小説『宙わたる教室』感想|多様性×成長を描く定時制科学部の挑戦

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伊与原 新さんの小説『宙わたる教室』を読みました。感想をご紹介します。

本作は定時制高校の科学部に集う生徒を描いたオムニバス物語です。

あらすじ

東京・新宿にある都立高校の定時制。
そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。

負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。
子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。
起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。
中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。

「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、
理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、
学会で発表することを目標に、
「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。

Amazonより引用

面白かった点

定時制という特徴上、年齢や性別、国籍などが多様な学生が登場します。科学部にもさまざまな生徒が集まり、そこでは軋轢も生じますが、その分ドラマ性を強く感じました。

自分の境遇や学力にコンプレックスを抱える学生が多い一方で、物語を通じて自分の良い面を発見していく様子が印象的です。エリートのための科学ではなく、生活に結びついた科学の知見が得られる点も興味深かったです。

オムニバス形式のため、エピソードごとに主人公が変わる点も新鮮でした。どのキャラクターも弱さと魅力を兼ね備え、人間味あふれる存在としてとても魅力的でした。

最後のエピソードでは、科学部の全員が藤竹先生と共に学会で発表するという集大成的な内容になっており、藤竹先生の過去も明かされることで物語が収束し、カタルシスを感じました。

イマイチだった点

私自身が文系出身ということもあり、科学の仕組みの説明がやや難しく感じられました。

まとめ

知識と勇気の大切さを学べる作品です。読書感想文コンクールの課題図書に選ばれているのも納得で、子どもに読んで欲しいと思いました。ドラマ化もされているようなので、ぜひ視聴してみたいです。

オススメ度

8.3/10点

学生さんなど、若い方に読んでいただきたい小説です!

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