[映画感想]「ゴジラ-1.0」ゴジラの圧倒的な破壊シーンに衝撃と爽快感を感じる作品。ぜひ映画館のスクリーンで!

『ゴジラ-1.0』を映画館で観ました。感想をご紹介します。
ネタバレ含みます!

見ようと思った理由

イオンシネマワタシアタープラス(年会費400円)というサービスに入会したところ、1200円で鑑賞できるクーポン券をもらったので、評判の良いこの映画を見ようと思いました。

作品について

生きて、抗え。
焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。
残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。
ゴジラ七〇周年記念作品となる本作
『ゴジラ −1.0』で
監督・脚本・VFXを務めるのは、山崎貴。
絶望の象徴が、いま令和に甦る。

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/

破壊の描写がすごい!

とにかく、破壊の描写がすごかったです!
戦艦、ビル、電車、など戦争から復興しつつあった東京の街をゴジラがこれでもか、と破壊します。
その迫力がすごくて圧倒されました!
怪獣映画は、ものすごく久しぶりに観たのですが、ゴジラの清々しいまでの破壊ぶりを見ていると、衝撃を受けながらもどこかスカッとしますね。
ゴジラのサイズが大きすぎないのも良かったです。ビルと同じくらいのサイズなので、より、現実感があるというか。
ゴジラが口から放出する破壊光線のシーンも非常にかっこいいです。

男!男!男!

戦後の話で、軍隊なども絡む内容なので、とにかく男性が大量に出てきます。
「男たちの大和」のゴジラ版のように。
劇中で活躍する人物の9割くらいは男性なので、そこに共感して、かっこいい!となるか、現代的な視点で見て、うーむ、となるか、人によって評価が分かれそうです。

ストーリー部分はエンタメ性重視

ゴジラが登場するパートとストーリー(日常)パートのコントラストが結構あります。
ストーリーパートはそんなに奇をてらうことなく、オーソドックスなエンタメ作品、という構成でした。

アクションシーンを楽しむ作品ですね。

ゴジラを倒す作戦が面白い

民間組織がゴジラを倒す作戦を立てるのですが、その作戦自体は「なるほど!」と思いました。
ただ火力でやっつけるのではなく、科学的な根拠が説明されていて、実行のシーンもワクワクしました。映画館で見る意味がある作品

ゴジラの迫力がメインの作品だと思うので、映画館の大きなスクリーンで見てとても楽しめました!
気になっている方はぜひ公開中に映画館に足を運んでみてください。

満足度

85点/100点満点中

Header: ThomasによるPixabayからの画像

[映画感想]「ガンパウダー・ミルクシェイク」女殺し屋がギャングに立ち向かう!現代版「キル・ビル」とも言えるバイオレンスアクション

映画「ガンパウダー・ミルクシェイク」がAmazon Primevideoで配信されていたので見てみました。

あらすじ

サム(カレン・ギラン)が12歳のとき、彼女の母親スカーレット(レナ・ヘディ)は、サムを置き去りにした。15年後、母親同様、冷血な殺し屋になった。ところが、あるハイリスクな仕事で問題が起き、サムは母親の雇い主だったザ・ファームという冷酷な犯罪シンジケートのために動くか、8歳の無垢な少女エミリー(クロエ・コールマン)の命を守るか、という選択を迫られる。命を狙われているサムにとって、生き残る唯一のチャンスは、母親とその仲間であるザ・ライブラリアンズ(司書たち)(ミシェル・ヨー、アンジェラ・バセット、カーラ・グギーノ)と合流することである。この3世代の女性たちは、信頼し合ってザ・ファームとその手下たちに立ち向かい、自分たちからすべてを奪おうとする者たちを相手に大暴れする。

Amazon.co.jp: ガンパウダー・ミルクシェイク(字幕版)を観る | Prime Video

面白かった点

ほぼ「キル・ビル」

女性の殺し屋が主人公。母親も殺し屋で、母の仲間と共に、ギャングの男たちと戦うという物語。
ほぼ、クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」です。
私は「キル・ビル」含むタランティーノ映画がとても好きなのでかなり楽しめました。
「キル・ビル」と異なるのは主人公に母含む、女性の殺し屋の仲間がたくさんいることですね。
仲間たちの活躍もしっかり描かれていてかっこいいです。

ビジュアルデザイン

絵作りも素敵でした。
ネオンなど、サイバーパンク風なシーンや、古風な図書館での銃撃戦など、シーンごとのビジュアルが非常に素敵で、デザイン的に刺激を受けました。

惜しかった点

アクションがやや物足りない

女性が男性と戦うので、腕力の差から苦戦をするシーンもあるのですが、そこは良いとしても、殺陣シーンが止め絵やスローモーションが多くて少し迫力に欠けました。
苦戦しても良いのですが、動きはもう少し激しく動いて戦って欲しかったと思います。

主人公の影が薄い

仲間がたくさん登場するだけに、主人公のサムの影が薄いな、と感じていました。
母親のスカーレットは、ゲーム・オブ・スローンズにも登場していたレナ・ヘディが演じているのですが、こちらの存在感がすごくて、どうしても母娘で並ぶとレナ・ヘディが目立ってしまいます。

図書館をアジトにする女性の殺し屋の仲間も、各人がとてもいい味を出していて、主人公を食ってしまっている感がありました。

まとめ

Wikipediaによると、本作は批評家から以下の様に評されているようです。

中身が全くない純粋なシュガーラッシュ(糖分による興奮状態)に危うく至るところだったが、『ガンパウダー・ミルクシェイク』はそのネオンに満たされた世界に観客を吸収させる残酷な爆風である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF

たしかに、何か知的な発見がある、というような作品ではないですが、頭を空っぽにして楽しめる非常に良質なエンターテイメント映画だと思います。

タランティーノ作品が好きな私は大好きでした。

ぜひ続編も作って欲しいですし、続編があるなら主人公のサムの活躍をもっと見たいと思いました。

満足度

85点/100点満点中

映画『ガンパウダー・ミルクシェイク』予告編

[映画感想]「ロード・オブ・カオス」/Mayhemのユーロニモスを主役とした、救いなき青春のブラックメタル物語

ノルウェーの超有名ブラックメタルバンドMayhem(メイヘム)のフロントマン、ユーロニモスを主人公とした映画「ロード・オブ・カオス」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
あらすじや感想をご紹介します。

映画「ロード・オブ・カオス」公式サイトより

Amazon.co.jp: ロード・オブ・カオス(字幕版)を観る | Prime Video
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%82%B9%EF%BC%88%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88%EF%BC%89-%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%B3/dp/B099P1YD9M

あらすじ

それは狂乱の青春が辿り着いた絶望の果て。
1987 年、ノルウェー・オスロ。19 歳のギタリスト、ユーロニモスは、ヴォーカルのデッドたちとともに「真のブラック・メタル」を追求する全く新しいバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。デッドは、ライヴ中に自身の身体を切り刻み、観客にその血をかけた上、豚の頭を投げるなどの行為を繰り返し、その過激さもあって「メイヘム」は熱狂的にブラック・メタル・シーンに受け入れられる。しかしある日、デッドはショットガンで頭をブチ抜き、自殺を果たした…。発見者のユーロニモスは、親友の脳漿が飛び散る遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し、喧伝することでカリスマ化。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨するようになる。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火を契機に、主導権争いは熾烈化。歯止めが効かなくなった果て、彼らですら想像しえなかった狂乱が待ち受けていた。

イントロダクション – 映画『LORDS OF CHAOS ロード・オブ・カオス』公式サイト https://lordsofchaos.jp/introduction.html

面白かった点

ブラックメタル伝説のエピソードが映像作品に!

私は10代のころからヘヴィメタルが好きで、ずっと聴いています。

本作で描かれるMayhemやBurzum、ブラックサークル(インナーサークル)のエピソードは初めて知った時は「ブラックメタルはここまでするのか!」と衝撃を受けました。
そのエピソードが、(映画用に演出されているとは思いますが)映像作品で見られる事は非常に価値があると感じました。

登場する人物名や、キーワードも、ブラックメタルに詳しい方にはお馴染みのものばかりなので、映画に登場するとリスナーとしては感動します。

ユーロニモス、デッド、カウント、ファウスト、ヘルハマー、などの人名や、
インナーサークル、ヘルヴェテ(レコード屋)、ケラング(メタル雑誌)、コープスペイント、デスライク・サイレンス(プロダクション)

などのキーワードを映像で見られるとは!

映画としてのクオリティも高い

音楽は当然、MayhemやBurzumなど、その他有名なメタルの曲が使われるのですが、映像や脚本のクオリティも高く、ただの音楽B級映画ではなく、ホラー/サスペンス映画としてもしっかりと完成されていました。
見応えがあります。

どことなくユーモラス

決して愉快な話では無いのですが、主役のユーロニモスがややヘタレに描かれていたり、要所要所にユーモアがあります。

青春を感じる

登場人物たちは過激な行動をしていますが、彼らの年齢はまだ20代半ば。
何者かになりたいけど、まだ何者でもない自分、に対しての葛藤を感じます。

ユーロニモスとデッド、ユーロニモスとヴァーグの関係性は、友情や才能への嫉妬、などを感じ非常に青春を感じます。

オススメしづらい点

暴力的でグロテスク

ブラックメタルに詳しい方は言わずもがな、初見の方もあらすじを読んでいただければわかるように、かなりグロテスクです。
現実でも同じ様な行為をしていた(言われている)のである意味リアルなのですが、映像で見ると衝撃度が高いです。

主人公たちの犯罪行為

主人公であるユーロニモスや、ヴァーグなど、インナーサークルのメンバーが行う、教会放火などの犯罪行為は、映像で観るとより悪質さを感じ、普通に気分が悪くなりました。

救いが無い

ストーリー的にも救いがない感じで終わるので、爽快感などありません。
この後味の悪さまで含めて、ブラックメタルらしい、とは思いますが。

まとめ

救いが無い作品ですが、ブラックメタル好きにはかなりオススメできる作品です!
ブラックメタルを知らない方でも、ダークな雰囲気や救いがないストーリーを求めている方は、見たら楽しめると思います。

満足度

90点/100点満点中

ブラックメタル好きとしてはこの点数です!

本映画と関連する音楽作品

De Mysteriis Dom Sathanas / Mayhem

  • アッティラ(ボーカル)
  • ユーロニモス(ギター)
  • カウント・グリシュナック〈ヴァーグ〉(ベースギター)
  • ヘルハマー(ドラム)

メイヘムの1stスタジオアルバムです。映画内でもユーロニモスがこのアルバムを制作しているシーンが登場しますが、このメンバーで作られたアルバムは最初で最後となります。

ノイジーながらもほのかにメロディアスなギターリフと、かすれたボーカル、疾走するブラストビートはこれぞブラックメタル!という伝説的作品です。

私は2曲目の「Freezing Moon」という曲が、美しいイントロとそこからの疾走感のコントラストにより、好きです。

Burzum/Aske / Burzum

カウント・グリシュナック(ヴァーグ)による1人ブラックメタルプロジェクト、Burzumの1stアルバムと2ndアルバムをセットにしたコンピレーション。

ヴィーケネスは、可能な限りひどい音質でレコーディングすることを目論んでいた。

バーズム – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%A0

とのことで、かなりくぐもった演奏と、叫んでいるだけに聞こえるボーカルが、Burzumらしさ全開です。

映画でブラックメタルに興味を持たれた方は、ぜひ音楽も聴いてみてください!

[映画感想]「運び屋」クリント・イーストウッド/家族愛と長生きした者ならではの人生の後悔を描いた作品

クリント・イーストウッド監督/主演の映画「運び屋」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
感想を書いていきます。
※多少ネタバレありますので、お気をつけください。

PrimeVideoは配信停止の可能性もありますのでご注意ください。

基本情報

監督:クリント・イーストウッド
出演者:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシア
公開年:2018年

あらすじ

アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金もなく、孤独な90歳の男。商売に失敗し、自宅も差し押さえられかけたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられる。それなら簡単と引き受けたが、それが実はメキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だということを彼は知らなかった…。

運び屋 – 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

印象的なシーンや演出

作品の後半になりますが、イーストウッド演じるアールが、これまで蔑ろにしてきた家族、特に娘に対して「これまでの自分は間違っていた」という事を懺悔するシーンです。
90歳で、残りの人生も短いであろうアールが「これまで間違っていた」と認識してしまうこと、その壮絶な後悔が非常に胸を打ちました。
それに対しての娘の言葉も、とても印象に残りました。何を言ったかはぜひ作品で見ていただきたいです。

音楽としては、アールが車の運転中に歌う歌が印象に残りました。彼(イーストウッドも含む)の中での古き良きアメリカ、を象徴しているように感じます。

キャラクターの魅力

主人公であるアールは、物語の始めで、様々な人にナチュラルに暴言を吐き「クソジジイ」と言われるのですが、正にそう言いたくなる、イーストウッドの演技が光っていました。
麻薬カルテルの組織の人間も、悪いことをしているのですが、どこか憎めなさもあり、人間性を感じさせる描写になっていました。

テーマやメッセージ

作品の大きなテーマとしては家族愛があると思います。
個人的には、長生きした人だからこそ抱えている「これまでの人生への後悔」も描いていると感じました。
登場する人物たちは、その時々のシーンでは正しいことをおこなっていると思うのですが、それが、後悔にも繋がっているように感じます。

評価

満足度:75点/100点満点中

イーストウッドの映画はこれまでも、ミリオンダラー・ベイビー、硫黄島からの手紙、グラン・トリノ、などわりと観ています。
リアリティとしては間違っていないのですが、さすがに、主演のイーストウッドのお年寄り感があり、車を運転しているシーンなどでも心配になってしまいました。
主演は年齢の設定は良しとしても、イーストウッドでなくても、もう少し若い人を使っても良かったのではないかと。
北野武の「首」でたけしが秀吉役をやっていたときも同じ気持ちになりました。

なんとなく、イーストウッド自身も何か後悔があり、それが自分を主演にすることで出過ぎているように感じてしまいます。

本業でうだつが上がらない高齢男性が麻薬と関わって、能力を発揮する物語としては、どうしても「ブレイキング・バッド」が連想されてしまうので、あちらが長編ドラマの上、超名作のため、独創性を感じさせるのは難しい印象です。

麻薬カルテルが登場するとどうしても殺伐とした銃撃シーンがありそう、と思ってしまいますが、過激なシーンはそこまで多くないので、ある意味では見やすいと思いました。

おすすめの観客層

家族愛について考えたい人。
クリント・イーストウッド監督作品のファンの人。

総括

あまり期待しすぎずに観ると満足できる作品だと思います。

注意点や補足事項

人が死んだりするシーンは過激さはないですが、あるにはあるので、苦手な方は気をつけてください。

Header: OlgaによるPixabayからの画像

PrimeVideoは配信停止の可能性もありますのでご注意ください。
映画『運び屋』予告編

[映画感想]「首」北野武 監督|現代のコンプラに全て引っかかる血みどろ時代劇

北野武監督の映画「首」を観ました。

北野映画は結構好きで、これまで観たことがあるのは以下の作品です。

  • その男、凶暴につき
  • 3-4X10月
  • ソナチネ
  • みんな〜やってるか!
  • キッズ・リターン
  • HANA-BI
  • 菊次郎の夏
  • BROTHER
  • 座頭市
  • アウトレイジ
  • アウトレイジ ビヨンド
  • アウトレイジ 最終章

私は普段そんなに映画を観ていないので、北野作品はかなり多く観ていると自分でも思います。

アウトレイジビヨンドが2017年の作品なので、今回の「首」はおよそ6年ぶり!に観た北野映画ということになります。

ストーリー

天下統一を掲げる織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重が反乱を起こし姿を消す。信長は羽柴秀吉、明智光秀ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。秀吉の弟・秀長、軍司・黒田官兵衛の策で捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀はなぜか村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向け始める。だが、それはすべて仕組まれた罠だった。

果たして黒幕は誰なのか?
権力争いの行方は?
史実を根底から覆す波乱の展開が、
“本能寺の変”に向かって動き出す―

映画『首』公式サイト https://movies.kadokawa.co.jp/kubi/
ショッキングなシーンがあるので注意してください

鑑賞に際しての注意点

今の時代を考えると、多くの人に勧められる映画ではありません!
時代劇版アウトレイジ、とも呼ばれる本作。北野映画としてはこれまでのお約束(?)を踏襲していて、ファンは納得だと思いますが、この6年間で時代が大きく変わったと感じます。

新型コロナウイルスや、世界的に大きく広まったSDGs、エンターテイメント作品に対するポリティカル・コレクトネスの徹底など、昨今の時代背景を考えると、本作品はかなりアウトだと思います。
なので、そういった点が気になる方は観ないほうが良い作品だと思います。

しかし、こういった人権意識は時代とともに変化していくものなので、この作品の舞台となっている時代が1580年代ということを考えると、ある意味でリアリティがある描き方だとも感じます。

感想

本作は、過激なシーンの中に、コメディアンである北野監督ならではのユーモラスなシーンがたくさん挟まれています。

私はこの作品を見て、昭和のお笑い番組を見ている気持ちになりました。
今のテレビではNGな要素がてんこ盛りです。
北野武は今のテレビではできなくなってしまったお笑いを、映画作品で実践しているのではないでしょうか。

戦国時代の話なので、起こる出来事は殺伐としています。
そんな中でも随所に登場人物達によるコントの様なお笑い要素が入っています。
お笑いの部分は創作だと思いますが、意外と当時の武将たちも、生きるか死ぬかの日々の中で冗談を言い合っていたのかもしれません。
悲劇と喜劇は常に共にあるのかもしれません。

時代劇としては、有名な秀吉や信長、明智光秀周りの出来事なのでストーリー自体に大きな驚きはありません。
脇を固める武将たちは、私が知らない人物も結構いたので、映画を観た後でその武将たちについて調べてみることは面白かったです。

  • 荒木村重
  • 黒田官兵衛
  • 徳川家康
  • 服部半蔵

などは、この作品ならではの魅力が描かれていて、改めて興味を持ちました。

北野武もわりと良い年になっていますし、アウトレイジなどの過激な北野映画に抵抗が無い方は観たら楽しめると思います!

書籍

調べたら本(文庫)も出ているんですね。作品が面白かったので読んでみたいです。

首 (角川文庫)

Header: DanielによるPixabayからの画像

2023/12/12追記

客層について

私が訪れた時間帯は、土曜日の午後でした。

完全に見た目での印象ですが、いらっしゃっているお客さんは、私よりもわりと高齢の男性が多かったです。私が若い方でした。

女性は高齢の男性のつきそいで来ている方が多かった印象です。

歴史物で過激なシーンも多いので人を選ぶ作品だと思います。

満足度

85点/100点満点中

監督インタビューなどの動画

映画を見た後でYouTubeでこちらの完成披露会見の動画を観ました。

北野武監督が戦国時代を描こうとした理由:西島秀俊&加瀬亮&中村獅童&浅野忠信&大森南朋戦(映画『首』完成報告会見)

北野監督の考えや、役者陣の制作秘話などが聞けて面白かったです。