THE LAST SUMMIT |手作り本の製本手順(2024年5月版)

私のアーティストブック、「THE LAST SUMMIT」の製本手順を、以前本ブログに書いた時から更新したので、2024年版としてメモしておきます。

かなり特殊な、斜めに折る製本の手順ですが、本作りしている方の参考になればと思います。

主に本文ページの製本手順なので、カバーはできている前提です。

I have updated the binding procedures for my artist book, “THE LAST SUMMIT”, since I previously wrote about it on this blog, so I am making a note of them here for the 2024 version.

These are fairly unique binding procedures that involve folding diagonally, but I hope they will be helpful for anyone making a book.

These are mainly binding procedures for the main text pages, so it is assumed that the cover is already in place.

1. センタートンボで折り筋をつける

折り筋入れを一番はじめにおこないます。折り筋を入れる際は丸鉄筆を使っています。

丸鉄筆 小

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丸鉄筆だと、厚めの紙にもしっかりと折り筋を入れることができ、先が丸いことから紙が切れたりすることも無いので使いやすいです。

2.天地をトンボで切り落とす

天地のトンボをカッターナイフで切り落とします。

オルファ 大型カッター エックスハイパー L型 224BS

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3.折り筋に沿って折る

1.で入れた折り筋に沿って、ヘラを使って折っていきます。

4.糸を通す穴を開ける

千枚通しで穴を開けます。

SK11 千枚通し ステンレス針 アルミ柄 小 針長:約40mm SGN-5N

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5.扉と奥付を見返しに糊で接着する

ここではスティックのりを使っています。

トンボ鉛筆 スティックのり ピットハイパワー S 5個 HCA-511

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表/裏の見返しを扉と奥付に接着します。接着した後でこの折にも穴を開けます。

6.折丁の順番を整える

順番を間違えないようにデータに通し番号を振って印刷しています。

7.糸かがり綴じで折丁を縫っていく

リンクステッチという縫い方で縫っています。

針はカーブ針が使いやすいのでこれを使っています。絡まった糸をほどく時も使うので4本くらいあると便利です。

森川製針 カーブ針 2本 [22] CG206

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糸はこちらのダルマ糸を使用しています。

横田 ダルマ 家庭糸 手縫い糸 30番手 細口 100m巻 col.白 0115

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糸には蝋引き用のワックスをつけてから縫います。

手縫いワックス 25g 手縫い糸用 蝋引きワックス

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8.台紙を使い、小口をカッターで切り落とす

私の本は、半折丁ごとに小口を切る必要があるので、この段階で小口をカッターで切ります。

9.背を糊付けする(背固め)

MDF板で束を挟み万力で固定。

背を製本用の強力な糊で接着します。

SAIFUKU 製本のり 150g(2660-0001)

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10.カバーを接着する

カバーは、フエキノリと木工ボンドを水で溶いたオリジナルの糊で接着します。

その後、MDF版で挟んで1日ほど置いておきます。

11.完成

これで完成。

THE LAST SUMMIT 手製本のプロセス改善メモ(2023.04.04)

5冊製本しています。改善点のメモ

天地を切る前に斜めのスジ入れする

折トンボを入れているので、斜め線のスジ入れをしてから天地をカットするようにする。


外側になる折り(背の文字が見える箇所)だけ、山折側に入れる。

折って穴開けたら、張り込むページを糊づけ

張り込みページの糊づけはこのタイミングで。

小口カットは、鉛筆で点を打ち、目打ちで穴開けてから切る

穴に引っ掛けるようにしてカッターを入れるとズレにくい。

カバーの糊づけ

糊はゆるめにつくる

硬いほうが接着しやすいと思いがちだが、糊が伸びないと結局ムラになるなど、貼りづらくなる。

板紙の四辺、外側ほどしっかり糊を塗る

紙を巻き込んでいるので、板紙よりも糊が浸透しづらい。

また、貼った時に糊が弱いと剥がれが目立つので、四辺ほどしっかりと糊を塗る。

準備を完璧にしてから作業に取り掛かる

作業に関係のないものをしまう。

動線に何も置かない。

など、作業の準備を完璧にしてから、糊づけや製本の作業に取り掛かるようにする。作業が長くなるほど集中力が落ちるので不要なものなどが出ているとミスにつながりがち。

“THE LAST SUMMIT” Shu Watanabe’s Artistbook|渡部周写真集『THE LAST SUMMIT』

製本メモ(2022/07/20):カバーの糊付け手順を変更

カバーの糊付け、先にH1(H4)の面のみを接着し、重しを置く。
乾いてから折り込み部分を糊付けする方法に変更。

カバーに糊を塗り、ワックスペーパーを乗せ、その上からバレンでこすると印刷面が汚れない。
気泡が入らないようにしっかりとこする。
その後、間にワックスペーパーを挟んで積み、重しを乗せる。

乾いた後に折り込みだけを貼る作業をしてみたところ、表紙面がしっかり接着されていたので今回の方法の方がやりやすかったです。

一度に制作できる枚数も増えました。

本作りメモ(2022/7/13):糊の配合変更、カバーと見返しの貼り方

カバーの接着をしました。

のりボンドは、滑らかな方が塗りやすいので、

フエキのり:水

比率を

1:1.25

に調整。

これを混ぜたものに木工用ボンドを10~20パーセントの分量入れる。

カバーと見返しを貼る際、

表1→表4

の順で接着する。

カバーの背側に位置合わせ用に3mmの位置に鉛筆で線を引く。

カバーを貼り、見返し側からヘラでこすって貼っていく。

これまで、柔らかい布(メガネ拭き)でこすっていたが今回からヘラに変更。

見返しにワックスペーパーを挟むのを忘れ図におこない、板と万力で挟む。

カバーと見返しを貼るのに使用したヘラ