関東大震災の混乱の最中で起きた朝鮮人虐殺事件について、最近はじめてその詳細な内容を知り、衝撃を受けました。震災から100年が経とうとしている現在、この事件のさらなる詳細や、なぜこんなことが起きたのか?が非常に気になり、リサーチをしています。
先日、東京都墨田区八広にある「ほうせんかの家」と「関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」を見に行きました。
その様子を写真でご紹介します。
「ほうせんかの家」とは?
関東大震災時に起きた、自警団・警察・軍隊による韓国・朝鮮人虐殺の調査をしている一般社団法人ほうせんかによる資料館兼交流の場所です。
「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」の方々が主に関わられているようです。
毎週土曜日の13時から17時まで、追悼碑のある庭の隣の家を「ほうせんかの家」として開放しています。
私も2月の土曜日に急遽お邪魔したのですが、快く入れていただきました。






荒川放水路の調査をする中で、関東大震災朝鮮人虐殺事件を知り、「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し慰霊する会(のちに「~を追悼する会」)の初代代表となった絹田幸恵さん




証言や資料から事件の現場をまとめたマップ。すごいリサーチです。













韓国料理をつくるワークショップなども行われていたようです。
「ほうせんかの家」は、虐殺事件を風化させないという目的だけでなく、韓国文化を知ってもらうための交流の場所としても機能しているとのことで、それがとても素敵だと感じました。

気になった資料
「ほうせんかの家」にはたくさんの資料がありましたが、以下のものが特に気になりました。
関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言
ほうせんか理事の西崎雅夫さんが集めた証言をまとめたもの。オリジナルと普及版があり、現在普及版の方は手に取りやすい価格で販売されています。


関東大震災時の朝鮮人迫害—全国各地での流言と朝鮮人虐待
日本史学者の山田昭次さんによる著書。
震災が起きた東京以外の地域で、本件がどのように報道されたかをまとめた本。

関東大震災朝鮮人虐殺—写真報告
フォトジャーナリストの裵昭さんによる写真集。
荒川での試掘調査の写真などが収録されています。

羊の怒る時
小説家、江馬 修が関東大震災での体験を綴った記録文学。

TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち
フリーライター加藤直樹さんの著書。朝鮮人虐殺を否定する意見について一つ一つ丁寧に検証し、虐殺否定論がいかに間違っているかをを述べている本です。

加藤直樹さんの本では、『九月 東京の路上で』というブログをまとめた本がとても有名です。私もほうせんかにうかがうまえにこちらの本を読み、衝撃を受けました。
関東大震災の朝鮮人虐殺事件について知るための入門書ともいえる一冊です。
九月、東京の路上で—1923年関東大震災ジェノサイドの残響
隠された爪跡—関東大震災朝鮮人虐殺記録映画
呉充功(オウ・チュンゴン)監督による映像作品。
DVDなどになっておらず、イベントなどで上映される時のみ見られる作品のようです。
非常に見てみたいです。。。


追悼碑
正式名称は「関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑」。
ほうせんかの家の隣に立てられています。









ほうせんかの家では理事の方に色々教えていただきました。
とても良い場所なので興味がある方は足を運んでみて下さい。
INFORMATION
ほうせんかの家/関東大震災時 韓国・朝鮮人殉難者追悼之碑
住所:東京都墨田区八広6-31-8
一般社団法人ほうせんかのホームページ

歴史や証言集なども掲載されています。
一般社団法人ほうせんか(ブログ)
ほうせんかの家、週末の開放予定など最新の情報はこちらに掲載されています。
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