三菱一号館美術館『不在』展レビュー:ロートレックとソフィ・カルの魅力

三菱一号館美術館で開催中の再開館記念展覧会「『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」を訪れました。

再開館した三菱一号館美術館
歴史を感じる美術館
階段のデザインも趣があります

ソフィ・カルの展示は2020年に予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、今回ようやく実現しました。

会場の一部は撮影可能エリアもあり、写真とともにご紹介します。

トゥールーズ=ロートレック

ロートレックの作品は有名なので知っているつもりでしたが、生で見ると印象が全く異なります。

ドローイングのようなデッサンが多数展示されており、描写力の高さに見入ってしまいました。特に黒い影の部分の濃淡が、立体感を巧みに表現していて感嘆しました。

ロートレックの撮影可能エリア
ロートレックの名作!
手描きの文字もとても味わいがあります

ソフィ・カル

最近、現代美術に興味がある私にとって、ソフィ・カルの展示は非常にタイムリーな内容でした。以下、特に印象に残った作品をいくつかご紹介します。

ソフィ・カルの撮影可能エリア
右上の写真はカルのお母さん?。母についてのプロジェクト
カルが将来自分を埋葬する土地を買い、撮ったその場所の写真
棺桶の時計
自身の父の死の翌朝、悲しみが目の下にクマとなって現れた
こちらもカルの父の死にまつわる作品
父と母の死にまつわる作品

《海を見る》Voir la mer

初めて海を見る人々の表情を撮影したこのプロジェクト。彼らがどんな感情を抱き、どんな言葉を発したのか、想像が膨らみます。その表情だけでも心を揺さぶられる作品でした。

《あなたには何が見えますか》Que voyez-vous?

盗まれた絵画の額縁だけを展示し、その前で学芸員が語るという作品。人々を巻き込んで物語を紡ぎ出す手法が非常に印象的でした。

《監禁されたピカソ》Les Picasso confinés

コロナ禍でピカソ美術館が閉館していた際、紙で覆われたピカソ作品を撮影したシリーズ。その背後に隠されたピカソの存在を感じさせる手法と視点に圧倒されました。

《なぜなら》Parce que

テキストが刺繍された布をめくると写真が現れる作品。自分の頭で想像したイメージと現実の写真とのギャップが興味深い体験をもたらします。


トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル。時代や表現方法は異なりますが、どちらも刺激的な展示でした。ぜひ足を運んでみてください!

美術館の外や東京駅周辺はクリスマスムード満載でした!

展覧会情報

再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
会期:2024年11月23日(土)—2025年1月26日(日)
開館時間:10:00-18:00(祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20時まで)
※入館は閉館の30分前まで
※年末年始の開館時間は美術館サイト、SNS等でご確認ください
休館日:月曜日、 年末年始[12/31と1/1]
ただし、トークフリーデーの[11月25日・12月30日]と1月13日・20日は開館
会場:三菱一号館美術館
公式Webサイト:https://mimt.jp/ex/LS2024/

展覧会図録

こちらは本展(ロートレックの方のみ)の図録です。行きそびれた方や遠方の方は本書で展示の雰囲気を体験するのも良いかと思います。

「不在」トゥールーズ=ロートレック

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