
オススメしづらい点
暴力的でグロテスク
ブラックメタルに詳しい方は言わずもがな、初見の方もあらすじを読んでいただければわかるように、かなりグロテスクです。
現実でも同じ様な行為をしていた(言われている)のである意味リアルなのですが、映像で見ると衝撃度が高いです。
主人公たちの犯罪行為
主人公であるユーロニモスや、ヴァーグなど、インナーサークルのメンバーが行う、教会放火などの犯罪行為は、映像で観るとより悪質さを感じ、普通に気分が悪くなりました。
救いが無い
ストーリー的にも救いがない感じで終わるので、爽快感などありません。
この後味の悪さまで含めて、ブラックメタルらしい、とは思いますが。
まとめ
救いが無い作品ですが、ブラックメタル好きにはかなりオススメできる作品です!
ブラックメタルを知らない方でも、ダークな雰囲気や救いがないストーリーを求めている方は、見たら楽しめると思います。
満足度
90点/100点満点中
ブラックメタル好きとしてはこの点数です!
本映画と関連する音楽作品
De Mysteriis Dom Sathanas / Mayhem
- アッティラ(ボーカル)
- ユーロニモス(ギター)
- カウント・グリシュナック〈ヴァーグ〉(ベースギター)
- ヘルハマー(ドラム)
メイヘムの1stスタジオアルバムです。映画内でもユーロニモスがこのアルバムを制作しているシーンが登場しますが、このメンバーで作られたアルバムは最初で最後となります。
ノイジーながらもほのかにメロディアスなギターリフと、かすれたボーカル、疾走するブラストビートはこれぞブラックメタル!という伝説的作品です。
私は2曲目の「Freezing Moon」という曲が、美しいイントロとそこからの疾走感のコントラストにより、好きです。
Burzum/Aske / Burzum
カウント・グリシュナック(ヴァーグ)による1人ブラックメタルプロジェクト、Burzumの1stアルバムと2ndアルバムをセットにしたコンピレーション。
ヴィーケネスは、可能な限りひどい音質でレコーディングすることを目論んでいた。
バーズム – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%A0
とのことで、かなりくぐもった演奏と、叫んでいるだけに聞こえるボーカルが、Burzumらしさ全開です。
映画でブラックメタルに興味を持たれた方は、ぜひ音楽も聴いてみてください!