美大の推薦入試で持っていくポートフォリオは、「見た目が良いこと」と「学校や印刷所に出せる正しいデータであること」が両方大事です。
「Illustratorは高くて無理…」という人、心配いりません。無料のツールをいくつか組み合わせれば、予算をかけずに見栄えの良い、入稿にも耐えるポートフォリオが作れます。高校生本人はもちろん、サポートする保護者の方にもわかりやすいように、できるだけ丁寧に書き直しました。
結論
- ロゴや線画はInkscape(無料のベクターソフト)で。文字はアウトラインにしておくと安心。
- 写真の色直しはPhotopeaやGIMP / Kritaで。ブラウザで手早くできるPhotopeaは便利です。
- ページを並べるのはFigma / Googleスライド / Canvaで。操作が簡単なGoogleスライドやテンプレが豊富なCanvaは初心者に優しいです。
- 最後はPDFで保存。印刷するなら写真は300ppiくらいを意識しましょう。
どれも無料プランで始められます。
それぞれのツールの特徴
- Inkscape:ロゴや文字をビシッと作るときに使う。
- Photopea / GIMP / Krita:写真の色を直したり、細かいレタッチをするときに使う。
- Figma / Googleスライド / Canva:ページをレイアウトして並べるときに使う。
なんで複数ツールを使うの?
一つの無料ソフトで全部完璧にやろうとすると大変です。得意なことごとにツールを分ければ効率的で、仕上がりもぐっと良くなります。ポイントは「作る・整える・並べる」を分担すること。
具体的な作り方(初心者向けステップ)
A4サイズで10ページくらいのポートフォリオを作るイメージです。
- ラフ作り(紙でもOK)
- 紙にざっと描いたらスマホで撮影。写真で管理すれば後で置き換えやすいです。
- 写真の補正(Photopeaなど)
- 明るさや色味を整えて、見せたい部分がはっきり見えるようにします。ブラウザでできるので学校のパソコンでも使いやすいです。
- ロゴや線画(Inkscape)
- 拡大してもガタつかないベクターで作り、完成したら文字をアウトライン(パス)にしておくとフォントトラブルを防げます。
- ページを並べる(Figma / Canva / Googleスライド)
- 画像とロゴを配置して、説明文やキャプションを入れます。テンプレを使いたいならCanva、ページ管理をきちんとしたいならFigmaがおすすめ。
- 書き出し(PDF)
- 最終はPDFでまとめて保存。印刷する場合は写真を300ppiくらいにしておくと安心です。
- 最終チェック
- 別のPCでPDFを開いて、文字やレイアウトが崩れていないか確認しましょう。
提出前のかんたんチェックリスト(保護者の方にもおすすめ)
- フォントは埋め込み済みか、アウトライン化しているか?(文字が別のPCで崩れないように)
- 写真の解像度は十分か?(印刷なら300ppiを目安)
- 塗り足しが必要なら余白を確保しているか?(学校や印刷所の指定を確認)
- Canvaなどで使った素材に有料素材が混ざっていないか?(出力時に購入画面が出る場合あり)
よくある質問
Q. Googleスライドで作っても大丈夫?
A. スクリーン提出や学校へ送るPDFなら問題ないことが多いです。ただし、Googleスライドからそのままダウンロードすると画像が圧縮されることがあるので、画質が気になる場合は「印刷→PDFとして保存」などの別の方法を試すのがおすすめです。
Q. 色の管理(CMYK)は無料ツールでできる?
A. 完璧なCMYK校正は難しいことがあります。厳密な色合わせが必要なら、印刷所の指示をもらって、そのテンプレートに合わせて調整するか、近くの印刷所に相談してみましょう。
最後に
まずは「やってみること」が一番大事です。ツールの操作は慣れれば早くなりますし、最初はシンプルな構成で作っておいて、余裕があれば見せ方を改善していけばOK。保護者の方は、まずは子どものやりたいことをサポートしてあげてください。
いいですね!最後に入れるまとめとして自然に読めるように、文を少し整えました。語尾や表現をやわらかくして、高校生や保護者にも読みやすくしています。
Illustratorを契約することも視野に
より高度なデザインをしたい場合は、有料にはなりますが Adobe Illustratorを受験前の期間だけ契約する という選択肢もあります。
予算はかかりますが、デザイン系の学科を志望するのであれば、入学後にほぼ必ず使うソフトなので、受験をきっかけに操作を覚えておくことは決して無駄になりません。
また、学生であれば 学生版プラン(月額2,780円) が利用でき、IllustratorだけでなくAdobeの他のクリエイティブソフトも使えるため、とてもお得です。
ポートフォリオで最も大事なこと
ポートフォリオのデザインももちろん大切ですが、何よりも大事なのは 「作品そのものの良さ」 です。
どれだけ装飾的なデザインが素晴らしくても、肝心の作品の質が伴わなければ本末転倒になってしまいます。まずは 掲載する作品の質と量を高めること に力を注ぎましょう。
また、立体作品を載せる場合は 作品写真の撮り方 が重要になります。あとでレタッチすることはできますが、撮影の時点でできるだけ良い状態にしておくことが大切です。ライティングや背景にこだわり、後から補正に頼らなくても映える写真を撮ることを心がけてください。


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