タイプデザイナーの小林章さんによる著書『欧文書体 基礎知識と使い方』を購入しました。タイポグラフィの勉強になる、非常に良い本でしたので、感想をご紹介します。
本の概要
本書は2005年に刊行された『欧文書体 その背景と使い方』を改訂したものです。私自身、旧版を愛読しており、デザイン業務に役立つ書体知識を多く得られた経験があります。今回、改訂版が出ると聞いて楽しみにしていました。
フォント基礎知識の解説
セリフ体、サンセリフ体、ステム、ボウル、カウンター、などの文字にまつわる用語解説がしっかり載っており、基礎から学べます。
↑文字の曲線の部分を「ボウル(bowl)」と呼ぶ
私がよく悩む、イタリック体の使い方について詳細に解説されていて、実務でもすぐ役立てられそうだと感じました。

定番書体紹介
旧版までは、セリフ体とサンセリフ体が同じくらいのボリュームでしたが、改訂版は今の時代に合わせて、サンセリフ体が豊富に紹介されています。

Web デザインや映像でもよく見かける書体が多く、時代のトレンドを反映していると感じました。
系統立てた書体紹介
「ゴシック様式」「ルネサンス」「バロック様式」など、歴史の流れに沿って適したフォントを順序立てて解説されています。
美術史の勉強にもなり、興味を以て読むことができました。

国別書体紹介
イギリス、ドイツ、フランスなど、国ごとによく見られる書体を写真付きで紹介しています。
街中の看板や食品パッケージなど、実際の使用例写真が豊富に掲載されており、理解が深まります。
まるで各国を旅行している気分にもなり、ワクワクしました。
↑ロンドンの交通システムで用いられているJohnston書体
↑ブラックレター書体が使われているドイツの駅名看板
テクニカルな内容
デザイン時に悩む「合字」の使い方や「スクリプト体」の美しい組み方も紹介。

スクリプト体コーナーでは、大文字や文末の文字を同系統の別フォントに変えるだけで、まるで手書きのような美しい文字組みが実現できるテクニックが紹介されていました。私には全く思いつかない手法でしたので、感動しました。

スペーシングの解説
文字と文字の間のスペーシングについてもしっかり解説されており、デザイン初心者にも分かりやすい内容です。

まとめ
『欧文書体 基礎知識と使い方』は内容が非常に充実しており、読み込むほどに書体への理解と運用スキルが向上する予感があります。文字を扱うデザイナーやタイプデザイナーを目指す方には必携の一冊と言えるでしょう。
この記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください!







コメント