Illustrator「シェイプ形成」と「パスファインダー」、分割した際の精度に違いがある

Illustratorで重なった図形を手前の図形で切り抜く時などに使用している「シェイプ形成」ツールと「パスファインダー」ツール。

同じ使い方ができる別のツールという認識で使用していたのですが、精度に差が出るケースがある事が分かりました。

その違いを作例と共にご紹介します。

基本図形

作例

円を、幅を変えて重ねた図形です。

手前にある楕円で、奥にある正円を切り抜きます。

左の紺×青の方を「シェイプ形成」ツールを使用、右の黄緑×黄の方を「パスファインダー」ツールを使用します。

シェイプ形成ツール。解説をよく見ると「単純なシェイプの…」と書かれています。複雑な場合はNGなのか
「パスファインダー」全面オブジェクトで型抜き、を使います

切り抜き

それぞれの機能で切り抜きました。

三日月型の様な形が残ります。

すでに結果に違いが出ているのですが、見づらいので拡大します。

拡大

さらに拡大します。

この様に、シェイプ形成ツールを使用した方は、中央にスペースが空いてしまっています。

パスファインダーを使用した方は、中央の接点がしっかりとくっついています。

もちろん、正しいのはパスファインダーを使用したくっついている方です。

まとめ

このように、一見同じ事ができるツールにも思える「シェイプ形成」ツールと「パスファインダー」ツールですが、ものすごい細い線やオブジェクトなど、精度が求められる点においては「パスファインダー」ツールのほうが正確に作業ができそうです。

ツールの説明にも書いてありましたが、「シェイプ形成」ツールは単純な図形や、そこまで精度が求められない時に使用するのが良さそうです。

私も、場面によって使い分けようと思います。

データ作成環境:Illustrator 2022

Illustratorで、プロパティの変形パネルに数値入力が出来ない(テンキーが反応しない)場合の対処方法

Illustratorの授業の講師をしていた際に学生さんの作業中に起こった現象。

症状

プロパティパネルの「変形」の欄に、テンキーで数値入力しようとしても、数字が入力できない、という現象が何度か起きました。

テンキーの数字を押しても何も入力されないのです。

プロパティパネル

消費メモリが原因かと思い、Illustratorを再起動しても解消されません。

対処法

もしや、と思い、プロパティパネルではなく、ウィンドウから「変形」のパネルを表示させたところ、こちらにはテンキーで入力することが可能でした。

以前の記事でご紹介した、等間隔に整列で数値が入力出来ない時の対処法と同様ですね。

Illustratorで「等間隔に分布」のウィンドウに単位が表示されなくなる場合の対処法

ただのエラーだと思うのでAdobeさんには対処していただきたいです、、、、。

AcrobatからPDFを印刷すると、文字が一部消える現象が起こる際の対処方法

IllustratorやInDesignで制作したデザインデータをPDFに変換し、Acrobatからプリントアウトをする際に、テキスト部分で一部文字が消える現象が起こることがたまにあります。

データ上はきちんと表示されているのですが、仕事で使用しているインクジェットプリンターPX-S7050でプリントアウトをすると、いくつかの文字(漢字が多い)が消えてプリントアウトされてしまい、校正する際に辛い状況になってしまいます。

このようなデータをプリントアウトすると
主に漢字が消えてしまう

一時的に回避する方法が分かりましたのでご紹介します。

1.AcrobatでPDFファイルを開く

2.ファイル>プリント でプリントウィンドウを表示

3.プリンターの隣にある「詳細設定」ボタンをクリック

プリントウインドウの詳細設定をクリック

4.詳細設定ウィンドウの「画像として印刷」にチェック

画像として印刷をチェック

5.解像度を適宜変更(基本は300dpiで十分だと思います)

6.OKをクリックし、プリントウィンドウに戻り「印刷」

この手順で、PDFが全て画像として印刷されます。
テキスト部分も画像に変換されるので、文字が消える現象が起こりにくくなります。

今度からPDF印刷で文字消えが発生した際はこの方法で対処しようと思います。

参考:画面表示は正常な PDF ファイルを印刷すると一部の文字が欠けたり文字化けが発生する場合の対処方法(Acrobat/Adobe Reader)(2023/06/02アクセス)

Illustratorで「等間隔に分布」のウィンドウに単位が表示されなくなる場合の対処法

Illustratorで整列ウィンドウの「等間隔に分布」の機能を使っている際、ウィンドウに単位が表示されなくなることがあります。

整列ウィンドウ:通常時
このように単位が消えることがある

基本はmmで設定しているのですが、単位が表示されなくなると「1」と入力しても1mmの間隔にならず、非常に困ります。

調べてみたところ、バグのようです。。。

メモリ使用量が増加した時に起こることが多いそうで、Illustratorを再起動すれば治ることもあるそうですが、そうでない場合、整列ウィンドウではなくプロパティパネルの整列のエリアで指定するのが良いようです。

プロパティパネルの整列

プロパティパネルは近年登場したので、私はこれまであまり使っていなかったのですが、Adobe的にはプロパティパネルを今後も推していく方針のようなので使い方に慣れていきたいと思います。

参考:解決済み: 等間隔に分布の単位が表示されない – Adobe Support Community – 10847059(2023/06/02アクセス)

Illustratorファイルがどうしても開けない時に、フォント周りを見直したら解決した

他の人から支給されたIllustratorのデータが開かず、非常に困りました。

環境設定ファイルを削除しても変わらず。

セーフモードで開いたところ、データが開けたのでそこから原因を追求していきました。

開けたIllustratorファイルではフォントが見つからない表示。

これは、FontExplorer Xで管理をしているのでセーフモードではこのソフトを起動していないので、フォントエラーが出るのは納得。

ですが、もしや、フォント周りの不具合なのかも…?

と、考えセーフモードから戻り、通常モードでもフォントエクスプローラーを起動せずにイラレファイルを開いてみました。

すると…

ファイルが開けた!

しかし、フォントは非表示です。

このままでは困る…と思いつつ、考えをめぐらせました。

表示されない、フォントはモリサワパスポートのフォントなのですが、そもそもモリサワフォントはある時点からFontExplorer Xで管理するのをやめて、別フォルダで管理していたのでした。

もしや、フォントが重複していて、それがエラーの原因になっているのでは…?

FontExplorer Xの方にも過去に登録したモリサワフォントの情報が、ゾンビのように残っていました。

試しに、このフォント情報を削除したところ…

無事に開けました!

Illustratorファイルが開けない際は、フォント周りが原因となっていることもあるという事がわかりました。

同じような症状が起きている方は参考にしてください。