[映画感想]「運び屋」クリント・イーストウッド/家族愛と長生きした者ならではの人生の後悔を描いた作品

クリント・イーストウッド監督/主演の映画「運び屋」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
感想を書いていきます。
※多少ネタバレありますので、お気をつけください。

PrimeVideoは配信停止の可能性もありますのでご注意ください。

基本情報

監督:クリント・イーストウッド
出演者:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシア
公開年:2018年

あらすじ

アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金もなく、孤独な90歳の男。商売に失敗し、自宅も差し押さえられかけたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられる。それなら簡単と引き受けたが、それが実はメキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だということを彼は知らなかった…。

運び屋 – 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

印象的なシーンや演出

作品の後半になりますが、イーストウッド演じるアールが、これまで蔑ろにしてきた家族、特に娘に対して「これまでの自分は間違っていた」という事を懺悔するシーンです。
90歳で、残りの人生も短いであろうアールが「これまで間違っていた」と認識してしまうこと、その壮絶な後悔が非常に胸を打ちました。
それに対しての娘の言葉も、とても印象に残りました。何を言ったかはぜひ作品で見ていただきたいです。

音楽としては、アールが車の運転中に歌う歌が印象に残りました。彼(イーストウッドも含む)の中での古き良きアメリカ、を象徴しているように感じます。

キャラクターの魅力

主人公であるアールは、物語の始めで、様々な人にナチュラルに暴言を吐き「クソジジイ」と言われるのですが、正にそう言いたくなる、イーストウッドの演技が光っていました。
麻薬カルテルの組織の人間も、悪いことをしているのですが、どこか憎めなさもあり、人間性を感じさせる描写になっていました。

テーマやメッセージ

作品の大きなテーマとしては家族愛があると思います。
個人的には、長生きした人だからこそ抱えている「これまでの人生への後悔」も描いていると感じました。
登場する人物たちは、その時々のシーンでは正しいことをおこなっていると思うのですが、それが、後悔にも繋がっているように感じます。

評価

満足度:75点/100点満点中

イーストウッドの映画はこれまでも、ミリオンダラー・ベイビー、硫黄島からの手紙、グラン・トリノ、などわりと観ています。
リアリティとしては間違っていないのですが、さすがに、主演のイーストウッドのお年寄り感があり、車を運転しているシーンなどでも心配になってしまいました。
主演は年齢の設定は良しとしても、イーストウッドでなくても、もう少し若い人を使っても良かったのではないかと。
北野武の「首」でたけしが秀吉役をやっていたときも同じ気持ちになりました。

なんとなく、イーストウッド自身も何か後悔があり、それが自分を主演にすることで出過ぎているように感じてしまいます。

本業でうだつが上がらない高齢男性が麻薬と関わって、能力を発揮する物語としては、どうしても「ブレイキング・バッド」が連想されてしまうので、あちらが長編ドラマの上、超名作のため、独創性を感じさせるのは難しい印象です。

麻薬カルテルが登場するとどうしても殺伐とした銃撃シーンがありそう、と思ってしまいますが、過激なシーンはそこまで多くないので、ある意味では見やすいと思いました。

おすすめの観客層

家族愛について考えたい人。
クリント・イーストウッド監督作品のファンの人。

総括

あまり期待しすぎずに観ると満足できる作品だと思います。

注意点や補足事項

人が死んだりするシーンは過激さはないですが、あるにはあるので、苦手な方は気をつけてください。

Header: OlgaによるPixabayからの画像

PrimeVideoは配信停止の可能性もありますのでご注意ください。
映画『運び屋』予告編

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