風評被害のメカニズムを視覚化するプロジェクトに取り組んでいます

INSIGHT|きっかけ

私は普段、結構自炊をするのでスーパーで食材を買うことが多いのですが、同じ食材でも東北産と他の産地の物があった場合、つい、東北産を避けて購入してしまっていました。
東日本大震災、そして福島原発の事故から7年が経ち、特に被災地と縁があるわけでも無いのに、それにも関わらず「なんとなく」東北産の食材を避けてしまう。
食品の放射能にまつわる正しい知識や、検査のニュースをチェックしている訳ではないのに自分がこのような行動を取ってしまうのはなぜだろうか?と気になってきました。

そこで浮かんだのが「風評被害」というキーワードです。

震災の直後、食品や土地に対して散々ニュースになったこの言葉。
私がスーパーで冒頭のような行動を取ってしまっている根底には、震災後にニュースなどで目にした「風評被害」という言葉が未だに頭に残っていることが大きく関わっているのではないか考えました。

「風評」という直接的には目に見えない「イメージの力」が、これほどまでに自分を初め、人々の行動に影響を与えてしまうのは何故なのだろうか?
そのメカニズムを理解し、ヴィジュアル化する事で多くの人に伝わるようなヴィジュアルブックを作りたい、と思うようになりました。

VISION|達成したい目的

「風評被害」が起きるきっかけや拡散していくメカニズムを視覚化することで、多くの人に理解してもらい「出処のあいまいな風評にまどわされず、科学的根拠の確かな情報を一人ひとりが自分で探し、それに基づいて行動する社会」を目指します。

CONCEPT|方針

日本を中心に、過去の風評被害の事例を研究し、そのメカニズムを直接的、またはメタファー表現を用いてヴィジュアライズします。
多数のレイヤーによって構成される風評被害、その複雑な要素を視覚化してまとめるには、ページの集積や紙というマテリアル感を合わせ持つ「本」という形態がふさわしいと考えました。
まずはヴィジュアルブックの作成を目指し、インスタレーション形式での展示での公開も含めてプロジェクトを進めていきます。

TRIAL|具体的な取り組み

現在やっていること

1.風評被害にまつわる本を読む

そもそも「風評被害」とは何なのか?自分が明確に理解していないとプロジェクトには取り組めないので、まず、以下の2冊を読みました。
風評被害の専門家、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター特任准教授の関谷直也氏による著作です。

風評被害~そのメカニズムを考える~(光文社新書)

「災害」の社会心理(ワニ文庫)

「災害」の社会心理 (ワニ文庫)
Posted with Amakuri at 2018.11.30
関谷 直也
ベストセラーズ

日本で起きた風評被害の代表的な事例や、風評被害とデマの違いなど、基本となる考え方を知る事ができ、とても勉強になりました。

2. 口コミのメカニズムについて調べる

厳密には風評被害とは異なりますが、人から人に情報が伝播する「口コミ」のメカニズムについてもリサーチしています。

例えば以下のようなサイトで、Twitterにおけるリツイートやメンションの関係性を視覚化する事ができます。

Hoaxy
https://hoaxy.iuni.iu.edu/

今後やっていきたいこと

実際に風評被害を受けた方からお話を聞いてみたいと思っています。
ご協力いただける方がおりましたら本ブログのコンタクト欄などからご連絡いただけるととても嬉しいです。

コンタクト(メッセージはこちらからお願いします。)
http://watanabedesign511.info/contact/

プロジェクトの進展は随時、このブログで紹介する予定です。

『文字組デザイン講座』by 工藤強勝:超マニアックな文字組本が発売されました!

『文字組デザイン講座』という超マニアックな文字組本が発売されました。

『文字組デザイン講座』/工藤強勝/誠文堂新光社
『文字組デザイン講座』/工藤強勝/誠文堂新光社

これは何?

エディトリアルデザインを中心に数々の名著のデザインを手がけたデザイン事務所、「デザイン実験室」のアートディレクター、工藤強勝氏が2018年に刊行した新刊です。

雑誌・書籍・ポスターなど、工藤氏が実際に手がけた仕事を作例として使い、どのように版面レイアウトや書体の設定をしているかというテクニックを超マニアックに解説している1冊です。

本書は雑誌『デザインノート』に連載された内容に、新規記事を加えて再構成しているので、雑誌連載時に読んだ方でも満足できる内容になっています。

本書を購入した理由

私は工藤氏のデザイン実験室に、独立前5年半ほど勤めており、実際のデザイン業務を通して大変貴重な勉強をさせていただきました。

本書の連載第一回の記事は、まだ私が事務所に在籍していた時期だったので、連載用のフォーマットデザインデータは工藤氏のディレクションの元で私が作成しています。

自分が関わった仕事が掲載されているという点は勿論、改めて工藤氏のデザイン理論を振り返り、勉強をし直したいという思いから購入しました。

『文字組デザイン講座』/工藤強勝/誠文堂新光社

使う時・場面

グラフィックデザインをする時、必ずと言って良いほど「文字を扱う」場面があると思います。

  • どんな書体(フォント)を選べば良いか?
  • 最適な文字サイズは?
  • 読みやすい行間、字間は?
  • 明朝体とゴシック体、日本語と英語との組み合わせ方は?

など、様々な疑問点が出てきた際に本書を読めば、工藤氏が実際の仕事で手がけた文字設定が詳細に掲載されているので参考にする事が出来ます。

超一流のデザイナーの何十年というデザイン経験の一端を2500円程度で手にする事が出来るのです。

こんな人にオススメ

デザインを勉強中の学生や新人デザイナーさんは勿論、社内に自分しかデザイナーがいない会社にお勤めのデザイナーさんなども、デザインの指針として読んでおいて損の無い一冊です。

使い方

工藤氏の「指定紙」と呼ばれるデザイン指示書が掲載されているのですが、文字が結構小さいのでルーペなどで拡大しながら解読するのがオススメです。

どこで購入するか

デザイン書を取り扱っている書店か、Amazonなどで購入出来ると思います。

こういったデザイン書は、ニーズがニッチなので初版で絶版になる事もあるので、気になった方は早めに購入されるのが良いと思います。

文字組デザイン講座: 雑誌・書籍・ポスターにおける巧みな文字の使い方をリアルな指定紙から解説

【工藤氏のその他の著書】

デザイン解体新書

デザイン解体新書

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2,619円(05/26 12:39時点)
Amazonの情報を掲載しています

編集デザインの教科書

編集デザインの教科書 第4版

編集デザインの教科書 第4版

工藤強勝
3,190円(05/27 01:09時点)
発売日: 2015/10/17
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・カメラ:PENTAX K-30
・レンズ:PENTAX FA 50mm f1.4
・三脚:Manfrotto MK190XPRO4-3W
※レンズには火花が飛んできても良いように保護フィルターを着けています。

【場所】
・出来るだけ暗く、風の影響を受けにくい所

【カメラの撮影モード】
・露出設定:P(プログラムオート)
・フレームレート:30FPS

オートモードだと絞りを結構開けるので手前に飛んだ火花がぼやけますが、今回はそれがイメージ通りでした。

マニュアルで露出を設定した場合、以下の様な動画になりました。

【設定】
絞り:F8
シャッタースピード:1/30

絞っている分、火花の形は鮮明になりますが、暗くはなります。
こちらはこちらで趣があって良いですね。

マクロレンズがあれば、それを使うとより細部まで鮮明な花火が撮れるようです。

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