映画『爆弾』ネタバレ感想|スズキタゴサク役・佐藤二朗の怪演は必見!

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映画『爆弾』を観てきました(ネタバレあり)。刺激的で衝撃的な描写が多く、観る人を選ぶ作品です。

映画『爆弾』公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/bakudan-movie/

特に佐藤二朗さん演じるスズキタゴサクの存在感が映像によって何倍にも増幅されており、印象に強く残りました。刺激を求める方にはおすすめできる一作です。

佐藤二朗(スズキタゴサク)の圧倒的な存在感

佐藤二朗さんの演技によって、スズキタゴサクの不快さ・狂気が画面からあふれ出してきます。

私が以前聴いたAudible版のナレーターさんも上手く、喪黒福造のような不気味さを感じましたが、佐藤二朗さんによって映像になると表情や佇まいが加わってさらに不快感が強まりました。

スクリーンを越えて口臭や体臭まで臭ってきそうな迫力!

本作の主人公はこのスズキタゴサクと言っても過言ではないので、かなりプレッシャーのある役だったかと思いますが、佐藤さんはこれ以上無いくらいの演技で、スズキタゴサクを実在化されていました。

原作との距離感

原作小説を1年以上前に読んでいたため、細かい動機や背景を忘れている箇所がありました。

例えば、ある息子の爆発に至る経緯など、「なぜそうなったのか」を改めて確認したくなる場面があり、原作を読み直したい気持ちになりました。

映像では取捨選択している点が多いため、原作の細部を覚えているとまた違った見方ができそうです。

類家(山田裕貴)の活躍と対決

前半では目立たず立ち回っていた山田裕貴さん演じる類家が、後半で一気に主役級の存在感を示す展開は「キター!」という気持ちになりました。

原作ではより顕著なのですが、この類家は物語序盤では脇役のように描かれています。それが、上司の清宮がギブアップして尋問を交代するところからその本領を発揮。

高いIQを活かしてスズキタゴサクと対峙していく展開が本作の非常に独自性があるところです。

小説では「タゴサクを圧倒していた」印象でしたが、映画では互角、引き分け、という印象でタゴサクもさすが、といった感じでした。

清宮刑事(渡部篤郎)の印象

小説を読んだときは清宮刑事をもう少し若い(40代前後)の人物像で想像していましたが、映画では渡部篤郎さんが演じていたので、初めは「この人は誰の役だろう?」と思ってしまいました。

展開が進むと、若い類家との対比で良いですね。

その他の刑事の印象

本作には、他にも多くの刑事が出てきます。

倖田沙良(伊藤沙莉)…若い巡査。立場的には重要ではないのですが、展開上では物語のスパイスになるキャラクター。映画では、座組的にヒロインのようなポジションになっていて原作よりその活躍が印象に残りました。

等々力功(染谷将太)…タゴサクと最初にエンカウントする刑事。良い味出している演技で、警察の過去の話にも関係しているので、もう少し出番が欲しかったです。

矢吹泰斗(坂東龍汰)…倖田の同僚で巡査長。いい奴感あふれるキャラクター。倖田に決意を固めさせる事件の場面は、小説でも印象に残っていましたが、映画ではより心に残ります。

伊勢勇気(寛一郎)…野方署でズキタゴサクの事情聴取につきあう巡査長。倖田や矢吹とのエピソードがあるのですが、さすがに映画ではここに時間は取れなかったようで。サラッと語られた感じになりました。

長谷部有孔(加藤雅也)…野方署の元捜査官。過去に事件現場でしていた行為でスキャンダルになり署を追われ…。この長谷部の事件は小説で読むと、かなり色々なことを考えさせられるのですが映画では尺が短く、原作未読だとただの変態として見えてしまうのではないかと心配です。

石川美海(中田青渚)と石川辰馬(片岡千之助)…長谷部の元妻と息子。一見、脇役風に見えるが…?

衝撃的な描写と注意点

爆発シーンや流血など、グロテスクな描写が繰り返されます。

映像で見るとかなり強い衝撃があり、苦手な方にはかなりきついかもしれません。個人的には何度かトラウマ級のショックを受ける場面がありました。

鑑賞の際は心の準備をしておくことをおすすめします。

構成について

登場人物が多く、それぞれに派生するエピソードが多めなので、2時間の映画としてはやや散漫に感じる場面もありました。

一方で、取り調べシーンなどの静かな緊張と、タイトル通り爆発シーンの唐突な衝撃が交互に来ることで、最後まで緊張感を保たせる仕掛けにはなっています。

今後に期待

原作には続編があるため、映画が好評なら続編の映像化にも期待したいです。

まとめ(観るべき人)

  • 佐藤二朗の怖さを映像で味わいたい人
  • 刺激的でショッキングな映画を求めている人
    には強くおすすめします。一方でグロ描写や爆発表現が苦手な方は鑑賞に注意してください。

小説を原作とした映画の中では、かなり完成度の高い作品だと感じました。スズキタゴサクや類家の存在感、取り調べシーンで高まる緊張感が、爆発シーンで一気に解放されるカタルシスを生み出し、起伏に富んだ展開で最後まで飽きさせません。

グロテスクな描写にある程度耐性がある方なら、映画館で観ても損はないと思います!

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