「インターメディアテク」レポート|まるでノアの方舟!東京駅直結・無料で楽しめる博物館

先日、東京駅丸の内口直結のKITTE内にある、東京大学総合研究博物館「インターメディアテク」へ行ってきました。今回はその感想と、館内の雰囲気が伝わる写真を交えつつレポートします。

インターメディアテクとは?

インターメディアテクは、日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営する施設。
2013年3月にJPタワー内にオープンし、東京大学が1877年の開学以来蓄積してきた学術標本を常設展示しています。

私が感じた見どころ

圧倒的な標本コレクション

様々な動植物の標本がずらりと並び、その数や多様性は海外の大規模歴史博物館にも勝るとも劣りません。まるで「ノアの方舟」のように、多種多様な生物が一堂に会している様子は圧巻です。

ダイナミックな展示空間

天井高があり、歴史を感じさせる什器(じゅうき)を用いた展示構成は、巨大な標本箱の中に入り込んだかのような臨場感があります。実物大の大型生物の骨格標本は、そのスケール感で思わず足を止めてしまう迫力です。

アクセスの良さと入場料

  • アクセス:東京駅丸の内口から直結。雨の日でも濡れずに行ける利便性が大きな魅力です。
  • 入場料:無料!これほどのクオリティの展示を、どなたでもお気軽に楽しめます。

年代や専門を問わず楽しめる内容なので、学生さんやご家族連れにもおすすめです。

フォトギャラリー

以下は館内で撮影した一部の写真です。雰囲気や展示のダイナミックさをぜひご覧ください。

常設展示

企画展示

まとめ

インターメディアテクは、東京駅直結の好立地かつ無料で楽しめる、隠れた名スポット。
「ノアの方舟」のように多彩な生物標本が並ぶダイナミックな展示空間で、新たな発見と感動を味わえます。

この記事を読んで気になった方は、ぜひ一度足を運んでみてください!きっと驚きとワクワクが待っています。

施設情報

インターメディアテク

  • 住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE(JPタワー)2・3階 。
  • 営業時間:通常11:00~18:00(金・土曜は20:00まで開館) 。*上記時間は変更の場合あり。
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休)、年末年始ほか 。
  • 入館料:無料 。
  • 公式サイト:インターメディアテク公式サイト(https://www.intermediatheque.jp) 。最新の開館情報や展覧会案内も公式サイトで確認可能。
  • 最寄り駅・路線:JR「東京」駅(丸の内南口)、東京メトロ丸ノ内線「東京」駅(地下道直結)、東京メトロ千代田線「二重橋前(丸の内)」駅 。
  • アクセス:JR東京駅丸の内南口から徒歩約1分 で直結している。丸ノ内線東京駅へは地下通路で直結、千代田線二重橋前駅(4番出口)から徒歩約2分 。
  • その他:展示物保護のため館内は飲食・喫煙禁止で、傘や大きな荷物はロッカーへの預け入れが必要 。展示室内での撮影は原則可能だが、動画撮影・フラッシュ使用・三脚利用は禁止されている。

参考資料公式サイト千代田区観光協会情報 など。

「オーブリー・ビアズリー展」at 三菱一号館美術館〈感想〉|繊細さと鬼気迫る筆致に圧倒

三菱一号館美術館で開催されていた、オーブリー・ビアズリーの個展「異端の奇才―ビアズリー」を観に行ってきました。とても混雑していて、改めて彼の人気の高さを感じました。

名作を生で観ることができたのは本当に良かったです。特に晩年の作品は描写の精緻さが凄まじく、鬼気迫るようなクオリティでした。

病とともに歩んだ創作の日々

ビアズリーはわずか7歳のときに結核を患い、病と闘いながらも仕事をし、その合間の夜に蝋燭の明かりを頼りに絵を描くという日々を送っていました。

彼の作品の力強さや繊細さは、こうした背景を知ることで、より深く感じ取ることができます。

線と点でつくる立体感

晩年の作品で特に印象に残ったのは、細い線の集積や、輪郭線を点描で描くことで立体感を生み出している点です。

遠くから見ると黒ベタ塗りに見える人物の髪も、近くで見ると細い線で髪の流れが丁寧に描かれていて、驚くほど立体的に見えました。

オスカー・ワイルドと時代の価値観

一緒に仕事をしていたオスカー・ワイルドが同性愛を理由に逮捕され、それによりビアズリー自身も職を失ってしまいます。

同性愛というだけで捕まってしまうというのは、現代の価値観では信じがたいことです。時代の厳しさと、それに翻弄される芸術家たちの姿が胸に残りました。

不本意な仕事と、アーティストの苦悩

その後、ビアズリーはやりたくもないポルノ誌の仕事をして生計を立てていた時期もありました。

このあたりのエピソードは、現代のアーティストにも通じるような、普遍的な苦悩や葛藤を感じさせます。

作品だけでなく、人生にも惹かれる展示

今回の展覧会では作品そのものはもちろん、ビアズリーの人生についても深く知ることができた点がとても良かったです。

また、彼とゆかりのある作家の絵画や工芸品も展示されており、展示内容はバラエティに富んでいました。

建物の美しさも一見の価値あり

三菱一号館美術館は、展示そのものも素晴らしいのですが、何より建物自体が歴史ある佇まいで美しく、展示以外でも館内を巡る楽しさがあります。

グラフィックデザイナー目線の発見

これまでビアズリーの絵画作品はネットや書籍で目にすることが多かったのですが、今回はポスターデザインなど、これまで観たことのなかった印刷物の展示もありました。

イラスト原画とは異なる魅力があり、原寸の大きなサイズで見ることができて、グラフィックデザイナーである私にとっては非常に刺激的な体験でした。

ビアズリーのポスター作品。初めて観ました

会場写真

展示会場には撮影OKのエリアがありましたので、そこで撮影した写真をご紹介します。展覧会の雰囲気を感じ取ってください。

最後に:より深く知りたくなったビアズリーの世界

前々からビアズリーの作品は好きでしたが、今回の展示を通して、その人間性や人生も含めて、より深く惹かれるようになりました。

展覧会はすでに終了していますが、興味のある方はぜひオーブリー・ビアズリーについて調べてみてください。彼の作品と生き方には、今の時代にも通じる魅力があります。

展覧会情報

異端の奇才―ビアズリー
会期:2025年2月15日(土) – 2025年5月11日(日)
会場:三菱一号館美術館
https://mimt.jp/ex/beardsley/

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【展覧会】グラフィックデザインの潮流を体感!「TDC 2025」展レポート at ギンザ・グラフィック・ギャラリー【タイポグラフィ】

先日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「TDC 2025(TOKYO TYPE DIRECTORS CLUB EXHIBITION 2025)」展を訪れました。本展は、2024年度の優れたタイポグラフィ作品が一堂に会する展覧会です。

見どころ

  • 実物の質感を楽しめる
    ポスターなどの実物作品を見ることで、紙質や印刷の質感など、実物ならではの迫力を体感できます。
  • 海外デザイナーの作品展示
    海外の優れたグラフィックデザイナーの作品が多数展示されており、日本ではなかなか触れられない異文化のデザインに触れることができます。これにより、非常に良い刺激を得ることができました。
  • パッケージデザインの充実
    お菓子の箱など、パッケージデザインも多く取り上げられており、立体の作品は見応えがあります。
  • デザインの潮流が見える
    私自身、毎年ではありませんが定期的にこの展覧会を訪れており、継続して見ることで、グラフィックデザインの流行や変遷を感じ取ることができます。

展示の様子

以下は、会場で撮影した写真の一部です。実際の展示の雰囲気や作品のディテールをぜひご覧ください。

1階

ブックデザインの受賞作。実際に本を手にとって読むことができます

こちらの本は印刷が素敵でした。文字は銀のインクで刷られているようです。

写真もキラキラと光っています。

こちらの本は蛍光色の紙の使い方が非常に上手でした。

こちらは建築の本。

建築図面をリソグラフのような多色の特色で印刷しています。

通常では地味になりがちな図面のページが非常にカラフルで、ポップな印象になっています。

文字ページもカラフルで楽しげです。

この写真集は文字の入れ方や写真と文字の配置が独特で、参考になりました。

リズムを感じるタイポグラフィ。

ノンブルの位置も絶妙です。

こちらは作品集。

素直に、作品が美しいと感じました。印刷も美麗!

舟山貴士さんによる書体「しゅうれん かな」。美しい!

レコードジャケットなどもあります。

京都名物、西尾の八つ橋パッケージデザイン。

地下1階

まとめ

グラフィックデザインやタイポグラフィに興味がある方には、必見の展示です。もし機会があれば、ぜひ会期中に足を運んでみてください。

展覧会情報

  • 会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
  • 住所:〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 1F/ B1F
  • 会期:2025年4月4日(金)ー5月17日(土)
  • 開館時間:11:00am-7:00pm 日曜日、4月29日、5月3日-6日休館 入場無料

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下町の魅力再発見!リニューアルした『したまちミュージアム』でタイムスリップ体験

東京都台東区にある「したまちミュージアム」を先日訪れました。元々「下町風俗資料館」として親しまれていたこの施設は、上野公園内・不忍池の脇に位置し、改装工事を経て2025年3月に「したまちミュージアム」としてリニューアルオープンしました。

魅力的だった点

  • 下町の歴史に触れる展示
    下町由来の資料や、生活道具、玩具の実物が展示され、当時の生活様式が感じられました。
  • 昭和30年代の下町再現
    館内では昭和30年代の東京・下町の街並みが再現され、まるでその時代にタイムスリップしたかのような体験ができました。
  • 実際に体験できる住宅模型
    住宅模型に実際に入って、当時の住環境を肌で感じられるのは特に印象的でした。
  • 大型スクリーンによる映像展示
    大型スクリーンを使った映像展示が、視覚的に下町の歴史を豊かに伝えてくれました。
  • 美しくリニューアルされた館内
    改装により館内はとてもきれいになり、展示品が一層引き立っていました。
  • 昔ながらの遊びの体験
    けん玉など、懐かしい昔の遊びを実際に体験できるコーナーもあり、子どもから大人まで楽しめる工夫が感じられました。

改善を望む点

  • 外国人観光客向けの案内表示の不足
    多くの海外からの観光客も訪れていましたが、案内表示が日本語のみの箇所が散見され、外国人にとっては分かりにくい部分があったように感じました。多言語対応が進むと、より多くの方に楽しんでもらえるのではないかと思います。

それでは、館内の雰囲気を感じられる写真をご紹介します。

館内写真

1階

1階には昭和30年代の東京下町の街並みが模型で再現されています。

住宅内には靴を脱いで上がることができます

2階

2階には歴史を学べる展示のようになっています。

3階

3階には昔の玩具で遊べるコーナーもありました。

まとめ

今回のリニューアルで新たな魅力を手に入れた「したまちミュージアム」は、下町の歴史と文化を体験できる貴重なスポットです。

下町の風情を感じながら、懐かしさと新しさが共存する魅力的な空間をぜひ体験してみてください。

施設情報

  • 開館時間:9時30分から16時30分(入館は16時00まで)
  • 休館日:月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、12月29日から1月3日、特別整理期間等 ※詳細はWebページをご確認ください(https://www.taitogeibun.net/shitamachi/
  • 入館料:一般300円(200円)、小・中・高校生100円(50円) ※入館料( )は20名以上の団体料金

【庭園美術館】「戦後西ドイツのグラフィックデザイン」展で出会うモダニズムポスターの美【レポート】

庭園美術館の入場と施設について

東京都庭園美術館で開催された「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」を訪れました。久しぶりの庭園美術館でしたが、今回は事前予約制(入場時間指定)となっており、下記の公式サイトから前売り券を購入して入場しました。

東京都庭園美術館|公式オンラインチケット(予約)
https://www.e-tix.jp/teien-art-museum/

当日は予定時刻の15分前に到着しましたが、スムーズに入館できました。また、館内のロッカーは100円硬貨が必要なので、事前に用意しておくと便利です。庭園美術館は、展示だけでなく建物自体も非常に見応えがあり、美しい空間の中でアートを鑑賞できるのが魅力です。

展示内容と印象的だった点

本展示では、戦後西ドイツのグラフィックデザインがどのように発展していったのかを、ポスターを中心に紹介していました。作品は以下の4つのカテゴリーに分類されており、この構成が非常に分かりやすかったです。

  • 幾何学的抽象
  • タイポグラフィ
  • イラストレーション
  • 写真

この分類によって、デザインのアプローチや特徴を明確に比較しながら鑑賞できました。また、初めて知るデザイナーの作品も多く、自分の知見を広げられた点も大きな収穫でした。

さらに、ポスターだけでなく、パンフレットやチケットなどのステーショナリー類も展示されており、実物を間近で見ることでサイズ感や印刷の美しさをより実感できました。

展示の写真

会場は、基本的には写真撮影禁止なのですが、2箇所の部屋のみ撮影が可能でした。

そこで撮影した写真をご紹介しますので、どのような展示か参考にしてください。

オトル・アイヒャー

ドイツのグラフィックデザイナー、オトル・アイヒャーが手掛けた1972年のミュンヘンオリンピックにまつわるポスターのコーナー。

キールウィーク

ドイツで毎年夏に開催される世界最大のセーリング・フェスティバル「キールウィーク」にまつわるポスターのコーナー。

このコーナーは初めて見る作品が多く、非常に面白かったです。

シンプルなデザインのポスター
パンフレットなど

新館へ

新館へ向かう渡り廊下。天気が良い日で非常に気持ちよかったです。

イラストレーション

新館では、イラストレーションと写真のカテゴリーが紹介されています。まずはイラストレーションコーナーから。

T2というシェービングクリームの広告。展示の最後にあるキュレーターの方の動画では、この作品が本展の中でも特に重要なデザインだと感じている、とのことでした。

男性のシルエット、T2の商品名がシェービングクリームのようにデザインされています。確かに秀逸!

映画のポスター。日本映画のものもあります
テレビ局のステーショナリーデザイン。素敵です

写真

最後は写真のコーナー。私自身、写真という表現が好きなので非常に面白かったです。

模様の入れ方、勉強になります
明暗の使い方が面白い

まとめ:デザイン好きには必見の展示

今回の展示では、デザインの教科書や資料集でよく見かける有名なポスターから、普段あまり目にする機会のない貴重な作品まで、多彩なグラフィックデザインを鑑賞できました。

グラフィックデザインに興味のある方にはぜひ訪れてほしい展示です。西ドイツのデザイ

ンの特徴や、戦後のグラフィック表現の変遷を知ることができ、非常に有意義な体験となりました。

イベント公式サイト

戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見 | 東京都庭園美術館
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/250308-0518_backtomodern/