東恩納裕一「un-unheimlich」at void +

現代美術家、東恩納裕一さんの個展「un-unheimlich/不気味でないモノ (- un–unheimlich unheimlich -)」を表参道のギャラリー、void +へ鑑賞に行きました。

以前から作品は知っていたのですが本格的な個展を観に行くのは初めてでしたが、有名な蛍光灯を用いた作品を実物で観る事が出来てとても面白かったです。

東恩納裕一さんの作品集

カトリーヌ・ロングリー(Katherine Longly)写真集公開プレゼン

RPS(Reminders Photography Stronghold)ギャラリーで開催されたこちらのイベントに行ってきました。

カトリーヌ・ロングリー(Katherine Longly)写真集公開プレゼンテーション

イベントの概要は以下のfacebookページをご覧下さい。

https://www.facebook.com/events/289655285040357/

印象に残ったコメントを箇条書きにしておきます。

-本の最後に自分の子どもの頃の写真を入れている事に関して

人の個人的なストーリーを聞いているので、自分のストーリーもオープンにしないとフェアじゃないと感じたから。

-編集で気をつけた事

パーソナリティの異なる10人が提供してくれた素材を一冊にまとめるので、本としての統一感に気をつけた。

-この本で伝えたかった事

人にとって食事はどのような役割を果たすか。

-表紙の綿飴は

「霞を食べる」というイメージをメタフォリカルなヴィジュアルで表現した。

-本作りのために五回も日本に来ているが、制作費用や渡航費はどうしたの?

最初の二回のダミー作成時はベルギー政府から援助金が出た。
それ以降は博物館の監視員など、アルバイトをして捻出。
本作りにかけた費用を合計すると計100万くらい。

トーク終了後の懇親会

会場には食品サンプルのようなキーホルダーが吊されたインスタレーションもありました。

Information

Artist:カトリーヌ・ロングリー(Katherine Longly)

Webサイト:http://www.katherine-longly.net/

写真集「To tell my real intentions, I want to eat only haze like a hermit」について

61部限定の写真集、残りわずか。売り切れ次第終了です

小松可奈子「KA-TE-I」展|人と人との繋がりを視覚化した編み物アート

私の大学時代の同級生、小松可奈子さんが現代美術家になっていました。小伝馬町のJINEN GALLERYで開催された個展「KA-TE-I」を観に行きました。

9年前に亡くなられたお母さんの遺した編み物を作家自身が編み足すことで目に見えない人と人との繋がりを可視化したプロジェクト。

会期中にさらに編み続けられているインスタレーション的要素もある編み物作品はとても見応えがありました!

かなり巨大な編み物
様々な糸が使われている
展示期間中に編み足され、形が変化していく作品たち
お母様の遺された編みかけのセーターを作家が受け継いで編んでいるという作品

Information

Artist: 小松可奈子 KanakoKomatsu:https://kanakokomatsu.jimdo.com/

レトロカメラ × CAMERAer「暗くて明るいカメラーの部屋」 at 横浜

横浜市民ギャラリーあざみので開催されていた『あざみ野フォト・アニュアル 平成30年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 暗くて明るいカメラーの部屋 Guest Curator 野村浩』という展示を観に行きました。

横浜市民ギャラリーあざみ野で毎年開催されている、横浜市所蔵のカメラ・写真コレクション展「あざみ野フォト・アニュアル」。

2019年は写真家・アーティストの野村浩さんをゲスト・キュレーターに迎えて開催されました。

野村さんの写真をテーマにした3コマ漫画作品のキャラクター「CAMERAer(カメラー)」が案内役となり写真の仕組みや面白さを再発見出来るような異世界感のある展示になっています。

私は以前から野村さんの作品が好きで他の会場での展覧会なども観ていたので今回の展示もとても興味深く観ることができました。

写真で会場の雰囲気をお伝えします。

美術館外観に掲示されていたポスター。長島有里枝さんの写真展も同時に開催されていました。

展示会場の2階に上がると垂れ幕と、早速気になる巨大な黒い家が。

展示はいくつかのテーマに分かれています。こちらは「影」がテーマ。「CAMERAer」のコミックのキャラクター「MANBUくん」のシルエットが。

黒い家に入ってみると。。。

カメラ犬のシルエットが!

黒い家の後ろにあるこちらの絵が、ピンホールカメラの原理で家の中に投影されています。家の中で見られる影はこちらのオリジナル絵に対して、上下左右が反転した絵になっています。

カメラとレンズの仕組みを実感できるインスタレーション!

カメラ犬。かわいいですね

壁の至る所に貼られている「CAMERAer」の3コマ漫画。文字が切り貼りされているのが昔の写植っぽくて雰囲気出ていますね。

18世紀のシルエット作品。

様々な変わり種カメラ。このカメラを構えている姿を写真に撮りたくなりそうですね。

こういった滅多に見る機会の無い古いカメラがたくさん展示されています。

ガンダムに出てくるモビルスーツ用のなデザインがかっこいい
鳩時計ならぬ鳩カメラ。軍の偵察用などに使用するのでしょうか
展示風景

自転車に設置されたカメラ。最初期のドライブレコーダーのような物ですね。この自転車を上手く漕ぐのが難しそうです。

LeicaやPolaroidなど、今でも人気のあるブランドのレトロカメラ。

スパイ用のカメラたち。直方体の辞書の様なカメラが珍しい!
「コダック・マッチボックスカメラ」などの超小型のカメラ
写真館で使われている様な大判カメラ

ドライフラワーで飾られた肖像写真。当時は写真の周りを様々なオブジェで装飾する文化が一般的だったようです。

立派なアルバム。鏡などもついている表紙の素材感がド迫力!

多眼カメラとそれを使用して撮影された写真。現在のスマートフォンで採用されている多眼カメラの発想はすごく昔からあったようです。

ブリキ板に写真を写す「ティンタイプ」という技法で撮影された肖像写真。

アルバムもとても小さくてミニチュアみたいでかわいい
展示風景

様々な双子の写った写真。双子という被写体は昔から写真家に取ってとても興味を惹くテーマのようです。

まるでバズーカのような超望遠レンズ
テーマ「鏡」の展示風景

ステレオグラムになっているカラー写真。実はこちらカラーフィルムが生まれる前の時代の物。なぜカラーになっているかは裏側に回ると。。。

なんと水彩絵の具で直接彩色されています!

様々な2眼カメラ

壁に展示されているのは野村浩さんの作品「Doppelopment」。自身の一人娘を合成・加工して写真の中だけに存在するもう一人の娘を撮影したシリーズ。こちらの作品もとても好きです。

展示風景
昔の手鏡
テーマ「ステレオ」。キャプションのフォントも独特なデザイン

パノラマ写真のコーナー。

「万里の長城」。パノラマ写真にぴったりの被写体で迫力抜群でした
パノラマ撮影用のカメラたち
左に見える宇宙船のようなカメラが、とてもかっこよくて気になりました
テーマ「宇宙の暗箱」

以下は野村浩さんによる映像の作品。

古い写真の前にいるMANBUくん。背景の写真ははっきり見えていてMANBUくんの輪郭はボケています。奥にピントが合うと手前にあるオブジェクトがボケるというカメラの被写界深度の仕組みを応用したとても面白い映像!

構造としては2枚の絵が重なっているだけなのでものすごく平面的なはずなのですが、カメラや写真の仕組みを脳が認識してしまっているので空間を感じます。

MANBUくんの見え方は変わらず、奥の写真がズームイン・アウトなどするので見ているこちらの遠近感覚が揺さぶられます。

さらにこの映像にはスクリーン自体に仕掛けが….

実はスクリーンが蓄光シートになっていて、スライドが切り替わる際に直前のイメージが残像の様に残る様になっています。

自分の脳に刻まれたイメージを見ているようで面白い!

映像の部屋の外にある写真の残骸

大変珍しいレトロなカメラと、野村さんのキュレーションによる写真の仕組みを体験させるような仕掛けがとても上手く組み合わされていて大変見応えのある展示になっていました。

来年も開催されるようでしたら、次回はどのようなアーティストとコラボレーションするのか楽しみです。

館内の案内も野村さんのデザインになっていて、楽しく回れました。

サービス精神たっぷりの野村さんによるお土産もたくさん販売されていました。私が購入したのはこちら↓

CAMERAerに登場するキャラクターのキーホルダー。大きくて満足感がありました。


information

あざみ野フォト・アニュアル 平成30年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 暗くて明るいカメラーの部屋 Guest Curator 野村浩

展覧会webサイト:https://artazamino.jp/event/azamino-photo-20190126-collection/

作家:野村浩(Hiroshi Nomura) http://www.exdora.jp/

渋谷スクランブル交差点でソフィ・カルの4画面ジャックインスタレーションを鑑賞

2019年2月6日から2月9日まで、0時〜1時の時間帯で渋谷スクランブル交差点を4画面ジャックしたソフィ・カル(Sophie Calle)の映像作品『Voir la mer(海を見る)』を観てきました。

直前まで賑やかなスクランブル交差点が作品上映が始まり波の音が流れるとスッと静かになったのが印象深かったです。

映像を観に来た人ばかりではなかっただろうに何か「静かにしないと」と思わせる力があったのではないでしょうか。

周囲の空間や周りの人のリアクションも含めてインスタレーションの醍醐味なのだと感じました。